学園都市にて。「大会終了翌日」。7月6日。
「おはようございます。」
久々にセバスさんに起こされた。
疲れていたのだろう。何時もより起きる時間も遅い。
今日、明日は授業も無いので多少遅くても構わないけど・・。
「おはようございます。」
「リエール様がお待ちでございます。」
いくら起きる時間が遅かったと言っても、鍛錬の後に朝食を取る時間だ。人の家を尋ねる時間じゃないだろうに・・・。
まぁリエールさんに言ってもしょうがない気もする。
「おはよう。あいからずロクサーヌの朝食はおいしいな。」
部屋に入って言われたその一言で目的がわかった気がする。
「おはようございます。」
すかさずセバスさんによって食事が運ばれて来た。今日は干した魚を焼いたものを中心に、米と汁、それに数品が並べられた。
「明日、少し付合ってもらいたい。パティーメンバー全員でな。」
「エミリアもですか?」
もう出かけることが出来るのだろうか?
「うむ。エミリアにはこちらで話しておく。」
「何所に行けば?」
「こちらに迎えを出す。昼前には出る事になるじゃろうから、もし出かけてもそれまでには帰って来ておいてくれ。」
エミリアの所に顔を出そうと思っていたくらいなので、エミリアも一緒に行くのなら時間まで本でも読んで時間をつぶしておけば良い。
「わかりました。クーラとロクサーヌさんには話しておきます。」
ロクサーヌさんは遠慮してかまだ台所から出て来ていないし、チビ姉ちゃんもエルザもまだ部屋のようで姿が見えない。
「よろしく頼む。」
それだけ言うとリエールさんは食事に戻り、残っていた漬け物でご飯をかき込むとセバスさんにお茶を貰って満足そうだ。
「そうだ昼食はとらない様に。」
最後に思い出した様に言い残して帰って行った。
「お食事会でもするのでしょうか?」
ロクサーヌさんには聞こえていた様で、一緒に見送ったあとにそう言った。
「多分・・。」
それ以外に思い浮かばない。
その後、朝食を取りに来たエルザに伝えた。チビ姉ちゃんは昼くらいまで顔を会わさなかったけど、昼食時には伝える事が出来た。起きてはいたけれどベッドの中で本を読んでいたらしい。
昼を過ぎてからはロクサーヌさんと食材を買いに街へと出た。大会中は人が多いために買い出しに行っていなかったので米や塩なんかを補充するためだ。狙い通り大会中は混み合っていた通りも少し人が減った気がするけど、最も何故か付いて来たオルカがあっちこっち寄り道するので、普段より時間がかかったのだけど・・。
相変わらずオルカは自由人だ。
その日の夜はオルカのリクエストを受けて外でバーベキュー。メインは肉で、森林鹿と豚だ。なんでも以前の課外授業の話しを聞いてエルザの様に齧ってみたかったらしい。最初の数口こそ頑張っていたけどさすがにエルザの様に食べられる訳でもなく、ロクサーヌさんが切り分けて皆に配ってくれた。




