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ぼっちVS後悔と寂寥と憎悪と罪悪感と。


寒すぎて自分でも推敲できないくらいなので週一投稿キツイっす(小並言い訳)



あと主人公はホモではないです




「………………………」



「……元気だしなよ」



 ………。トです。ってな、俺もう明日死ぬからこんな下らねぇ自己紹介もやる必要ねぇか。虚しいだけだ。



 何故こうなったのだろうか。


 転生する前、特典もらって異世界に行けば、それなりに楽しい生活が出来る、などと根拠もない確信を抱いていたが、そんなことがあるはずもなかった。……或いは、そういう甘い幻想を抱いていたからこそ、このような悲劇を招く事になったのか。



 ……そんな稚拙な理由づけで現実から逃避しようとしても、寂しさを一層深めるだけだ。


 いずれにせよ、この事態を迎えて俺の心を占めるものは最早、二つの感情のみだった。


 それは、余りにも愚かすぎた自分のこれまでへの後悔と、そんな自分に対してと、このような、命の価値をまるで理解していない作戦をたてる人物、そしてその考えがいとも簡単にまかり通ってしまう、異常な社会への憎悪だった。……いや、この感情は憎悪、と一言に言い表せる程清らかなものではないかもしれない。


 人間は玩具ではない。そんなことは常識なのに、なぜ使い捨てる者と使い捨てられる者が存在するのか。俺は、嫌だという意思を示した。それを無視することが何故許されるのか。俺のこの命は、ただ他人に使い捨てられる為だけのものなのか。こうして捨て駒にされる事が、避けられぬ運命だったのか………………。もしそうならば、少しでも、少しでも多くやりたい事をやっておくべきだった。しかしそれももう、許されない。その『少し』の猶予さえも、今の俺には残されていなかった。



 もし、こんな末路をたどる事が今までの悪行のツケだというのなら、少しでもまともに生きていればこの結末は避けられたのだろうか。分からない。だが一つ分かるのは、結局のところ、何処の世界でも、『社会』に生きるうえでは『権力』というパラメータには逆らえないという事だ。その理不尽なまでに強力な武器を持つ『勝ち組』には、所詮『負け組』が何をしようと無意味だという現実を、再確認させられた。……無論、俺は負け組だ。いくら腕力があろうと、それに訴えた時点で今度は社会に殺されるのだ。



 ……明日死ぬというのに、そんな無意味なことしか考えられない自分の脳味噌に嫌気が差す。



 先程から、女神が俺を元気づけようとしている。だが、それすらも今の俺には苦痛だった。俺は、彼女らのミスとはいえ、転生の機会を与えてもらった身であるのに、その恩すらも返し切れないまま逝くのか。これほど情けないことがあるだろうか。



 いや…………それじゃあ本物のクズじゃないか……………。




「まだ死ぬとは限らないし、上手くやればさ……」



「女神様」



「っ、なに?」



「役立たずですみませんでした。それと、ありがとうございました。すげぇ楽しかったです」



「え………………」



「それと、俺を転生させてくれた金髪の女神様にも、それだけ伝えといてください。それじゃあ」



「あ、待ってよ!」



「…………大丈夫っすよ。貴女の言った通り、上手くやりますから。少しくらいは、恩を返さないと、ね」



「……………………」



 俺がここで逃げれば、女神様方の立場が危うくなる。俺にできる最善は、明日やってくる転生者を確実に殺すことだ。俺の身がどうなろうと確実に…………。



 そうだ。俺の場合はこれはいい機会だと考える事もできる。母さん達に久々に会いに行くと思えば…………。






























「流石に酷では?」



「……彼の事?」



「ええ」



 街会長邸の一室。先程までいた近衛兵や転生者狩り達が居なくなり、この場に居るのはギャッコムと、例の作戦を考案したアリシアのみである。



「それに、彼ほどの人物をこのような形で失うのは些か惜しいかと。あの力は素晴らしいものです。こちらで雇えば、今後の転生者の襲撃対策としての成果は見込めそうですが」



 ギャッコムはトの実力を高く買っていた。それは彼の経験により磨き上げられた洞察力によるものだったが、彼ほどの場数は踏んでいないアリシアには、それがまだ備わっていなかった。



「駄目よ。力はあっても、あのクズを手元に置いておくなんて危険よ。私だってちょっとからかっただけでここまで叩きのめされたわけだし。変に恨みを買って寝首を掻かれたりでもしたらどうするの?」



「しかし、それを差し引いてもあの実力は」



 アリシアはギャッコムのこの言葉を遮り言う。



「貴方は彼の実力を随分買っているようだけど、私の見立てでは、単独で転生者に勝てる程ではないわ。雇うにしても、リスクとリターンが釣り合わないわ。それに」



「……それに?」



「…………どんなに実力があって品行方正でも、ゴーギャス人を雇うなんて絶対に嫌。母様を殺したクズを雇うなんて………………」



「!……気付いておいででしたか」



「途中からね」



 騎士団に籍を置いているギャッコムは帝都で勇者が闇討ちされたという情報を既に得ており、先程の男こそが勇者を襲撃した『ト・イソジン』という名の『ゴーギャス国の刺客』ではないか、という疑いのある人物だと知っていたが、同じく騎士団所属であるアリシアもまた、これに気付いていた。


