クリスマスネタ
サンタさんを信じている人は閲覧NG!
「もうすぐクリスマスだね〜。」
美代が雪の積もった外を眺めながら言う。
「ここにもサンタさんって来てくれるかな?・・・・・・あ、そうだ。お手紙書かなくちゃ。」
いそいそと美代は2階へと上がっていく。
─────のを、
「ストップ!」
美結が止めた。
「え、何?」
美代が振り返る。
編み物をしていた麻美花も手を止めた。
「美代、今だから言う。・・・・・・サンタはいないよ。」
美結がキッパリと断言する。
「サンタの正体は親だよ。」
美結の言葉に、美代は半泣きだ。
「そんなことないもん!サンタさんはいるもん!だ、だって、毎年プレゼントくれたもん!」
「私は貰ってないけど。」
「そ、それは、美結姉がサンタさんを信じてないからじゃん!
信じてない子にはプレゼントくれないんだよ!」
「美代。」
美結はため息を吐き、呆れたように言う。
「サンタ、よく不法侵入で捕まらないね。」
「ぅッ・・・。」
美代が言葉に詰まる。
しかし、尚も反論する。
「サ、サンタさんはいい人だから警察も見逃してるんだよ。・・・きっと。」
言いながらも、美代の視線は泳いでいる。
「サンタさん、借金いくらあるんだろうねー。
世界中の子どもにただでプレゼントあげてるんだから、きっと借金いっぱいだろうねー。」
淡々と現実を見せていく美結。
「・・・き、きっと、サンタさんはお金持ちなんだよ!」
「そっかー。もしかして、プレゼント配りつつその子の家の金目のものを盗んで高く売ってるんだー。
だから金持ちなんだねー。」
「サンタさんはそんなことしないよ・・・。」
対して、美代の声は自信無さげに、か細い。
「だよねー。いくらいい人だからって、泥棒なんかしてたらさすがに警察に捕まるよねー。
きっと真面目に働いてるよねー。・・・借金しながら(笑)」
美結がプッと吹き出す。
そしてツボにはまったらしく、しばらく笑っていた。
「第一、私親の心も読めちゃうんだけどなー。」
まさに、決定的な一言。
美代はプスッと膨れっ面になり、階段を上がっていった。
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そして、25日の朝。
下の騒がしさに彼は目を覚ます。
起き上がった途端、彼は違和感を感じ部屋の中を見渡し、気付いた。
ベッドの枕元には見慣れぬ箱が置いてあり、綺麗にラッピングまでしてある。
「なんでー!!?」
下から美結の喚く声が彼の部屋にまで届く。
「やっぱりサンタさんはいるもーん♪」
と、嬉しそうな美代の声も聞こえてくる。
そして・・・
ドシン!
誰かがコケたような音も。
―――この騒ぎは全て、
警察に捕まりかけたもののなんとかこの世界に逃げ込めた、
赤い服のおじいさんからのプレゼントによるもの・・・?
※シャム(この地域)には本来、(ある事情のため)雪は降りません。
サンタさん、本当にいればいいのにねー。
でも、現実はこうなんだよね。
でも、異世界ならサンタも魔法使って、プレゼント配りできるんじゃないかと思った(笑)(笑)(笑)