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見える……。
見えるぞ!
二人の口の動きから、おおよその会話を可視化することに成功した。
キスしたい……だと?
私も……だと!?
店の中だぞ!
感情がしっちゃかめっちゃかな陽子。
店内でおっ始める気かとそわそわするのであった。
一方そんな邪な監視されているとは知らない二人。
「ねぇねぇ!このネックレス可愛いね。」
ニコニコとあいがまいへ見せる。
「え、えぇ……。」
まいは困惑の声を上げた。
あいが見せたのは、シルバーの餃子のついたものであった。
「……いや、ダサすぎるよ……。というかどこから見つけてきたの……?」
「そうかな?凄い良いと思うんだけどなぁ……。」
「もし私があいとバンド組んでたら方向性の違いで解散するレベルだよ。」
ふんす。
ドヤ顔のまいであった。
「……上手いこと言ったつもりのところ悪いんだけど、言ってることよく分かんないんだよなぁ。」
あいの反撃。
「うっ、うるさいっ!ば、ばーかばーか!」
一転、赤面するまいであった。