 しかし、まだ疑いという段階では実力行使で捕縛もかなわなかった。



「こそこそと刺客を送り込んで闇討ちだなんて、とことん腐ってるわね、ゴーギャス国は。そんな腐った国の差し金なんだから、転生者と一緒に爆死したって誰も文句はないでしょ」



「…………公の場ではそのような発言は」



「分かってるわよ。これまでだって大丈夫だったじゃない」



 ギャッコムはアリシアの母がゴーギャス軍によって惨殺された事を知っていたため、彼女の抱える憎悪に対し何も言えなかったが、彼女の闇が周囲に悟られる事はまずいと思い注意を促した。アリシアはこれを聞き入れているが、ギャッコムは彼女がかなり危険な領域にいる事を不安に思った。



「問題は、作戦自体が転生者に通用するか、ね…………私達も万が一に備えておくべきね」



 そう言ってまた思考の海に沈むアリシアは、トの命など全く意に介していないようであった。


































 そして、翌日――――――







 早朝、作戦に関わる者たちは、再び街会長邸に集まっていた。そしてその中に、作戦には関わらないがトのただならぬ様子を心配した橙色の女神の姿があった。







「…………(もともとあの人はCEOのミスで命を落とした、つまりその責任自体は私達にある……本当は彼は、もとの世界で今も生き続けているはずだったものを、こんな事にしてしまって…………何とかしないと…………!)」



 立ち尽くしたまま考えを巡らせる彼女に、一人の男が近付いてきた。いよいよ死が迫るトである。



「おっす」



「あ…………トくn」



「いやぁwwwwwキリング街の娼館最高っすねwwwwwwwついはしゃぎすぎちゃいました。あれに関して言えば帝都超えてますね、ええ。まあたまたまってだけかもしれませんがありゃ、俺的には結構いい線いってましたよwwいやぁ何がってね、距離感が丁度いい。あ、この距離感っていうのは肉体的な物ではなく精神的な面でね。俺はさぁ、あんましベッタリこられすぎるのもキツいなぁって感じるんで、こう適度にね、アンノォ…………えぇなんか言葉には言い表せないんですけど適度にベッタリして欲しいんすよね。メリハリといいますか、とにかくベッタァ…ってされ続けるのも嫌なんですよね。あ、でも事後のなんかほっこりする感じは好きなんですけどね。……そんでね、昨日の泡姫、じゃねーや娼婦の娘はその点有能。ベッタリが必要な時とそうでない時をわかってらっしゃって非常に良い。めっちゃ助かりましたわ。あと胸もちょい巨乳くらいで俺的には一番興奮したし、下の方の具合も良かったしね。もうクッソテンション上がりました。ありゃあ、まさにサンクチュアリでしたね。あ〜うん、もうここ住もうかな」



「…………………………………」



「いや、何すかその苦虫かみつぶしたランキング1位みたいな顔。やめてくださいよ。ブッ殺しますよ」



「ブッ殺したいのはこっちだよ!!私本気で心配してたんだからね!!!何シリアス装って娼館行ってんだよ!!?」



「ああ、すんません。でもまぁ、この作品がシリアスに走るとは到底思えないし、もう地の文も仕事してないしそういうお固いことはさ」



「メタ発言やめろおまえ!!え何、あの時娼館に行きたいが為にあんな哀愁まで漂わせて嘘こいてたの!!?」



「いや違いますよ、だから首絞めないで。あの時の事は本心っすよ、だからこうして逃げずに転生者を狩りに来たんじゃないですか」



「……………………本当に?」



「流石に俺は恩を仇で返すような奴じゃありませんよ」



「…………………」



「なんだぁその目は!!?(ジャギ)」



「その態度でよく言うよ………………」



「それに、俺もちゃんと作戦練ってきましたよ。つっても、作戦なんて呼べる程大層なモンじゃねっすけど」



「え?クズ転生者と一緒に死ぬんじゃないの?」



「いやぁ、娼館行ったら急に命が惜しくなっちまって(クズ)」



「……あそう。で、その作戦とやらは?」



「今言おうとしてんだろ(思春期)!!…………俺が生き残るには、偽の診療所に仕掛けられている爆弾を起動させる必要をなくせば良い。つまり、『転生者を診療所に到着させずに始末する』って事です。よくよく考えたらクッソ単純でしたわ」






「てか、金無いのにどうやって娼館行ったの?」



「デバイスに鎧たくさんあったからそれ売ってその金で」



「装備売ってまで娼館行く主人公ほんとひで」

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