6
炭酸のジュースで顔がベトベトだった真夜は
一刻も早く、さっぱりしたかったので浩太に
言われるままに湧き水で顔を洗った。
『つ、冷たい!……』
湧き水の冷たさに真夜は目が覚める思いがした。
そんな真夜を浩太は横目で見ながら、
「なぁ! 気持ちいいだろう?……」
顔を拭くためのタオルを真夜に差し出した。
真夜は戸惑いながらも
「あ、ありがとう!……」
というと浩太が差し出したタオルで顔を拭いた。
翌日。 浩太は母親に手伝いを言いつけられる前に
親友の琢也らと共にいつものように遊びに出かけた。
「さて、今日はどこにいく?……」
いつもの道、浩太らと共に自転車を漕いでいる
琢也は浩太にそう聞いてきた。
「そうだな~……」
どこに遊びに行こうかを考え込んだ浩太の
脳裏には昨日の真夜の笑顔が浮かんでいた。
『彼女は今日は何をしているんだろう?……』
彼女(真夜)のことを思うだけで浩太は
自然と笑顔になっていた。
あっちこっち、森の中を写真などを撮っている
映画スタッフと共に真夜はつまらないそうに
歩いている。
『つまんないなぁ~……』
その真夜に由貴は付き添って歩いている。
『あの子は何をしているかな~?……』
真夜もつまらなさそうに歩きながら、
浩太のことを思って、自然と微笑んでいた。
そんな笑顔で歩いている真夜を見て、
「どうしたの?……」
由貴は真夜に声を掛けた。
由貴の声にハッと我に返った真夜は
「な、何でもないわ……」
誤魔化し、足早に駆け出した。
そんな真夜に温かい日差しが降り注いでいた。