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学園都市にて。「会食」。7月7日。

 エルザと朝の鍛錬を終え朝食を取る。今日はタタラもチビ姉ちゃんも一緒だ。

 「と、いうわけでタタラやオルカには申し訳ないのだけど、お昼は一緒に食べられない。」

 「わかりました。適当に食べます。」

 オルカが朝ご飯を一緒に食べる事は少ないので、タタラに伝えてもらう。

 「サンドイッチとスープを作っておきますので、良かったら食べて下さい。」

 「ありがとうございます。でもお忙しいのでしたら自分たちでやりますよ。」

 「大丈夫。お迎えが来るまで暇なので作らせて下さいね。」

 タタラは遠慮して居るけれどオルカだったら喜んで食べるだろう。それにロクサーヌさんはセバスさんの分も作るに違いない。

 「遠慮せず言葉に甘えたら?タタラも忙しそうだし。」

 ここ最近のタタラの鍛冶場からは鎚打つ音や何かを削る音など作業している音が聞こえている。

 「そうですよ。」

 「ありがとうございます。」

 食事が終わると早速ロクサーヌさんは台所へ。

 エルザはタタラと工房へ行った。何か相談があるらしい。

 チビ姉ちゃんは自分の部屋に戻った。多分本でも読んでいるのだろう。

 ロクサーヌさんの手伝いをさせてもらおうかと思って台所へ行ったけれど、洗い物が終わると他にやる事が無かった。朝食の支度と同時に昼ご飯の準備もほとんど済ましておいたようだ。

 特にやる事もないのでお風呂に入る事にした。朝の鍛錬で汗もかいたし、朝風呂というのも悪くない。鍛錬の後にタオルで拭っただけだったので体も頭も洗って直接露天風呂へ。日の光に反射する湯面に軽く目を細める。

 「んぅ・・。」

 肩まで漬かると何とも言えない声が出た。

 「ふふ。何とも久しぶりな気がしますね。」

 「マリアさん。」

 女湯の方からその肢体を日の光にさらしてマリアさんがやって来た。

 「お嬢様はエルザ様と工房です。」

 エミリアはエルザ達に任せて、マリアさんは早速お気に入りである露天風呂に来たらしい。

 「トラ様もこちらにいらっしゃると聞きましたのでね。」

 すぐ隣に座って微笑むその顔から目が離せない。

 しばらく話しをして風呂を出る。さすがに夏も近いこの時期に長湯はできない。

 「今夜は泊めていただきますね。」

 別れ際に言われたその一言で脱衣所から暫く出られなかったのは内緒である。


 マリアさんに遅れてお風呂から出ると、エミリアだけでなくセシリアさんも居た。

 「セシリアさんもお婆様に呼ばれたらしいわ。」

 一瞬立ち会いに来たのかと思った。

 女性陣はロクサーヌさんの入れてくれたお茶とお菓子でおしゃべりを始めたので、こっそりと部屋に戻る事にした。最初話していた武術やお菓子の話しならまだしも、男についての話しに加われる程の度胸はまだ無い。

 しばらく部屋で本を読んでいるとセバスさんが呼びに来てくれた。迎えが来たので準備のでき次第出発だそうだ。もっとも僕の場合が準備と言っても読みかけの本にしおりを挟むくらいだけど・・。

 「待たせちゃったかな?。」

 玄関前にはチビ姉ちゃん以外の皆が既に揃っていた。そのチビ姉ちゃんも部屋に声も掛けたし直に来るはずだ。

 「私達も来たばっかりよ。」

 あの後ずっと居間で話しをしていたそうだ。

 「先に乗ってようか。」

 開け放たれた玄関から門の前に付けられた二台の馬車が見える。いずれも二頭引きの箱馬車で、装飾が施されている。前の馬車にエルザとセシリアさん、それにエミリアとマリアさんが乗り、後ろの馬車にロクサーヌさんと僕が乗り込む。

