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静寂の寓話シリーズ  作者: 瀬戸 陽子


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7/7

7. 静寂の寓話:別の終わり(Another End)

少年は誰にも信じられないまま村を離れ、

地図に刻まれた“変化”を目にする。

その瞬間、少年の胸に浮かんだのは、

恐怖でも悲しみでもない、別の感情だった。

声が枯れるまで叫んだ。

何度も…何度も…


それでも、誰も信じてくれない。

ぼくを見ようともしない。


ただの作り話と決めつけて。



…だから、ぼくはもう大人達を信じない。


もう、どうだっていい。


いなくなっても気づきもしないだろう。


丘の上の家に戻ると、親の遺品の古い地図、固くなったパン、ランプ、わずかなお金をカバンに入れて、

家を出た。


遠くで小さい、唸り声。

森は風の方向とは別になびいている。


夜になると危険だ。

そう思った。


だから、誰にも言わずに村を出た。


言っても無駄だから。


どうせ誰も信じないから。


背中に不気味な視線を感じた。

胸がざわついていた。


それでも歩き続ける。


古い地図を見ながら、近くの村へ。


薄暗く、ランプを灯して何とか夜までにはたどり着いた。


こっそり牛舎に忍び込み、藁に包まれて目を閉じる。


疲れていたのだろう。

あっという間に深い眠りについた。


翌日、おもむろに少年は地図を取り出した。

そこには、本来あるはずの元の村が

完全に森になっていた。


それを見た時、少年は無意識に口角が上がる。


……良かった。


静寂な寓話はここで幕を閉じます。


けれど、少年が見た“影”や、あの静かな笑みは、

読む人の心のどこかで、今も息を潜めているはずです。


実体を持たない幻影のように、

触れられないまま、ただそこに留まり続け、

いつか牙を向けることもあると思います。


最後まで読んでくださり、ありがとうございます。


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