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太陽の涙  作者: 劉・小狼
5/13

 5

 今にも笑い出しそうで必死でそれを堪えている

 真夜を浩太は見ながら


 「そうだ! 喉、渇かない?……」


 自転車の前のカゴの中にある、ジュースを

 真夜に差し出した。

 さっき、笑って、ちょうど喉が渇いていた真夜は


 「ありがとう! ちょうど、喉が渇いていたんだ!」


 浩太が差し出したジュースを受け取り、蓋をあげ、

 ジュースを飲もうとした。


 だが、浩太が真夜に差し出したジュースは

 炭酸入りでおまけに真夜に渡すまで浩太の

 自転車のかごの中で散々、揺られていた。


 その結果、真夜が蓋を開けた途端、勢いよく、

 炭酸が吹き出し、真夜の顔にかかった。


 「ひっかかった!……」


 浩太は顔に炭酸がかかった真夜を指差しながら、

 大声で笑った。

 ムッとし、一瞬、不機嫌な表情をしたが

 たわいもない子供のようなイタズラに


 「やったわね! これはお返しよ!……」


 真夜も浩太に炭酸入りのジュースを吹きかけようとしたが


 「おっと! あぶない!……」


 浩太はジュースが掛かる寸前で交わした。


 「こらぁ! よけるな~……!」


 どうしても浩太に仕返しがしたかった真夜は

 浩太に再び、ジュースをかけようとした。


 「かかるもんか!……」


 浩太は真夜から逃げるように自転車を漕ぎ出した。


 「こらぁ! 逃げるな~……」


 真夜は自分から逃げるように立ち去る浩太を

 ジュースを持ったまま、楽しげな笑みを浮かべ、

 追いかけた。

 それはいつものアイドルの真夜らしくなく、

 浩太と同年代の女の子そのものだった。


 坂の頂上まで上がると真夜は疲れたのか、

 息を切らし、その場に立ち止まった。

 後ろを振り返りながら、逃げていた浩太は

 そんな真夜を見ると自分も自転車を止め、


 「そこの湧き水で顔を洗うといいよ! 気持ち良いから!」


 真夜の横に湧き出ている湧き水を指差した。


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