2ー2
「……なにそれ、昔のアイドルじゃん……。いや、そもそも食事中なんだけど……。」
嫌そうに眉間に皺を寄せるまい。
ため息をつき、心底呆れているように見えた。
「ごめ……いや、まいが先にトイレの話題出したんだけどっ!どっちかと言ったら私が被害者なんだけどっ!」
危ない。
危うく自分のせいになりそうだった。
油断ならない。
そう思うあいであった。
「ありゃ、流石に騙されなかったか……。あはは、いやぁ、ごめんごめん。」
悪びれる様子もなく笑うまい。
「良い……いや!そうじゃないよ!」
再び振り出しに戻る。
ばん!
机を叩く。
ビクッ。
驚くまい。
これも先ほどと同じだ。
デジャヴュだろうかと思うほど全く同じであった。
「いや、なによ?」
まいが少し面倒そうに目を細める。
「だ、だからさぁ……そのぉ……。」
あいが言いずらそうにしている。
いつもの元気な彼女の姿はそこにはなかった。
「分かったよ、私とあいが付き合ってるって思われてるってことでしょ?」
「わお!まさかのストレートっ!?」
「さっきからテンション高いなぁ……。良いじゃん、百合営業。声優とかアイドルとかで流行ってるんだし……。」
「こらこらこらこら!駄目でしょそれを言っちゃ!ま、まぁ、それは置いておいてさ……いや、正直どう思うよ?その、私らがそう言う風に見られてるって……。」
前半はやや慌てて言い、後半になるにつれ尻窄みになっていったあい。
「……まぁ言いたい奴には言わせておけばいいんじゃない?」
「うわぉ、ロックゥー!?」
「でしょ?」
したり顔のまい。
そういうノリなのだろう。
この時のまいは、いつもよりも脳の稼働率が格段に低かった。
つまり、ほとんどなにも考えていない状態であった。
ロックとはなんなのだろう。
恐らく気にしたら負けなのだろう。
考えたらいけないのだろうな。
両者そう思うのことであった。




