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完全の到達者 〜Endless Apocalypse〜  作者: MOGUNUMA
第一章 覚悟と矜持
30/40

クロノスの教え


(クロノス)

「誰だよーーー!!

 俺の神殿を壊したのはーー!!」


 クロノスが涙を流しながら、勢いよく走ってきた。


(モシュア)

「お...お帰りなさいませ...主様」


(セラフィム)

「たった今落ち着いたところだ。

 そうだな、モシュア?」


(クロノス)

「んっ?えっ!?モ、モシュアが!?」


 俺の中でのモシュアは穏やかで、誰に対しても優しい。

 決して何の理由もなく、俺の神殿と理解していながら、跡形もなく破壊するわけがない。

 ネタであったとしても...


(モシュア)

「申し訳ございません...私です。

 主様の配下として、今後さらに軍を成長につなげるために行われた会議が、思うように進行せず...

 私に対しての過度な発言で、怒りで我を忘れて、暴走状態となってしまいました。


 ただの私情で怒りを立ててしまった、醜い私を...

 そして、本来守るべきはずの大切な...大切な主様の神殿を破壊してしまったこと。

 命を賭して、罪を償います」


(クロノス)

「いやいや、待て待て待てッ!!

 別に攻めていないから!

 そんなことで命を投げ出すなッ!!」


(モシュア)

「ですが...この神殿は...」


(クロノス)

「確かに、この神殿は俺一人の力で造られたわけではない。

 ウーラにいろいろと手伝ってもらっただけで...なんとか...なんとかするから!

 多分大丈夫...大丈夫だから!」


(セラフィム)

「確かに、また戦で勝って分からせてやれば良い」


(クロノス)

「そのときは俺を目がけて中央突破で終わりだよッ!!」


(モシュア)

「・・・・。」


 下を向いたままのモシュア。

 まあしかし、空気を読めないアイツらにも非はあるだろうし、理由がない訳じゃないしな…


(クロノス)

「はぁ〜

 取り敢えず、大神全員を集めてくれ。

 モシュア、頼めるか?」


(モシュア)

「は、はい!すぐに…」



 ***



(クロノス)

「今回の件だが、これは全員に非があると思う。

 神殿を破壊したのはモシュアだが、その原因を作ったのはそれ以外のお前達なんだ」


(ヴァルガス)

「うむ…返す言葉もないな。

 やはり我々は主が居なければ、役に立つどころか、迷惑をかけてしまう存在なのだ。

 しかし今一度、主を含めた会議を提案したい

 このような過ちを二度と起こさぬ為にも…」


 モシュアからも聞いてはいたが、俺なんかの為にそこまで考えてくれていたなんてな…

 人の世界でも連帯責任とかよく言ったものだし…

 俺の責任でもあるわけか…


(クロノス)

「そうだな。

 だがその前に、俺から一つ頼みがある。

 今から行う会議では、()の為にではなく、()の為にとれるそれぞれの最適解ってやつを教えて欲しい。


 前にヴァルガスが言っていたが、俺たちを神殿に例えてほしい。

 俺がこの軍の象徴を担う屋根であり、お前たちは主である俺を支える柱であり、兵士たちはその全ての荷重を受け止める土台である。


 俺たちは全員が揃って一つの軍と呼べる。

 そして、一人の失態は、全員の命に関わってくる。

 だから、一人一人の『責任』がこの軍をより強固なものにさせるのではないかと、俺は思うんだ」


 その場にいた全員が納得した姿勢を向ける。


(ヴァルガス)

「我としたことが…

 自らの口で言ったものを、他人に言わせてしまうとは…

 なんと情けないことか」


(クロノス)

「こんな俺をここまで慕ってくれるお前たちがいて…俺は心強い。

 だから、これからも誰一人として欠けることなく、歩み続けるんだ。

 これは、()()の願いでもあり、俺の確固たる使命なんだ」


 次の瞬間、その場にいた全員が俺に跪いた。


(ヴァルガス)

「やはり、貴方こそが我々の主様だ…

 ここまで、我々を思って下さっているとは…」


(クロノス)

「それに、せっかく全員が集まっているんだ。

 もっと活気に満ちた話をしていこう」


(モシュア)

「それもそうですね…主様」


(フォティノス)

「はぁ…はぁ…はぁ…

 私の中の主様ランクがまた一つ上がってしまった…

 私決めました!!今夜にでも逆夜這いをッ!!

 ギャフッッ!?」


 興奮したフォティノスにテテュスがげんこつを食らわす。


(テテュス)

「末期の獣がッ!!場をわきまえよ!!」


(フォティノス)

「あぁぁん!?私を殴るな!肉塊ゴリラッ!!」


(モシュア)

「しかし、これだから...話が進まないのです...」


(クロノス)

「はははッ...でも俺はこれが好きなんだよ。

 いつまで経っても、こんなくだらない会話が続いて欲しい。

 俺は何度も、コイツらの空気の読めないド発言に度々救われているんだ」


(モシュア)

「そうですか...

