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夜祭 

作者: たころん

初めて書いた趣味小説なので変なところがあっても多めに見てほしいです

高校に入ってから中学時代の友人である川本と人生で初めて夜祭に参加した

待ち合わせした最寄り駅は大勢の人で溢れかえっており、特に浴衣を着たカップルが多く目についた。


「久しぶりだな石倉」


半年ぶりにあった川本はよく焼けたスポーツ好青年のような見た目をしていた。


「なぁ、夜祭に来るのが初めてってほんとか?小中で9年間もあって誰にも誘われなかったのか?」

「誘われたことはあったけど人混みは面倒だから断ってたんだよ。」


川本の奴は去年自分が断られたことすら忘れてるらしい


「じゃあなんで今年は誘いを受けたんだよ」


なぜ誘いを受けたのかは自分でもわからない、


「....なんとなくだよ、そういやお前は高校でもサッカー続けてるのか?」

「続けてなかったらなんのためのスポーツ推薦だったんだよ」


それもそうである。彼はサッカーのスポーツ推薦で私立高校へ進学していた。

彼は生粋のスポーツマンであり、モテ男であり、

馬鹿である


「そろそろ祭を回ろうぜ、多分中学のときの同級生にも歩いてたら会えると思うぞ、それこそ大山さんにも会えるかもな」


大山遥、中学の時に僕が好きだった人だ。彼女は時間のギリギリに登校してくる人だった。普段は大人しそうにしているのにチャイムに間に合うように走る姿は力強く、美しかった。そこに僕は惹かれてしまったのだ。

川本は卒業式のあとに僕が大山さんを好きだと白状したことを覚えていたらしい。


「もう高校で先輩といい感じになってるって同じ高校に行った人から聞いたよ」


彼女は僕らとは違う高校に進学した。卒業式以来一度も会っていない。


「ホントかどうかは本人に聞いてみないとわからないぞ、案外脈あるかもよ」


川本は不敵に笑っていた。これだからモテ男は困る。モテ男には一般学生の恋愛事情などは理解できないらしい。


「第一、僕と大山さんは連絡先すら交換してない、出席番号が近いからたまに話す程度の関係だったんだから」


「、、、どうかな、とりあえず祭を回るぞ」


川本はまだ笑っていた





それから僕と川本は二人で祭を回った

唐揚げとかき氷を食べた


「うわっ、一気に食べたら頭がいてぇ」

「馬鹿だな」


川本は本当に高校生なのか怪しく思った。


中学時代の友人にもたくさん会った、半年ぶりに会う友人との会話は基本話のネタに困らず楽しいものだった、まぁ基本色恋沙汰の話しかしていなかったが、

そこには大山の名前は出なかった、何故か少し安心した自分がいた。


ちなみにある友人は彼女さんと来ていたので話しかけないでやった。




楽しい時間はあっという間に過ぎるものだ。祭は終わり、帰る時間になった。

僕達が駅に向かって歩いているとき川本が耳打ちをしてきた


「あそこに大山さんがいるぞ」


僕は咄嗟に周囲を見渡した。すると道端に浴衣姿の大山さんが誰かと話しているのが見えた。胸の奥がチクリと痛むのを感じつつ近づいてみると、話し相手は大石さんが中学時代から仲の良かった女子の三浦さんと話しているのがわかった。心の痛みは消えた。


「話しかけないのか?」


川本が問いかけてきたが僕にはそんな勇気はなかった。僕が怖気付いていると川本は歩き出した。


「お二人さん、久しぶり」


川本は二人に話しかけた。そうすると川本はすぐに大石さんをそっちのけで三浦さんと話を始めた。無理やり僕と大石さんを話させるつもりらしい。


「久しぶり、大山さん」

「久しぶり、石倉くん」



僕の名前を覚えていてくれたらしい。ただ少し不機嫌そうである。問題はここから、話す内容が無い。


「最近どう、高校は楽しい?」


ありきたりな質問でもできただけ上出来だろう


「楽しいよ、新しい友達もたくさんできたし。石倉くんはどうなの?」

「学校はぼちぼちかな、友達もある程度できたし、最近はノコギリマンっていう漫画にハマってるよ」


正直に答えた。ただ、話をつなげる質問が思いつかなかった。

すると


「ノコギリマン好きなの?」


まさかの彼女が食いついてきた。彼女もかなり好きな漫画らしい、意外だった。

そこから5分程度駅に向かいながら話していたとき、彼女は思い出したように聞いてきた。


「そういえばどうしてrainの返事を返してくれないの?」

「え?」


声がでた

僕は彼女とrainを交換した記憶がなかった。

彼女曰くクラスラインから友達追加をし、挨拶をしたのに返事がないらしい。

スマホを確認すると確かに挨拶が届いていた。しかも約3か月前。

僕はラインの通知を切って特に開かない主義であったため気づかなかったのだ。


「ほんとにごめん、通知を切ってるから気づかなかったっぽい」


そう言うと彼女は「次はちゃんと返してよ」と言って笑ってきた。綺麗だった。次があるらしい。

ちょうどそのタイミングで駅についたので、各自電車に乗って帰宅した。


電車の中で大山さんに言われたことが頭から離れなかった。

隣から川本がなにか話してきていたと思うが覚えていない。

ただ、川本は案外頭がいいのかもしれない。


ノコギリマン???なんだか聞いたことがある気がする

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― 新着の感想 ―
処女作おめでとうございます! 純愛ストーリーですね。 ヒロインの恋バナがなくてホッとしたり誰かと話しているのを見て気になったりと、 男の独占欲と嫉妬が見え隠れしてよかったです。 実体験に近いのかな。…
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