クリスマス 2年目 (02)
「ちょっと早いけど、夕御飯の支度しよっと。」
時計を見た麻美花は、そう呟いてキッチンに立つ。
テキパキと働く麻美花によって作り出されたのは、クリスマスにぴったりな豪華なごちそう。
食卓に並べられ、匂いに釣られて美結、美代、優馬は食卓に着く。
クリスマスパーティーという名の夕食は自然と始まり、大半が美代のお腹に収まって終わった。
夜が更け、朝になる。
サンタクロースを捕まえようと、ドアの側で一晩中待っていた美結。
結局、誰も現れないまま麻美花が起きてきた。
「おはよ、美結ちゃん。サンタさん、来なかったの?」
「うん。……全く、私の時間を返しなさいよ!って感じ。」
「そっか。今年はプレゼント無いのか~。残念。」
「まぁ、一応高校生だしねー。しょうがないよ。」
「むー。私は欲しかったよぉー。」
膨れっ面で言うのは、今まさに2階から降りてきた美代。
「美結が張ってたから来なかったんじゃないのー?美結のせいだー!!むー。」
「いい加減、認めなさいよ。サンタなんて、い・ま・せ・ん!!」
「去年はサンタさん、プレゼントくれたじゃん。」
「じゃ、美代が良い子にしていなかったからじゃない?」
「良い子にしてたもん!」
「じゃ、プレゼント貰えなかった理由はただ1つじゃん。」
「え?え?何?」
意味深に微笑んで十分焦らしてから、美結は真相を告げた
「サンタはいないから。」
その後は悪口合戦に発展。
来客を知らせるチャイムがなるまで、それは続いた。