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竜王国『ダンジョン攻略開始』

 連れて来られた場所は町外れの空き地。山と街の丁度中間といったところ。

 「はい。」

 むき出しの岩に座り、ホーンさんから創造迷宮クリエイトダンジョンを受け取る。始めこそドンドン割れ目が塞がっていたけれど、徐々にその速度が下がって来た。

 「魔力が減って来たのかな?これを飲んでみて。」

 渡された緑の液を飲むとしばらくして最初の速度に戻った。

 「人族は魔力が少ないから用意して来て良かったよ。」

 おそらく魔力回復薬。結構良い値段がしたはずだけど・・。

 気にしない事にしておこう。

 三本の魔力回復薬を飲みつつ一時間もすると魔石のヒビは全て埋まった。

 「これで地面に置けば良いのですか?」

 「うん。その座っている石でも大丈夫だよ。」

 「石でも良いのなら木とか水でも良いのかな?」

 何となく気になったので聞いてみる。

 「うーん。試した事は無いなぁ。そこの木で試してみる?」

 試しても良い様なので試してみよう。

 水場は近くに無いので一番近い木にアーティファクトを当てる。

 「そうやって当てたら少しだけ魔力を流してみて。」

 言われるままに魔力を流し込むと、少しずつ木に埋まって行く。

 「木でも大丈夫みたいだね。」

 ホーンさんが感心する間にも魔石は埋まって行く。

 やがて全てが埋まると、埋まった場所から黒い靄が生じ始めた。

 「トラ君こっちに。」

 先程まで座っていた石に戻ってもう一度座る。

 「なんか不思議な光景ですね。」

 「僕も木につけてダンジョンを作ったのは初めてみたよ。」

 僕の腕程の太さしか無かった木は、僕が石に移動するまでに胴程に膨らんでいるし、更に広がっているみたいだ。眺めていると、太くなるだけでなく高さも延びている。やがて成長が止まると根元に身長から少し大きい程の扉が出来た。

 「木だって事以外はこれまで通りだね。あとは一日くらいで扉が開くとダンジョン完成となるんだよ。」

 「どんなダンジョンが出来るのでしょうね。」

 「僕達が把握しているのは、主人となった人の魔力量と強さ。それと先代ダンジョンの難易度だね。一番わかりやすいのは魔力量。これが多い程ダンジョンの階層が深いとされている。強さや難易度は僕達の感覚になっちゃうのだけど、どちらも敵の強さや罠の種類なんかの難易度に繋がっていると考えているよ。まぁ出来てみないとわからないと言うのが正しい所だけどね。」

 とり合えず明日になれば少しはわかるだろう。

 「それじゃあここは彼らに任せて帰ろうか。」

 「「御任せ下さい。」」

 珍しくホーンさんにお供の人が付いていると思ったけれど、ダンジョンの門番らしい。

 槍を持って立つ二人に任せてデン爺の家に帰る。

 明日は連絡のあり次第ダンジョンへと戻る予定と聞いてホーンさんとも別れる。何でも主人が扉を開けないといけないらしい。



 呼び出しがかかったのはノサキが昼食の片付けをしてくれている時だった。

 呼びに来てくれたのは、またしてもホーンさん。

 ダンジョンとなった木の前には門番の二人だけでなく、何人もの人が僕達を待っていた。

 「話しは聞いた。直に攻略してやるからな。」

 「俺たちにかかれば直だよ直ぐ。」

 「人族のダンジョンは初めてで楽しみだ。」

 「お前のダンジョンなんか直に消滅させてやる!」

 最後のはトゥアル君。彼もダンジョンに潜るらしい。

 「気を付けてね。」

 「良いからさっさと扉を開けろ。」

 周りの大人も付いて行く様なので大丈夫だろう。

 皆に道をあけてもらいダンジョンの扉を開ける。

 「暗い。」

 暗い上にいきなり階段なので、どんな造りかはわからない。

 「俺、ランプ持って来てないぞ。」

 「準備も実力のうちだぞ。」

 トゥアル君が周りの大人に注意されつつも、他の人の光を借りてダンジョンの入り口に立つ。

 「一発でクリアしてやるからな!」

 僕に向かってそう言う端から大人に拳骨を食らっている。

 まぁ皆さん面倒見が良さそうなので無理はしないだろう。

 「クリアしてくれるのを待っているよ。」

 一応皆さんがダンジョンに入るのを見送ったので、デン爺の家に帰ることにする。さすがに一日ではクリアされないだろうし、ここに居てもやれる事は無い。


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