Good lack
~とある村~
「た、助けてくれぇぇぇ!!!」
「ん、一体どうしたんだ?」
オレは取り乱している30近い感じのおっさんに尋ねる。
「村の端っこでゴブリンに襲われている女性がいる!数は20以上はいたんだ!
このままだと殺されちまう!おれじゃあたすけられねぇ・・・!頼む!」
「へぇ・・・なるほど」
オレは少し考える。
(ふむ、村の端ならいけるか。ゴブリンも20を超えるくらいなら問題ない。後は・・・)
「おい、どうしたんだよ!まさか助けにいけないのか!?」
村人が焦ったように問い質してくる。正直鬱陶しい。
「ちげーよ。オレが考えてんのは・・・」
「どうやってその女性にR18な瞬間を見せずに済むかってことだぞ」
「・・・へ?」
ビシュンッ
村人が呆けた顔をしていたが気にしなかった。
だって、さっさと助けたかったし。
オレはそう思いながら転移した。
「ギキィィィ」
ゴブリンたちがそんな耳障りな鳴き声を発しながらこちらを向く。
・・・やっぱキモい。
オレは横に手刀を切った。
「そのきたねぇ声と醜悪な面が不快だ。さっさと消えろ」
それだけだ。それだけでゴブリンたちは断末魔をあげることすら許されずに消えた。
けっこう手加減してやったんだがなぁ。ま、こんなもんか。
「あ、あの・・・」
ん?
消え入りそうな声が聞こえた方向に向くと、そこには20代そこらの女性がいた。
ちなみにゴブリンたちは死んだのではなく消えたので、この女性がR18を見ることはなかった。
「た、助けてくださってありがとうございます・・・。旅の方でしょうか?」
「別に。頼まれなければ助けなかったしそもそもわからなかった」
と、オレは返す。
実際気づかなかった。
別に感謝されることじゃない。
「確かにオレは旅をしている。ここの村は旅人のオレを快く迎えてくれた。その恩は返さなきゃな」
「オレは関係ない人を無闇矢鱈と助けない。自分が危なくなる可能性もあるからだ。知り合いならまだしも関係ないヤツまで助けるほどお人好しじゃない。
とはいっても、恩にすら報いないほど馬鹿でもない。だから助けた。それだけ」
オレはそう言い聞かせる。
「そうですか・・・。それでも、ありがとうございます」
と、律儀に感謝してくれる女性。いい人だな。
「ま、オレはもうこの村をでる。村長たちにありがとうって伝えてくれ」
「もう行かれるのですか?もう少し・・・」
そう引きとめようとするが、もう決めたことだ。いまさら曲げない。
「Good lack」
オレはそういいながら村の外へ転移した。
そういえば、なんでこうなったんだっけ。
すこし回想に入ろう。
ホワンホワンホワワ~ン
次からここにはおまけのif、アナザー入れてきます。