 「おまたせ。」

 乗り込んだのを見計らったかの様にチビ姉ちゃんが姿を見せた。その手には一冊の本。

 チビ姉ちゃんはさっさと乗り込むと馬車の四隅に光の玉を生み出し、再び本へと目を落とす。相変わらずだ。

 「お願いします。」

 迎えに来ていてくれた男性に声をかけると扉が閉まり、馬車が動き出した。

 「それで何処に行くのでしょうか?」

 ロクサーヌさんが不安そうに聞いてくる。

 「え、リエールさんの所じゃないの?」

 漠然とそう思っていた。

 「そうなのですか?馬車が来たので街の外かと思っていました。」

 「多分・・・。」

 聞いていなかった僕もうかつだったけれど、何所に行くかわらないで付いて来たロクサーヌさんも肝が座っているというか・・・・。

 馬車は街中をゆっくりと進み、それほど走らないで止まった。

 「街の外じゃないみたいだね。」

 門が開く音がして更に馬車が進む。

 「お待たせしました。足下にお気をつけ下さい。」

 扉が開き外へと出る。

 馬車で玄関のすぐ前まで運ばれたらしい。大きな玄関は既に開かれ、その両サイドにメイドが並んでいる。

 戸惑う僕とロクサーヌさんをよそにチビ姉ちゃんはページをめくる。エルザ達は既に降りている様で、僕達が降り終わるとエルザが先頭となって進んで行く。

 「こちらでございます。」

 メイド達の一番奥に居た執事らしき人が案内をしてくれるらしい。

 「ゴイズの案内なの?言ってくれれば行くわよ。」

 「奥様のいいつけでございます。」

 「そう。」

 エルザが言葉を交わしその後に付いて行く。更にその後にエミリアとマリアさん。少し間を空けて僕達四人も付いて行く。

 本を読みながら歩くチビ姉ちゃんを除く三人はキョロキョロと見回しながら歩いて行く。壁や天井の作りは勿論、途中にあった絵や壷なんかも高そうだ。もっとも偽物が展示してあっても分からないけど・・・・。

 辿り着いた先はこれまた彫刻が施された扉。

 ゴイスさんがノックをすると返事があった。

 「入ってくれ。」

 リエールさんの声だ。

 開けられた扉の奥にはリエールさん。その手前のテーブルにはカイゼルさんともう一人女性が座っていた。

 「お父様?」

 エミリアも聞いていなかった様で小さなつぶやきが聞こえる。戸惑いながらも僕達が入ると後ろで扉が閉まる。

 「こちらへ。」

 リエールさんに促されてテーブルへと近づく。

 「まずは紹介しよう。ウィゴード国国王カイゼル・ウィゴードと獣王ライラ・グエンコフだ。」

 紹介されて二人が席を立つ。それに会わせてセリシアさんが膝を付き、遅れてロクサーヌさんも膝をつく。エルザとエミリアは軽く頭を下げマリアさんは壁際で控えている。

 (僕はどうしたら良いのかな?)

 チビ姉ちゃんは一瞬視線を送っただけで再び本に目を落としている。さすがにまずい気がする。

 「チビ姉ちゃん・・。」

 一応軽く頭を下げつつチビ姉ちゃんの服を引っ張る。

 「ん?」

 「ん?じゃなくて王様みたいだから頭くらい下げときなよ。」

 「デン爺に頭を下げる?」

 「いや、下げないけどさ・・・。」

 確かにデン爺は元王様だけどそれとこれとは違う気がするし、なにより公式の場であったらデン爺にも頭を下げなければまずい気がする。

 「二人共そうかしこまるな。それにトラも気にしなくていい。今日は頼みがあって来てもらったのじゃから。まずは顔を上げてくれ。」

 「そうですね。そう構えられてはお願いもしにくいですし、こちらへどうぞ。」

 そう言われてようやくセリシアさんとロクサーヌさんが立ち上がった。

 「うむ。エミリアはこちらに来なさい。」

 「はい。」

 エミリアがカイゼルさんの隣に行く。

 チビ姉ちゃんは早々に近くの椅子へ座っている。僕もその隣へ。そうするとエルザが隣に座り、ロクサーヌさんとセシリアさんが更に隣へと座る。

 「まぁこんなものかのぅ。」

 長テーブルの一番奥にリエールさん。左に獣王ライラ・グエンコフ。右にカイゼルさんとエミリア。一番手前に僕を中心として5人ただし、一番右のロクサーヌさんは座りきれなかったので右手側だ。