 主様にそう言われましては、私も少し肩の力を抜いた方が良さそうですね...」


(ヴァルガス)

「そうであるぞ!モシュア!!

 ハッハッハッハッ」


(モシュア)

「そう言えば、ヴァルガス。

 主様がこの前、馬上で指揮を執られている際に『やはり主の顔付きが良すぎるがあまり、性的な対象と見えてしまうな...』と思っていましたね?」


(クロノス、ヴァルガス)

「なっ!?」


(モシュア)

「つい最近のことでしたら、主様がウーラ様に勝利した後...

 『主...勝ったのか!?正直負けてしまうのではないかと諦めていたのだがな』と仰っていましたね?

 心の内で...」


(ヴァルガス)

「それはだな...違うのだよ。

 あっ!!我、急用を思い出した!!

 何があるがとは言わんが、とてつもない急用だッ!!

 失礼するぞーーーーーッ!!」


 ヴァルガスは勢いよく去って行き、ほんの数秒で姿が見えなくなった。


(クロノス)

「(まさか、言葉には発していないだけで...日々とんでもないことを聞かれているのでは...)」


 次の瞬間、モシュアが振り向いては満面な笑みを浮かべていた。


(クロノス)

「(怖い怖い怖いッ!!)」


(モシュア)

「誰が怖いですって?」


(クロノス)

「ひぃっ...

 ごめん...やっぱり今まで通りのモシュアでお願いする

 (これ以上は、これ以上は寿命が縮んでしまう...)」


(モシュア)

「そうですか。

 では、主様の寿命が縮まないように今後は控えたいと思いますね」


 そして、クスクスと笑いながらその場を去っていった。



 ***



(クロノス)

「それで...お前たちは、いつになったら喧嘩を辞めるんだ!!」


(フォティノス)

「主様~!!

 コイツが私を殴ったのよ!!

 私をかばって!私を慰めて!私をこれでもかと言うほど甘やかして~」


(テテュス)

「この世の支配者となられた主様の配下に、このような浮かれた奴が入れば、主の格が下がる。

 だから…」


(フォティノス)

「主様と私の会話に入ってくんな!」


(クロノス)

「まあテテュスの言うことも分からなくも無い...」


(フォティノス)

「え~私...主様のことが...」


(クロノス)

「フォティの俺に対しての気持ちはよく分かった。

 だけど、俺も...こう会う度に抱きつかれては、恥ずかしいというか...周りの目が気になるというか...」


(フォティノス)

「見た奴全員消し飛ばせば問題ないよ」


 うん...無理っぽいなこれ。

 そう思った矢先、予想だにしない救世主が現れたのだった。


(クリシオス)

「私だ...」


(クロノス)

「クリシオス!?」


(クリシオス)

「主様...耳を貸してはいただけぬか...」


(クロノス)

「耳?え、なんで」


 突然のクリシオスの登場に驚いた。

 そして、俺に近づいて耳元で囁いた。


(クロノス)

「ええ~!!嫌だよ!、そんなこと!」


(クリシオス)

「私は、堅さ以外取り柄の無い男故、この軍のためにできることとすれば、誰にも防ぐことのできない攻撃を耐えることぐらいだ。

 しかし、私も一人の大神であるが故、主様への助言の一つや二つぐらいはできるのでは無いかと思ってな...

 では、私はこれで失礼する」


(クロノス)

「クリシオスが...クリシオスじゃない!?

 まあ、せっかくクリシオスが出してくれた意見だし。

 何もしない訳にはいかないしな…」


(フォティノス)

「主様?」


 そして、俺はそっとフォティノスに近寄り、顎をクイッと上げて額を合わせる。


(フォティノス)

「あ、あああ...主様ーー!?」


(クロノス)

「フォティ...

 黙ったときのお前を世界で一番愛している…」


(フォティノス)

「は...あ...あぁぁ///」


 フォティノスはその後ぐったりと倒れてしまい、鼻血が勢いよく吹き出た。


(テテュス)

「主が、私よりも破壊神をしている...」


 あ、案外試してみるもんだな...



 ***



(クロノス)

「えっと...」


(ティア)

「主様…私達の為に日々御尽力いただき感謝いたします。

 御礼は働きにて返しますので、長い目で見ていただければと思います」


(ユスティリア)

「では…私も。

 主様、ありがとうございます♪」


(ルクス)

「私もこれで失礼する。

 それと、いつでもいいから、私を先陣に立たさせて欲しい。

 奴に独り占めさせては私の活躍を見せれないが故な」


(クロノス)

「あ、ああ…」


 結局、この会議の結論は出なかった。

 だが、まあ無駄ではなかったかもしれない。


明日より第二章開幕です。

投稿時間を大きく変更して、毎日正午12時の投稿にしたいと思います。

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