クリスマス 2年目 (01)
12月24日。
雪が降り積もり、外は極寒。
しかし家の中は暖かい。
「ル~ルンルン♪」
楽しそうに編み物をする麻美花。
「ケーキ……チキン……ごちそう……年越し蕎麦……お節料理……お餅……お雑煮……、
……ジュルリ。」
こたつでゴロゴロしながら、ミカンを頬張る美代。
机の上にはミカンの皮が山となっていた。
「今年こそは……、今年こそは……。……絶対捕まえる。今年こそは……。」
玄関の側で体操座りをしながらブツブツと怪しげに呟く美結。
特に何も考えず、ボーっとしている優馬。
それぞれがそれぞれらしく、のんびりとした時間を過ごしていた。
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ピーンポーンと来客を知らせるチャイム。
美結と美代の二人はドアの方をチラリと見るだけ。
優馬は動じない。――というか聞いていなかった。
その為、必然的に応じるのは麻美花。
しかし彼女は現在編み物中。
今、別の事に気を取られれば、編んだ段数を忘れてしまう可能性がある。
やむを得ず、彼女は外の人物に声を掛けた。
「今は手が離せないので、ちょっと待っててくださーい。」
そう言って、黙々と編み棒を動かし続けた麻美花は、マフラーを予定よりも1時間早く完成させていた。
昨日、ようやく気が付いて慌てて書いた……。