8ー3
いつも通り授業を受け、時間が過ぎていく。
あいとまいは、常に二人一緒にいる。
陽子にはそう見えた。
そして、本当に仲が良いのだなと思うのであった。
陽子は、自身と同様に、彼女らを見ている者達がいるのに気がついた。
それは、彼女らの非公式のファンクラブの者達であった。
視線が一点に集中している。
あれほど凝視してばれないと思っている彼女らも凄い。
しかし、なによりもあんなに熱心に見られていても構わず、二人で話しているあいとまいの両者も凄いと思わざるを得なかった。
なぜかこの奇妙な関係が今日は気になってしまった。
いつもなら興味がないので無視しているだろう。
おそらく今朝彼女らと登校してしまったからなのだろう。
「あんたら……何やってるの?」
彼女が話しかけに行ったのは、金髪のお嬢様に仕えたい会の会員、つまりはまいの非公式ファンクラブに加入している者達の所であった。
「え?そりゃあ、まいお嬢様……じゃかった、束原さんのことを愛でて……見てただけですわ……だよ。」
うっかりが過ぎるぞ。
もう溺愛しているのがばれているぞ。
口には出さない陽子であった。
「……そうなんだ。楽しい?」
「えぇ、もちろんですわ……だよ。」
そりゃあ良かった。
「なになに?何の話してるの?」
陽子らに声をかけてきた者。
それは、陽子が後から話かけようと思っていた集団の一人だ。
つまり、あいの非公式ファンクラブである姫の黒髪を撫でたい会の会員だ。
「あら、お隣さん。御機嫌よう。」
ペコリ。
丁寧に頭を下げて挨拶をする。
「はいはい、御機嫌よー御機嫌よー。」
それに対し、適当にヘラヘラと笑いながら返す。
なるほど、ファンの層も変わるのか。
両者のやりとりを見て、陽子はそう思った。
まいのファンはクラスの中でも大人しい者達が大半であった。
また、彼女らはお茶会と称して定期的に菓子や紅茶をつまみながらまいの魅力を語っているものがよく目撃されている。




