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ぼっちVS一文字・後編


 おいマジかよ。前回「独白で1話まるまる使う訳にはいかない。」って言ってから数行で終わったんだけど。結果的に1話まるまる独白で終末を迎えたんだけど。こんな間に恵まれない人間おる?






 まあそれはひとまず置いておこう。んで、ギルドに向かうっていうのは何故かというと、異世界に来てギルド登録(女神様の計らいで俺は転生者狩りの資格を有していることになっていたので余裕)してから着々とこなしていた任務の報酬を受け取るためだ。


 しかし、これだけ聞くと「は?wwww2ヶ月前の転生当初の任務の報酬今頃支払われんの?ww草生えるwwwwww」となる人もいるだろう。

 だがこれは致し方ない。なにせ俺の特典に起因するところがあるのだから。





 先の話に於いて『人徳--』なる特典を得たという話をしたが、その具体的な効果、気にならね?どうしよっかなー、教えてあげよっかな〜(虫唾)?…………………やめよう、これ絶対独白でやるタイプのやつではないだろ。自分のSAN値削れちったよ(白目)。




 んでその特典の効果だが、これは2ヶ月で俺が把握した限り、『特に理由はないがすごく軽んじられる』といえると思う(半泣き)。


 たとえば、『こいつは特に理由はないが別に進んで関わる程の男でもないな』みたいな。こういった印象を大多数から持たれるのである。そのため俺は未だにこの世界で名前を知ってる奴が一人もいない(哀しい笑み)。



 この『人徳--』の特性がギルドの報酬の話と関係している。率直に言うと、「あいつへの報酬の支払いは後でもいいだろ(無感情)」ということだ。


 ……すごい、曾てないほど軽んじるられてる。カラオケで半ばドリンクバー係と化している者でもここまで軽んじられねーぞ。

















 そんなこと考えてたらギルドに着いたぜ。受付にLet's Goooooooooooooo(躁鬱)!!!!



「すいません(間違った日本語)。」



「はい?」



 受付嬢ちゃんが対応してくれる。こんにちは、かわいいね。


 いかに今の(強調)俺に人としての魅力がないとはいっても存在感が無いわけではないし、変に軽んじられるだけなので周りの人に話しかけたら皆それには応じてくれる。話しかけられること?あるわけないだろ(半ギレ)。



「あのですね、何でか完了した任務の報酬が全然貰えねーんで今日受け取りに来た次第なんすけど」



「報酬のお受け取りですね。では登録の方を確認させていただきますのでパスポートのお見せいただけますか?」



 パスポートとはいちいち説明するのもめんどうだ(ベジータ)が、そのまんま冒険者ギルドに登録している事の証明になるものです(突然の激寒敬語)。



「はい、それでは確認します……………………………………………………………」



「…………」



 全然照合できない。特典のせいかもしれないしそうじゃないかもしれないけどこれはいつもの事でもう慣れた(末期)。異世界なんてそんなもんだろ(健気)。


 因みにこの受付嬢ちゃんとは初対面じゃないが、あちらは多分当然のように初見と思っている。これはひとえに彼女の脳が俺を軽んじているせいであると思われる(まさかの正解)。



「……………………………………………………………確認できました」



「あっ、はい」



「では報酬未受け取りの任務の詳細について教えてください」



「えっとですね、なんかこう…………竜なんすけど……なんか…あれ、なんか腹が安山岩みてーな色してて………えー大腿四頭筋がすげぇ奴っす…………………ああ、なんか、黒……あっ確かブラックドラ…………?」



「(何でそこまで言えてるのに出ないんだろう……)ブラックドラゴンですね」



「それっす。そんでそこの外れの森あるじゃないっすか?その中の洞穴の奥に住み着いてた奴、そのブラックドラゴン(にわかに発音の良さを強調しつつ)っすね、それを6匹ばかし狩ったんすけど」



「ブラックドラゴンをそんなに……それは確かに報酬を受け取らない訳にはいきませんね……」



「そうなんすよマジ。ちょっと確認してください。」



 こういった任務を完了してもすぐに報酬を貰えない事は全体の7割程度であり、これは小学生が宿題を忘れた際の言い訳のうち「やったけど家にわすれました(直後に制裁)」が占める割合とほぼ同等だ(俺調べ)。


