一日遅れの節分
「はい。どうぞ!」
麻美花から優馬とユアンスに手渡されたのは、書き初めの時の残った半紙で作られた鬼のお面。1枚ではペラペラな為、数枚重ねになっている。
ちなみに、優馬は赤鬼。ユアンスは青鬼である。
「でゎでゎ、1日遅れていますが、節分恒例豆まき合戦やっちゃいまーす!」
「おー!」
色々とツッコミ所のある美代の号令に、麻美花が元気良く答える。
美結は余り乗り気ではなく、ミーリャは無表情のまま麻美花と一緒に拳を上に突き上げていた。
「さぁて。鬼を退治するよぉ~!鬼は~外!福は~内!」
元気に豆を投げる麻美花と、無表情で豆を投げるミーリャ。
麻美花の投げる豆は、鬼達に優しく当たるが、ミーリャの投げる豆は、鬼達にベチベチと力強く当たる。
痛がる鬼達は、開いているドアから出ていく。
バタン。と満足そうにドアを閉めた麻美花。
せっかく追い出した鬼が戻ってこないように、きっちり鍵もかけておく。
「豆、余ったなら頂戴~?」
子犬のようにクリクリとした瞳でおねだりするのは美代。
「美代。豆まきサボって私の分も食べてたじゃん。あんた一体何歳なのよ。」
「一兆歳ッ!だからまだ足りない!」
美結の呆れ声に、ドヤ顔で返す美代。
「さりげなく、もう豆は美代ちゃんに食べられてしまいました。」
空の入れ物を逆さにしてフリフリするミーリャ。
「美代ちゃん。ちゃんとご飯はあげてるでしょう?」
「じゃ、恵方巻きでガマンするよ!」
そう言って、キッチンへ逃げていく美代。
それを追いかける麻美花。
そうして、和やかに夜は更けていく。
――――翌日、家の前には二体の氷像が建っていましたとさ。
麻美 「またやっちゃった……。」




