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ミスティ共和国にて。「鍛冶の国」。8月8日。

実験的に文章間をあけてみました。

読みにくいですね・・。


どうしましょう。


うーん。。。。

 「暑いなぁ・・・・。」


 「これからもっと暑くなりますよ。」

 御者席でマリアさんと会話を交す。


 日は真上に上がり、雲一つない青空が広がっている。

 「もっとか・・。」

 「はい。これから向かうミシィ共和国は火山の麓にありますし、その横には温泉もありますから。」

 「温泉かぁ。入ってさっぱりしたいな。」

 前を行く馬車の埃をかぶるし、何より汗のべたつきが気持ち悪い。


 「トラ様はお嬢様達と中に居てもよろしいのですよ。」

 「うん。でも運転も覚えたいし・・。」

 後ろにはエミリアとロクサーヌさん、それにチビ姉ちゃんがいて、馬車の中ではそのチビ姉ちゃんが氷を生み出して更に風を送る事により快適に過ごしている。


 「それに走っているうちは風もあるしね。」



 僕達は今、夏休みを利用してエミリアの故郷であるウィゴード国に向かっている。元々夏休みを利用して色々な依頼を受けるつもりだったのだけど、カイゼルさんやライラさんとの約束を守るため諦めていた。せめて商隊の護衛でもしながら進もうかとも考えたけれど、進むスピードは遅くなるので自分たちだけで進む事にしていた。


 リエールさんから依頼があったのは僕達が出発する前々日。エミリアの馬車をチビ姉ちゃんが改造している所だった。依頼内容は手紙の配達。手紙は三通あり、獣国、ウィゴード国、そして現在向かっているミシィ共和国だ。


 そのミシィ共和国はキクノ学園と同じ様にその一都市をもって独立している国であり、また鍛冶の国、ドワーフの国としても有名である。周りに広がる山々は鉱山でもあり、火の元でもある為にそこに段々と職人が集い現在の様な共和国が形成された歴史を持つ。


 ミシィ共和国は旅の行程に入っていなかったけれど、少しずれるだけなので依頼を受ける事にした。まぁ、断りにくかったというのも大きい。それに、返事はその都度チビ姉ちゃんが空間転移で届けてくれる事になっているので道を戻らずに済むのも大きい。


 馬車が二台になったのは、セシリアさんが加入しパーティーが増えたのもあるけど、ヴィーダさんとその彼氏も同行する事になったからで、なんでも彼氏の両親に結婚の許しを得に行くらしい。



 「あの山の麓ですね。」

 小さく見えていた山の峰々が段々と大きくなって来ており、頂上から一筋の赤い線が垂れているのも確認できる。


 「今日中に着くかな。」


 「少し急ぎますか。」



 途中休憩を取らずに移動し続けた結果、門が閉まる前に街へ入る事ができた。リエールさんの手紙とウィゴード国の紋のおかげで入国審査が早かったのもある。


 宿は街の西に点在する温泉宿の一つ。あまり大きくはないけれど落ち着いた宿だ。


 「いらっしゃいませ。」

 馬車から降りると直に少年が出て来た。


 「厩舎はあちらになります。」

 「ありがとう。」

 「ちょっと待って下さい。」

 馬を連れて行く前に女の人が宿から走り出て来た。


 「すいません。本日は予約で一杯でして・・。まった確認もしないで。」

 そう言って少年を小突く。


 「予約はしてあるわ。」

 もう一台の馬車からエルザが降りて来た。


 「あぁ。エルザ様ようこそおいで下さいました。」


 この宿の温泉は美肌の湯とも呼ばれており、人気がある為エルザが前もって予約をしに来てくれていた。じゃあ手紙も届けてくれれば良いと思ったのだけど、それはまた別らしい。


 勿論ここを希望したのは女性陣である。多数決には勝てない。特に希望もないので問題はないのだけど・・・・。


 小突かれ損の少年と馬を厩舎に繋ぎ宿の中へと行く。


 「はい。これトラのね。」

 既にエルザが受付を済ませており、鍵を渡された。この宿の部屋は四部屋だけ。今回は豪勢に貸し切りだ。部屋割りは「エルザ・セシリア」「マリア・エミリア」「ロクサーヌ・クーラ」「トラ」となる。ヴィーダさんと彼氏は既に分かれており、今頃彼氏の家へと着いている頃だろう。


 諸注意を受け、女性陣は早速温泉へ向かうらしいけど、僕は手紙を受け渡すために中央役所へと向かう。道案内は先程の少年だ。


 少年の名前はタツキと言うらしい。道々色々な事を教えてくれた。まず宿は家族経営で先程の女性はお姉さん。後はお婆さんと父と母、弟がいるらしい。他にはオススメの屋台(串焼きで二本買って二人で食べた。)やここの武器屋はおっかないとか、あそこは高いとか見慣れぬ街を見ながら歩くのは中々楽しかった。


 役所について手紙の旨を伝えると、入国審査の方から連絡があった様で直に受け付けてくれた。明日改めて会う約束もすぐにしてくれたのはありがたい。


 「トラさんは何処かの王子様なの?普段直には会えないんだぜ。」

 「えっ?そんな風に見える?」

 「顔はぼちぼちだけど、馬車にきれいな女の人一杯連れて来たしさ。」

 「あー。本当に王子様ならこうやって一人で手紙を届けに行かないよね。」

 「まぁそうか。」

 帰りに道もタツキ少年の話しは尽きず宿へと戻った。


 宿に着いたら早速一風呂浴びると直に夕食だ。食事は肌の調子を整えるという食材と、地熱や温泉を利用した料理が並び、これまた女性陣には好評だ。


 明日の面会の件だけ皆に伝えてその日は解散となる。


 馬車に乗っているだけといっても皆疲れているらしく、もう一度温泉に入ってその日は早めの就寝となった。


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