 因みにこの言い訳は中学校に於いても度々見ることが出来るが、中学生にもなると「眉毛に激痛が走ったから」等といったもっと良い着眼点の言い訳があるため通用したためしがない。そもそも宿題さぼってんじゃねぇよカス共(自己紹介)。



「………………………」



「どうすか?」



「………………えっとですね、ちょっとそういった完了報告はないですね…」



 受付嬢ちゃんは困り顔でそう言ったが、俺女の子の困り顔大好きなんですよ(クズ)。

 ってそうじゃねぇよ。



「ん?……ない…………?」



「…はい」



「…………」



「…………」



「……いやいやいや、やべーきたこういうやつ。久々にきたでぇ〜。 これは厳しいって。あーどうしよ。いやほんとやったんすよ。これはマジっす。覚えてねーんすか(裏声)?」



「ですが…」



「マジなんすよ。マジでクッソ苦労してブラックドラゴン屠ったんすよ。ほんと肩もやっちゃったしさぁ。うわあ厳しいわこれ、つーかこんな嘘ついてもすぐバレんじゃないっすか。これガチなやつなんすよちょっと助けて」



(助けてって言われても……)



「いやあんとき滅茶苦茶腹痛くて後ちょっとで野○ソだったんすよ。これほんと辛いっすからね。ケツに常時力入れて一瞬の油断でもう脱糞ダーマン(意味不明)…」



「あの、完了報告をしていないということは…?」



「ないです(即答)。これは確実にしました。」



「このギルドの職員に、でしょうか?」



「おう(タメ口)」



「その職員はどういった方でしたでしょうか…?」



「………………いや、あなたっすよ(半笑い)」



「………………………………えっ?」



 受付嬢ちゃんが固まっちまったよ、かわいい。

 しっかし、これもう(勝ち目)ないじゃん……



「……………えっ、あの、私ですか?」



「悲しいことにね(他人事)。つーかマジで俺の事覚えてないんすか?あの、ほら、ギルドの登録金チョンボしようとした疑惑のあった(自虐)……」



「……………………いや、ちょっと……」



「あ、因みに名前はトっていいます」



「戸……?」



「そうっすね(紙兎)」



「………………すみません、ちょっと……」



「嘘やん。登録の時あんな生き恥晒したのに印象残ってねぇのかよ。ないわぁ……ん?印象に残ってないならそもそも生き恥でない……(名推理)?」



「あの、いつ頃の話でしょうか……」



「2ヶ月弱くr……ん?完了報告の方っすか?それなら7日くらい前の早朝っすね、夜通し穴で頑張ってたんで(そのままの意味で)」



 とはいうものの、ブラックドラゴンなる魔物自体は特典で簡単に一蹴できた。

 これは俺の人徳--というマイナス特典のおかげで身体能力などの特典の効果は著しく上がっているからだが、じゃあなぜ穴でオールしたかというとただただ穴で迷っちゃっただけである(クソダサ兄貴)。



「早朝………」



「思い出せませんかね?」



「…………………はい」



「…………まあ、それはもういいや…」



「いえ、しかし……」



「いやいいっすほんと。また狩ればいいし(こうなる可能性も頭の片隅にはあったし)」



「瞳孔開いてますけど……」



「それより、次の報酬の話いっていいっすか?」



「あっ、はい(まだあったのか…)」



「ドーピング用の力の種の採取のやつなんすけど」



「…………………………」



「………………………ない?」



「……………………はい」



……………あっ、やべえ意識が………落ちたな(確信)



「……コッ」



「あっ、大丈夫ですか!?」




 駄目です(ヤーマン)。






脱糞ダーマン・・・・・友人Aのあだ名。

 皆でつるんで脱糞ダーマンの話をしていた際、たまたま違うグループで全く別の会話をしていたAがそのタイミングで「俺じゃん」と発言してしまったがために「え?アイツ脱糞ダーマンなの?」という感じになりそのまま定着した。

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