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【短編ギャグ】妹が俺に冷たい

作者: ヨモクロ
掲載日:2026/04/06

 少年には妹がいた。


 二つ離れた、目に入れても痛くないほど可愛い妹。


 小さい頃は、お兄ちゃん、お兄ちゃんと、どこへいくにも付いてきた。


 手を引いてやれば嬉しそうに笑い、名前を呼べばどこへでも後ろをついてきた。


 だが、今の妹は彼に冷たかった。


 目を合わせようとすればすぐに逸らされ、話しかけても無視をされる。


 そのことに兄は心を痛めていた。


「何か心当たりはあるの?」


 相談相手の幼馴染の女子が、訪ねてくる。


「最近、あいつが着替えているところを間違えてドアを開けちまってな」


「それは怒られても無理はないよ」


「何度謝っても許してもらえないんだよ」


「まあ、そのうちほとぼりも冷めるって」


「代わりに俺の着替えているところを見せたのに、何で許してくれないのかな~」


「多分、喧嘩売ってるのかと思ったんじゃないかな」


 幼馴染は淡々と答えた。


「はあ~、小さい頃は良かったな~」


 兄は遠い目をして、過去を思い出していた。


「昔は俺のお下がりも喜んで着ていたのに、今じゃ見向きもしない」


「そりゃ、大きくなったんならしょうがないでしょ」


「だから、今では代わりに俺が妹のお下がりを着ているんだ」


「うん?」


 兄が胸をはだけ、ズボンを下ろすと、リボンがついたピンク色のブラとパンティが姿を現した。


 股間はもっこりとしており、玉が外にはみ出ている。


「ぎゃあああああっ!」


 幼馴染は全力で悲鳴を上げた。


「何でそんなもん着てんの!?」


「お下がりを着ることで、あいつの存在が近くに感じられるような気がしてな」


「いやでも、下着はおかしいだろ!」


「あんたがそんなことするから、妹ちゃんも冷たくなるんでしょ。年頃なんだからさ」


「なにが年頃だ。お前みたいな年増と一緒にするなよ」


「殺すぞ」


「妹はまだ下の毛も生えてないほど純粋な存在なんだぞ」


「げっ……」


 あまりのキモさに、幼馴染は絶句した。


「……いや、何であんたそんなこと把握してんの? キモいんだけど」


「それくらい普通だろ」


「普通じゃないよ。何で知ってんの?」


 兄は幼馴染の無知を笑うようにため息をつき、そしてこう言った。


「だってまだ生えてきたって報告受けてないし」


「そんな報告の義務はねーよ」


「いやでも、生えてきたら普通家族に報告するだろう?」


「しねーよ」


 兄の狂った常識を、幼馴染は容赦なく切り捨てた。


「俺なんか、生えてきた時は嬉しくて全裸で近所を走り回ったよ」


「キモい! 死ね!」


 もはや幼馴染も少年に優しくする理由が無かった。


「思えば、妹が冷たくなったのもその頃だったな……」


 兄は髪を掻きむしりながら頭を振り回す。


「ああーっ、一体どうして妹は俺に冷たいんだーっ!」


 本気で悩んでいる。


 心から不思議がっている。


 そしてそれを、幼馴染は冷ややかな目で見つめた。


(答え、出てんじゃねーか)

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