 「それで・・・。」

 「まずは私から良いでしょうか?」

 リエールさんの言葉さえぎったライラさんにリエールさんが頷く。

 「この度は我が国の者達がご迷惑をおかけしました。」

 立ち上がって深々と頭を下げるライラさん。

 「それと取り押さえて下さった事にも感謝します。」

 「私からも礼を言う。おかげで大事にならなかった。」

 カイゼルさんもこちらに向かって頭を下げると、エミリアもそれにあわせて頭を下げた。

 「ライラ。貸し一つ。」

 本を読んでいたチビ姉ちゃんがライラさんを指差してそんな事を言う。

 「さすがにまずいって。」

 「わかりました。他の皆さんにはどういたしましょう。」

 呼び捨ても指差すのも構わないらしい。なんとなく知り合いなのかもしれないと思う。

 「私は何もしていませんので気にしないで下さい。」

 「私も・・。お礼とか言われても困っちゃいます・・・。」

 セリシアさんとロクサーヌさんは恐縮しきっている。

 「僕も何もしていませんし。」

 何もしていない訳ではないだろうけど、デン爺の活躍の方が凄かった気がする。

 「ただ、ドウさんとその仲間の人と妹さんとかに対しては、彼等と別の対応をして欲しいと思います。」

 エミリアを襲撃したかもしれないけれど、彼等がいなかったら今回の事は判明しなかったしこれほど簡単にはいかなかったと思う。

 ライラさんがカイゼルさんに視線を移すと、カイゼルさんも頷いてくれる。

 「わかりました。そのようにいたしましょう。人質になった者は勿論、その所為で行動に移した者についても考えます。」

 「なら他に希望はありません。」

 「私も特にないわ。実際クーラさんを運んで倒れているのを縛ったくらいだし。エミリアは無事だしね。」

 「うむ。お主等が色々と求めんでくれるのはありがたい。そこで相談なのじゃが、今回の手柄を譲って欲しい。と、言っても吹聴しないでくれれば構わん。」

 「と、いうと?」

 「今回の事は一部生徒の喧嘩をブレンス校が気付いて取り押さえたという形にしたい。」

 「エルザってこと?」

 首を傾げるチビ姉ちゃん。

 「いや、私とデンだな。あとはうちの教師にでもしておく。」

 「了解。」

 彼女はそれで満足した様で再び本に視線を落とした。。

 「お主等には説明が居るよな。」

 リエールさんがチビ姉ちゃん以外の僕達を見て話し始める。

 「まず大前提としてキクノ学園はどの国にも属さない中立都市であり、ここでの氏種族、国同士による争いを認めておらん。そして、それに同意した国からのみ生徒や教師を受け入れている。その為、ここで一国に対して戦争を仕掛けるということは他の国から責められても文句は言えんということになっているのじゃ。ここまでは良いな?。」

 頷いて理解している事を示す。他のメンバーも一緒だ。

 「そして今回のことが原因で争いになる事を獣国は勿論、ウィゴード国も望んでおらん。なので単なる喧嘩として処理したいのじゃ。」

 「私達はウィゴート国との戦争を望んでいませんし、他の国との戦争も望みません。」

 「ウィゴート国としても?」

 カイゼルさんを見る。

 「二度に渡る襲撃に思う所はある。が、トラ殿達のおかげで被害も無いと言って良いし、今回の事のせいで、獣国で火種が大きくなりこちらに火の粉が降り掛かる事は避けたいからな。」

 一度息を吸う。

 「ただし、三度目は無い。」

 その言葉には次は許さないというカイゼルさんの意思が感じられる。

 「勿論、このような事は繰り返さないように徹底いたします。今回の原因となった者達も二度と迷惑をかけぬ様に処理しますし、国元へも指示は出しましたので大本についても捕えられている頃でしょう。」

