表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
結束ばんど  作者: あさまる
2/43

1ー2

「うん?なに?」

あいも、依然として携帯電話を見ている。

興味なさそうな声と顔。

その様子は、まるで自室でリラックスしているようであった。


パタン。

本にしおりを挟む。

そして、ずいっとあいを見つめる。

そんなまいの目は、心なしか、ハイライトが消えていた。


「なんで携帯電話弄ってるの?私といるのつまんないの?他の女の子とやりとりしてるの?浮気?そうなんでしょ?」


「お、なんだなんだー?ヤンデレごっこかー?」

未だ、まいの方を見ない。

にやにやとしているだけであった。


「うん。昨日初めてみアニメの真似。似てた?」

まいの目のハイライトが戻る。

普段の彼女だ。


「あー、多分似てたんじゃない?知らんけど。」

そう言うあいは、心底興味がなさそうだった。


「そう。」

本を開き、再び読み始める。


「……え?それだけ?」

ずこっ。

あいは、まいの言葉に、座っているにも関わらず、ずっこけそうになる。


「それだけ。」


それだけ、だそうだ。



「暇。」


再び携帯電話を弄っていただけのあい。

そして、読書に集中していたまい。

時計の針の音のみが教室に響く。


「私といるのに……。」

まいの目のハイライトが、再び消える。


「あー、もういい、もういい。」

面倒くさそうなあい。


「ごめん。」


「いいよ。」


まいは、許された。



「帰ろっか。」

あいが言う。


「そうだね。」


こうして、二人は帰宅の為の仕度を始めた。


二人は、幼馴染で、幼稚園の頃からずっと一緒だった。

クラスが違うことは何度かあったが、基本的にはまるでコンビのようにずっと一緒にいた。

それがあいには当たり前であり、まいにとっても同様であった。



「帰りにどっか寄ってく?」


「うーん……私は私の家に遊びに行く。あいはあいの家に遊びに行こう。」


「それ帰宅じゃん。」



これは、そんな二人のヤマなしオチなしな日常譚である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