表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
結束ばんど  作者: あさまる
3/43

2ー1

「あんたら二人仲良いよね。」


ある日の教室。

桜が間もなく散り、葉桜になる頃。

朝、授業が始まる前。

クラスメイトの一人である佐倉陽子が、あいとまい二人へ向けてそんなことを言う。


「まぁ、否定はしないよ。」

やれやれ。

そう言いたそうなあい。


「私達幼馴染だからね。」

まいが続ける。


「仲良いと言えば仲良いかな。」


「更に言うと、私達のお母さん達も仲良いよ。」


「ふーん、どう?凄いでしょ?」

鼻息が荒い。

そして、したり顔をするあいであった。



「いや、凄いよあんたら。一人で話すことを二人で交互に話してるじゃん、リレーじゃん。」

苦笑いの陽子。

目に見えて、引いているのが、あいにもまいにも分かった。


「いやいや、引かないでよ。」

少し焦るまい。


「ほら、あれよ?世間一般の親友レベルよ?」

目が泳ぐあい。


「まぁ、良いや。」

特に気にしていない様子の陽子。


安堵のため息。

あいとまいは同時に出したのであった。


「え、えぇ……ため息も合うの……?」

ピクピク。

陽子の眉が痙攣していた。



昼休み。

いつも通り、あいとまいは机を繋げ、弁当を食べていた。


「由々しき事態だね。」


「え?何が?」

大きく口を開け、米を迎え入れようとしていたまい。

手を止め、あいの言葉へ反応を示した。


「私達ただ事じゃない関係だと思われてるよ!」

ばん!

机を叩く。


ビクッ。

驚くまい。

目を見開き、小さく一瞬震える。

小動物のような驚き方をしてしまった。


「た、ただ事じゃないこと……?」

あいの言葉を反復するまい。


「い、いやぁ……だ、だからぁ……そのぉ……。」


まいの真っ直ぐな瞳。

それに、しどろもどろになるあい。

彼女から目を逸らし、徐々に顔が赤くなっていく。


「……トイレ?」


「ち、違わいっ!ピチピチのJKはトイレせんわいっ!」

反論するあいの声。

それは段々と大きくなり、所々上擦っていくのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