 「ふむ。他に無いか?」

 リエールさんが皆に視線を送る。

 「彼等の行動を起こした理由を聞いても?」

 せっかくなので気になっていた事を聞いてみることにした。

 以前、敵討ちは無いと言っていたのだから過去の因縁云々では無いと思うのだけど・・。

 「おそらく一つは現状への不満。それと私への反感だろう。」

 「不満ですか・・。」

 「かつて私達の間で起こった戦争は知っているかな?」

 「はい。授業で聴いた程度ですが、学園の拡大の前にこの学園で話し合いもあったのだとか。」

 大人三人が少し驚いたようだ。カイゼルさんが片眉をあげ、ライラさんは少し目を見開き、リエールさんはニヤリと笑った。

 「よく勉強していますね。うちの子達も学んで欲しいところです・・。今回騒動を起こしたハスキール・ティックス、その一族は戦争が起きた時の王の一族です。戦争が終わり私達の一族が代々王を排出していますけど、その事に対して不満があったようです。その所為で今の状況に甘んじているとも考えていたようですけど・・。」

 ライラさんは一度話しを切って疲れた様に息を吐いた。

 「そもそもそうなったのは彼等の所為でもあるのですよ・・・・。」

 そこからは戦争についての話しが続いた。

 要約すると次の様になる。

 時の王、コキール・ティックスは増えすぎた国民のより良い生活の為に領土の拡大を願った。その際の選択肢としては二つ。南に位置するウィゴード国への南下、若しくは北東に位置する竜王国への北上。広大な領地を支配する竜王国は土地の金銭による土地の譲渡若しくは貸し付けを提案したけど、自分の一族の領地が豊かな南に広がっていた為もあったのだろう、コキール王は北の大地の開墾等の手間を考えるよりもより豊かで得物も多い南の森を欲しがり南下を決める。

 開墾の手間を惜しみウィゴート国へ戦争を吹っかけた結果は長い戦争と多くの死、そして一族の弱体化。ウィゴート国の領地を得る事はできなかった上に、彼等は中立地帯と越えて攻め込んで来る事も無かったけど、長い戦争中に生まれた子供達はだんだんと何故戦争が起きたのかすら曖昧になっていき、ただ、夜の一族は倒すべき者だという考えだけが広がり続ていく。

 獣族に比べて被害が少ないとはいえ、全体の数が圧倒的に少ない夜の一族。彼等を率いていたエミリアのお爺さんであるアゼル・ウィゴードは、その大きな力を使い多くの配下を生み出した。

 何度目かの獣王の交代。長い戦いに辟易した国民の厭戦気分。ようやく行われた終戦の話し合い。それに対するティックス一族を中心とするいくつかの一族からの激しい反対。

 時の獣王ティシ・グエンコフ王とアゼル王の決めた事それは・・。

 誰も傷つける事の敵わなかったアゼル王を討ち果たすと言う武勇。それをもって獣国をまとめあげるということ。その役を勤めるのはティシ王の嫁、王女ストラ・グエンコフ。

 何故アゼル王が自らの命を差し出して戦を止めさせたのか。それは配下が忠臣とヴァンパイア化した者ばかりだった事が一つの予想をつけさせる。それはアゼル王が討たれればそこで戦が終わりになりやすい様に。恨みによる戦の輪廻を繰り返さないよう。

 ようやく戦が終わり、金銭による賠償と獣国のウィゴート国に対する不可侵条約が結ばれることになり、同時に学園都市に若い者達を出す事に因って両国の友好をはかることにした。

 残念ながら、未だに夜の一族を敵視する風潮があるが・・・。

 ライラさんの話しが終わり、カイゼルさんが提案を一つした。

 「トラ殿が教わった授業を各学園で必修にしてはいかがか?」

 「僕の場合、個人授業なので好きにやっている部分があるのですけど・・・。」

 「ならば・・。」

 リエールさんを交えて三人で話し合いをし始める。僕達は置いてけぼりだ。

 「意識改革も必要じゃが追々考える事にしようかのう。今日は彼等の労を願う場じゃ。」

 「そうでした。」

 ようやく僕達の事を思い出したらしいリエールさんにカイゼルさんが同意して話しが終わる。

 リエールさんの案内で次ぎに連れて行かれた場所は、円卓に食器が並べられた応接間。

 「儂からはこれくらいしかできぬが、思う存分食べてくれ。竜王国の料理、食べたことが無い者も多いじゃろう。」

 確かに竜王国の料理は初めてだ。エルザの好みから考えると肉料理だろうか?

