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箱庭図書館の事件目録  作者: 雨夜 紅葉
『名も無き人喰い』編
1/30

prologue【開演宣言】

「さぁ、始めよう。」

【1】


「 」


不意に名前を呼ばれて、振り返る。

ぐしゃ、と人の肉を踏みつけて。

視界に入ったのは、空に浮かんだ観覧車。

テトリスのブロックみたいなビルの群れ。

黄金に輝くケルト十字と、隣接する赤銅色の千本鳥居。

血にも紅葉にも似た赤い空。

それらを背景に据え置いて、微笑う彼女の姿。

叩けば折れてしまいそうな、弱々しい笑顔だった。

だからぼくは手を伸ばす。

けれど。

粘度の高い赤色の液体が絡みついたぼくの指先は、虚しく空を切って。

その瞬間。

彼女の白い頬を、通り雨が僅かに濡らした。


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