表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
結束ばんど  作者: あさまる
1/43

1ー1

※この作品は、フィクションであり、記載されている物は実在する団体や個人等とは、一切関係ありません。

ご覧いただき誠にありがとうございます。

今後ともよろしくお願い致します。


2018年12月7日

あさまる

とある高校。

ある日の放課後。

そして、その空き教室の一つ。

そこに、二人の女子生徒がいた。



「そういえばさー、まい?」

携帯電話を弄る少女。

机をはさみ、向かい合って座っている少女へ話しかけた。


彼女の名前は、結月あい。

この高校に通う二年生だ。

父親譲りの輝く金色、そして母親譲りの美しく艶のある髪を靡かせている。

日本人離れした顔立ち。

彼女がハーフであることを物語っていた。



「……なに?」

対するのは、艶やかな黒髪の美しい少女。

こちらは、文庫本を読んでいる。


彼女の名前は、束原まい。

あいと同級生で、同じクラスの生徒だ。

家が近所と言うこともあり、幼稚園の頃から一緒にいる。

所謂幼馴染だ。



「それ面白い?」


「……これ?」

まいは、読んでいる本を軽く持ち上げる。


「そう、それ。その本。」


「全然。」


「……は?」

予想外の返答に、困惑するあい。


「全然。」

まいが、全く同じ返答をする。


この場合の、全然とは、つまらないという意味を示しているのだろう。


「な、なのに読んでるの?」

あいの純粋な疑問。


「うん。」

即答。


「……もしかしてだけどさ。」


「うん?」


「私といるのって、それ読んでるよりもつまんない?」


「全然。楽しいよ。」


「……なのに読んでるんだ。」

訳が分からないあいであった。


「こういう本読んでると……。」

すくっと立ちあがるまい。


「賢そうに見える。……そうでしょ?」

このように、続けて言った。


想像以上に間抜けなことを言うまい。

そんな彼女に、あいは何と言っていいのか分からなかった。


「いや、ちっとも。そんなこと聞いちゃうとむしろ馬鹿っぽい。」


「まじかぁ……。私馬鹿っぽいかぁ……。」

すっと座るまい。

そうは言いつつも、読書を止めない。


「まぁ、否定しない。」



「あ、そういえばさ……。」

依然目線は本の中の世界にあるまい。

落ち込んでいる様子はまるでない。さきほどのあいの言葉など、全く気にしていなかったのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