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4. 静寂の寓話:影の章
“影”の視点から語られる、かつての恐怖と、
人間の村を観察するうちに生まれた“ある気づき”。
影たちが何を見て、何を学んだのかが明かされる。
人間の村は、静かで都合がよかった。
少年が声を上げても、誰も来ない。
仲間が吠えても、誰も気づかない。
戸を叩いても、誰も確かめに来ない。
人間は、聞こえた音よりも、信じたい理由を選ぶ。
沈黙は、私たちにとって合図だった。
あの少年だけが、
他の人間とは違っていた。
“気づいた者”の目だった。
だから、最初にあの家から試した。
あの子の声が風に溶けても、誰ひとり動かなかった。
ただ静かに待った。
人間がどう動くのかを、確かめるように。
そして、学んだのだ。
この村は安全だ、と。
人間たちが自分たちの声を信じない場所ほど、
狩りやすい場所はない。
次話:5.静寂の寓話:村の記録
2026/2/23 20:00に更新します




