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嫌な予感がする。
「……。」
無言のまい。
「つ、付き合ってみる?……な、なーんちゃんって……。」
「……は?」
まいの頭が真っ白になる。
あいは今、何と言った?
走馬燈。
あぁ、これは死ぬ直前でなくとも見るものなのか。
呑気にそんなことを思うまい。
心臓の高鳴りと、彼女の脳内は真逆な状況に陥っていた。
「……や、やだなぁ、冗談だって……。」
「……。」
「ま、まい?お、おーい、まいさん?」
急に無言になるまいに慌てるあい。
「……今日はもう帰るね。」
「いや、私らまさにその途中だからね?」
「……また明日。」
「えっ、ちょっ、まいっ!?」
その場からにげるように駆け出したまいであった。
そんな彼女に、あいは手を伸ばす。
しかし、それが届くことはなかった。




