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12ー2
授業が始まる。
しかし、あいとまいは集中出来るわけがなかった。
先ほどの陽子の言葉が気になったのだ。
そわそわ。
二人とも、挙動不審であった。
一時限目が終わった。
チャイムと同時に立ち上がる。
あいとまいだ。
歩を進める。
目的地は言わずもがな。
陽子の席だ。
問いつめてやる。
そんな意気込みで行ってしまったからだろうか。
「ひ、ひえぇー!」
陽子は足早に教室を去った。
「あっ、こらっ!」
「ちょっ、陽子!」
あいとまいが追いかけようとしたが、すでに彼女の姿は小さくなっており、諦めてしまった。
次の放課に聞けば良い。
二人ともがそう思っていた。
しかし、その次も、そのまた次も陽子と話をすることは出来なかった。




