ぼっちVSステマ作戦(クズ)・前編
オッス(開幕適当)。
「………………」
「ママー、あのひとのかおどーなってるのー?」
「み、見ちゃいけません!」
………畜生。なんだよ、この世界ではハチアレルギーがそんなに珍しいのかよ。
クソ、最悪だ……
いやあの後な、扉にも普通に穴あったっぽくて(何かパッカパッカしてた)、まんまとハチにやられちまってよ。しかも天井裏に巣あったっぽくてさ。
で、もう知ってると思うけど俺体質的にハチにめっちゃ弱くてさぁ。そのまま意識とんじまって、死んだな、って思ったんだけど特典のチート性能おかげで助かった。
その後明け方に意識が戻ってすぐ台所の天井裏を魔力弾でぶっ飛ばしたんだが、まだ結構朦朧としてて台所ごと消し飛ばしちゃった訳よ。で、そのあと一日中居間でずっと寝てた。
……最悪すぎる。
そして最も最悪(意味被り)なのは、普通に国の任務すっぽかしちまったことだ。
これ死刑じゃね?とか思ったけど、特典(人徳--)のせいか今のところは特に何もない。やったぜ。これもう街中でフル○ンでカズダンスしても怒られなさそう。
で、今はギルドに行った帰りなんだが(もちろん嘲笑をうけた)、面白い事になっていた。
昨日のキマイラ討伐が失敗したらしく、再度あの依頼が出ていたのだ。よっわ(悪口)。
幸いにもキマイラ側にはまだ動きがないが、こちらが喧嘩をうってしまったことでいつ動き出すか分からない為、もう一度ギルド民から募るつもりらしい。
もちろん受けてきた。もうアシナガバチはいないし、この腫れも特典のおかげで今日中には引くだろう。明日には間違いなく間に合う。
ふっ、光栄に思えよ、キマイラ。この俺の英雄伝説(笑)の礎になれることをな(大物感)!
――――翌日――――
帝城には俺以外にも有志が集まっていたが、うるさかった(直球)。中学生の全校集会かよ。
しばらく一人指スマ(狂気)をしながら待っていると、騎士特有のゴツイ鎧を装備した大学生に居がちな茶髪の男が現れ勝手にしゃべり出した。
「皆、よく集まってくれた。前回は我々を含めた多くがキマイラを侮り過ぎていた。それ故あのような結果になったわけだが、この任務はそう何度も失敗が許される事ではない。そこで今回は確実に彼奴等を撲滅すべくこのナウ帝国騎士団第6隊隊長ボルトが同行し指揮を執る」
(うーん、やっぱり名前はカタカナ…………こりゃ女神様がいなきゃ言葉わかんなくて野垂れ死んでたな)
などと禁句にまで考えが及んでしまっていると、
「ま、マジか…………騎士団の隊長が直々に」
「そこまで難易度高いの……?」
「ていうか隊長いるなら俺らいらなくない?」
などとうろたえるガヤの声が耳に入ってきた。
(流石に騎士団の隊長が出張ったらこうなるか…………でもぶっちゃけさっきの自己紹介じゃあ小物臭プンプンだったけど(自己紹介))
「このことから察せるとは思うが、今回の任務は難易度が高く危険だ。キマイラと相対する自信が無い者は遠慮せずに辞退してもらいたい」
(うへぇ、キマイラの方もやり手(隠語でない)なのか)
だが、その方が俺の売名には好都合だ。少なくとも唐突にステマ始めちゃう前田○太投手よりかは。
「あ、じゃあ俺は降ります」
「わ、私も!」
「あっ、なんか眉毛痛いから帰る」
更に、ギルド民どもがウ○グル獄長死後の配下たちの如く次々に降りやがった。
実戦で見せることは出来なくなったが、任務成功のあかつきには恐らく何かしらの表彰があるはずだ。騎士団隊長まで出すくらいなんだ、そうに違いない(フラグ)。
そうして残ったギルド民は俺含め5人………………5人!?
えっ、帝都のギルド民ってこんなチキン多いの!?
カスやんけ(辛辣)!!
でも元々集まってたのが20人くらいしかいなかったからまあこんなもんかね。でもそもそも実力者は治安のいい帝都にはいねーのかな。帝都在住でもギルドに居なかった実力者も居るだろうし。
「……5人も残るとはな。帝都にもまだまだ優れた人材が埋もれているということか」
(……ん〜、俺一応ちょっとだけここの軍にいたんだけどなぁ、隊長さんがそんな末端のカスまで覚えてねーよな。つか戦場にも出てねーしな俺)
しかも俺いたの確か親衛隊だしな。面識あるわけねーじゃん。俺の頭は腐ってるのか?
「時に、そこの君」
(お、誰だ?)
「君、ツーブロの君だ」
「………ん!?俺すか!?」
「?そうだが」
おー…………話かけらるのが久々すぎて全然気付かなかった。自分で言ってて惨めだ。何で言わすかね(逆ギレ)
「何すか?」
「人違いなら申し訳ないが、君は確かトといったか」
「おお!俺の事覚えてたんすか!?いやー感動っす!!」
「もちろんだ、忘れるわけがないだろう」
「無連絡で国の任務を放棄する者など滅多にいないからな」
「……………………あー」
前田○太投手・・・・一人称が俺から僕に変化したためステマが即バレした。