梁の光
掲載日:2025/12/29
梁は、
揺れを止めない。
揺れを否定しない。
ただ、
揺れの中で倒れないための
かすかな強度をつくる。
その強度は、
英雄の力ではなく、
制度の硬さでもなく、
名もなき誰かの、
名もなき選択の積み重ねから生まれる。
光は、
叫ばない。
輝きを誇らない。
誰かを押しのけない。
誰かを裁かない。
ただ、
胸の奥で灯り、
次の誰かへ渡される。
梁の光とは、
その二つが交わる場所だ。
揺れを抱えた手が、
もう一つの揺れた手に触れ、
光を渡す。
その光が、
梁となり、
水平に広がり、
文明の見えない骨格をつくる。
文明は、
塔ではなく、
この水平の梁の連鎖によって
支えられてきた。
そしてこれからも、
そうであり続ける。




