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魔王サタン→人間に成り代わり  作者: 〇〇
魔法学園編
19/30

魔王サタン→過去[Another one]

僕の名前はレックス・ロード・ラウンド、ある村に住んでて、父は剣士で母は専業主婦のちょっぴりお金に余裕がある

ごく一般的な家庭に生まれた男の子です。


今日までは・・・・


「レックスは今日で七歳か、早いもんだな・・・」

マックス・ロード・ラウンド、レックスの父親は物思いに老けながらそういった


「そうですね、レックスが生まれたあの日は昨日のことのように覚えてます」

レイ・ロード・ラウンド、レックスの母親はそう同意する


「・・・・・おはようございます、お母さん、お父さん」

するとレックスが目をこすりながら起きてきた


「おはようレックス、今日は七歳の誕生日だね、お祝いをしなくてはな、誕生日プレゼントは何がいい?」


「本当に!!いいの?!えっと・・・・本とかだめかな?」

レックスは体を動かすよりも本など、書物をあさるのが好きだった


「本でもいいんだが、剣とか防具とかでもいいのだぞ?」


「あなた、気持ちはわかりますけど無理に進めるのはよくないわ」


「ああ・・・」



その日、レックスの誕生日は盛大に行われた、大きなケーキ、きれいな飾り、レックスへのプレゼント

その夜はレックスにとって最高の夜で終わると思っていた



しかし


キャー―――!!! 


助けてくれーーー!!! 


なんなんだお前ら!!


うわああああ!!


村中から悲鳴が聞こえた


「あなたおきて!!」


「ああ起きてる!!!どうしたんだ!!・・・村がもえてる!?」

村中の家から火が上がり、煙の臭いと赤い光がいろんな家に反射してギラギラしていた


「お前はレックスとここにいろ!!」

寝ているレックスをレイに預けてそういった


「あなた死なないでね・・・」


「・・・・いってくる」

マックスはその問いには答えず剣をもって外へでた



それから数分後、


バンッ!!


扉が破られる音がした


「この家で最後か、おまえら金品はお持ち帰りで人間は殺せ」


そこには数十人の盗賊がいた、しかもそのリーダーがもっていた剣はマックスの愛用していた武器だった

扉の隙間からそれを見ていたレックスはわけがわからないという顔、そしてレイはすべてを察して口元から漏れ出る声を必死に抑えながら泣いていた


「お母さん、なんで泣いてるの?お父さんは?」

レックスはお母さんがなんでそんなに泣いてるのかわからず、心配そうに話しかけると

レイは気持ちを押し殺して涙を拭き、レックスに真剣な表情でいった

「よく聞くんだよレックス。これをもって裏口から逃げなさい」

そういうとレイは持ち手にリボンがついてる短剣をレックスに渡した


「これはなに?お母さんはどうすんの?」


「あの人は不器用な人だったから最後まで渡せずにいたのよ、あの人らしいけどね・・・・これはお父さんがレックスにプレゼントで渡すため買った短剣よ、これをもって」

そういうとレイはレックスの手に包み込むように短剣を握らせた


「お母さんは!?」

いつのまにかレックスの目から涙があふれたいた、なぜかはわからない、いや本当はわかっていたのかもしれない、認めたくないこの光景のために自分にウソをついていただけなのかもしれない。


「行(生)きなさい、レックス・・・・・・・・、走りなさいっ!!!!!」

レイは今まで聞いたことないほど大きな声でそういったと同時に扉を開けて家の外を出ておとりとなった



レックスは裏口から森へ全力で走った、

涙が止まらず、何回も転んだ、葉で皮膚がきれて血もでた、しかしレックスは走ることをやめなかった

ひたすらやみくもに・・・


何時間立ったのだろうか、涙も枯れはてレックスは疲れ果てて憔悴しきって大きな岩に背を預け、へたり込んでいた

その時、遠くから声が聞こえた

「おいガキはこの先だな」


「足跡が続いてる」


「どうやって殺すか。あはははは」



(もういい、あきらめよう、どうせ僕なんてお母さんとお父さんがいなきゃ何にもできないし、生きる理由もない、そうだこの短剣でこの心臓をつけば楽になれるかな・・・そのために渡したのかな・・・・)


『行(生)きなさい』


今まさに心臓に短剣を突き立てようとした瞬間、レイの言葉が蘇った


その時…


「あ”あ”あ”あ”ぁぁッぐぅあ”ぁ”!!!!」

心臓に短剣を刺しているわけではないのに、それ以上の痛みを感じ、なにかが心に入ってくる感覚におそわれた


(意識が遠のく・・・・・・今意識を消えたら死ぬ、こんなところで死ぬだと私が?

 ありえないだろ)




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