14ー2
フラフラと登校するあい。
疲労からか、それとも違う理由からか。
足取りが重い。
「……着いてしまった……。」
ぽつりと呟く。
少しでも家に近いところに行こう。
それが志望理由でこの高校を選んだ。
それが今、仇となってしまった。
登校中に少しでも落ち着こうと思った。
しかし、やはりと言うべきか、そんなことは出来なかった。
校舎に近づくにつれ、心臓の鼓動が騒がしくなっていったのだ。
それが今まさにピークに達した。
教室に辿り着いた。
辿り着いてしまったのだ。
誰もいない。
あいはそう思っていた。
しかし、それは間違いであった。
「あっ、お、おはよう……。」
「お、おはよう……。」
目を逸らす両者。
あいとまいはそれぞれ同じ動作をしていた。
しかし、表情は逆であった。
あいは、たらりと冷や汗を垂らして青い顔を晒している。
一方まいは、恥ずかしそうに頬をかいている。
そして、顔はほのかに赤い。
「ま、まい……?その……。」
「話は後で……。」
シャットダウン。
あいが何を話すのか分かっていたようだった。
時が進む。
休み時間になる度に、あいはまいと話そうとした。
しかし、その都度煙に巻かれた。
あっという間に昼休み。
いつもなら二人で昼食を食べる。
しかし、今日はどうなるか分からない。
あいは困っていた。
机に座り、どうすべきか考えていた。
そんな彼女の元へ一つの人影。
「昼……食べよっか……。」
まいだ。
「え?あ、う、うん?あっ、はい。た、食べましょう……。」
今まで避けられていたまいに急に話しかけられた。
それにより、慌ててしまったあい。
しどろもどろになり、最終的に丁寧な口調になってしまった。
「……いただきます。」
「い、いただきます。」
食事を始める。
無言。
本来それが正しい。
しかし、彼女らにとって、それは非日常であった。




