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だぶさん  作者: 千路文也
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002  信念の赴くがままに


 だぶさんは決して自ら語ろうとはしない。自分語りをする時は必ず人から聞かれた時である。故にそれはインタビューの機会でしか訪れないのを意味している。だぶさんの活躍はカーツ内だけではなく、マスコミさえも注目するようになっていた。なんせ2年も高校を留年していた男が、1年目に開幕線の切符を手に入れたのだから話題性大好きのマスコミが放っておく筈も無かった。すぐさまだぶさんの元に女子アナウンサーを派遣し、色気を使ってだぶさんの言葉を巧みに操作しようとしていたのだが、彼は決してそのような色気には騙されない。自分の持っている信念の赴くがままに発言をするのだ。


「私は決して自分のために野球をしている訳では無い。球団、そして大勢のファンの人達のためにバットを振り、そして白球を追いかけている。今でも私の心は甲子園を夢見て闘っていた、あの時のままだ」


 ようするに、まだ学生気分が残っているから気を抜かずにプレーしないと酷い目に遭うと言うのだ。確かに学生気分は恐ろしいミスを発生させる可能性があるので、最優先に排除しなければいけない感情である。その事を20歳の若さで知っているのが驚きでもあった。


「それはすなわち、どういう意味でしょうか?」


 しかし、マスコミはたぶさんの言葉を理解出来ていないようだ。そんな哀れなマスコミに対してでも、たぶさんは優しく接し、意味が分かるまでさっきの言葉を繰り返して伝えるのだった。



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