 まず出て来たのは赤黒く甘くて強いお酒。竜血酒というらしい。リエールさんの音頭で乾杯すると料理が運ばれてくる。

 まず、黒いゼリー状で切り分けてある卵に野菜が添えられている物と、薄切りにした鶏肉が野菜と交互に飾られていてその上にソースがかかっているものの二品。いずれも色鮮やかだ。

 次にスープ。大きな器に入って出て来たスープの具はツバメの巣と卵。リエールさんが皆に取り分けてくれる。

 スープの後は魚・鳥・猪と続いた。

 まず魚は、南青魚という大きな魚で、色鮮やかな青い鱗を持ち海に住んでいるらしい。内陸にあるキクノ学園では珍しい物だと思う。それを丸々一匹野菜と蒸して甘酢っぱいタレがかかっていた。

 鳥の大きさは山和鳥の若鶏。丸々一匹をローストしてあり、中に入っている香草等は食べないらしい。これは以前ロクサーヌさんが作ってくれた料理に似ていると思ったらこちらを参考にして作ってくれたらしい。それぞれ一匹ずつあり、ナイフで切った肉を皿の周りにあるソースに絡めて食べる。

 猪は円牙猪といって獣国の近くで取れる物で、今回獣王からのお土産としてもらった物だとか。大皿と言うかカートに乗せられて運ばれて来たそれは丸々一匹焼いた物。毛は剃られていたけれども名前の由来となったであろう丸まった牙はそのままで、腹は割かれて横に広がっている為にテーブルに乗る大きさではない。これでまだ子供だというのだから驚きだ。大人は5〜6メートルになるらしい。

 さらに蟹を辛く炒めた物や牛肉を揚げ炒めしたもの、野菜を包み揚げたもの、焼いた麺等と続き最後にミルクのゼリーに至った時にはかなりお腹いっぱいだった。というか麺の前には既に食べれ切れない程だったけど・・。

 どうもチビ姉ちゃんやロクサーヌさんの様にの様に全部を食べ切らず適当に残しても失礼ではなかったらしく、後からその話しを聞いた僕とセリシアさんはこのルールは絶対忘れないようにしようと誓うことになる。

 もっともエルザとリエールさんは完食した上におかわりをしていたが・・・。

 食事中もいくつか話しをした。ライラさんは王とはいえ気安くお話をしてくれ、公式の場以外ではさん付けで良いとまで言ってくれたのは恐れ多くも嬉しく思う。

 最後に夏期休暇にエミリアが帰国する際に僕達もウィゴート国にお邪魔する事と、獣国にも寄る事を約束してその日の会食は終わり、膨れたお腹をさすりながら帰りの馬車に揺られつつ家路へついた。


 家に帰ってもお腹一杯過ぎて何もする気が起きずに、特にエルザと仲良くなったセシリアさんともおしゃべりをしつつ、夜までぐだぐだとして過ごすことにしる。セシリアさんも一緒に夕食を取ったけれど、僕と彼女は軽くとるだけだ。その時に以前話していた一手指南の話しになり、明日、うちの庭にやることにした。時間は昼前。何故なら今日の様にお腹いっぱいだとろくに動けないからだし、終わった後にロクサーヌさんのお昼を皆で食べる事にしたからだ。


 食後、女性陣は皆一緒にお風呂に入るらしい。僕も入ってマリアさんとの食後の運動に備える。


 食後の運動は軽くはなかったとだけ言っておこう。


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