表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
太陽の涙  作者: 劉・小狼
9/13

 9

 川の中に落ちた浩太と真夜の二人はまるで

 恋人同士のように水中で見詰め合った。

 だが、すぐに真夜は息が苦しくなり、

 水面へと上がった。

 浩太も真夜のあとを追いかけ、水面へと

 顔を出した。


 「おい! 大丈夫か?……」


 二人のことが心配になり、琢也らが慌てて、

 浩太と真夜のもとに駆け寄り、二人を岸へと

 引っ張り上げた。

 急にいなくなった真夜を探していた由貴は

 川の方から水音がしたのに気付き、

 慌てて、浩太らのもとに駆け寄ってきた。

 やっと、岸に這い上がった浩太に


 「あんた、何をしているの?……」


 由貴は一瞬、びしょ濡れの真夜を見ると怒りながら、

 浩太の背中を思い切り、叩いた。


 「痛いなぁ~…… 何をすんだよ! 俺は被害者だぞ!」


 浩太は由貴に叩かれた背中を押さえながら、

 由貴に言い返した。

 由貴は再び、びしょ濡れに濡れた真夜を一瞬、見ると


 「嘘をおっしゃい! 大事なこの子までこんなに

 濡らして……」


 浩太に文句を言った。


 「あの~……」


 真夜は本当のことを言い出そうとしたが


 「真夜ちゃん。ちょっと、待っていてね!

 家に帰って、着替えを取ってくるから……」


 由貴は真夜にそう言うと浩太を睨み付け、

 自分の家である民宿へと慌てて、戻っていった。


 由貴がいなくなったのを見て、真夜は慌てて、


 「本当にごめんなさい!……」


 不貞腐ふてくれている浩太に謝った。

 浩太は不貞腐れたまま、


 「琢也。すまないがたきぎを集めてきて

 くれないか?…… 濡れた服を乾かしたいから……」


 琢也に薪を集めてくるように頼んだ。

 びしょ濡れの浩太を見ながら、


 「おおぉ! いいぞ。ちょっと、待っていろ!……」


 琢也はそう言うと仲間らと共に薪を集め始めた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