6ー5
「なんか佐倉さんイメージと違ったなぁ。」
「え?」
まいの言葉を聞き返す。
「もっと大人っぽいと思ってた。結構あいに似てるとこあるんだね。」
「なっ!?失礼な!そこまで馬鹿じゃないよ!」
「ふふ……ならあいの前でもさっきみたいなこと出来る?」
「……すみませんでした。出来れば内密にお願いします……。」
「ふふ、ならあいの家に行った時に大人しくしててね。」
「え?私も行って良いの?」
陽子がキョトンとする。
「え?当たり前じゃん。……あ、もしかして用事ある?」
「いや、ないよ……。ないけど……。」
良いのだろうか?
クラスメイトではあるが、あいと友達と呼べるような仲ではない。
そんな自分が行って迷惑ではないだろうか?
陽子はそんなことを考え、戸惑いを見せるのであった。
「佐倉さんが来てくれればあいも喜ぶよ。」
「そ、そうかな?」
「さ、着いたよ。」
まいが言う。
「……あっ。」
そうこうしているうちに、あいの家へ着いてしまったのであった。
来てしまったものは仕方がない。
もし体調が悪そうで、迷惑になるようであればすぐに帰れば良い。
インターホンを押すまいの後ろにいる陽子はそう思うのであった。




