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ロカ、ニルンルート  作者: 明広
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巫女 アドリアナ ローム

ゴールドは1人でローム王宮の謁見の間にいた。

 そこには既にアドリアナ姫14歳がいた。

 初めての出会いから4年の歳月が流れていた。

 アドリアナは金髪の髪を腰まで伸ばし、身長は160cm、胸は手の平サイズで瞳はブルーだ。しかし、ゴールドが現れるとそのまま抱きついた。

 4年前とちっとも変わらない。

 ゴールドも幼女を抱くように抱きかかえた。

 アドリアナはゴールドの首に手を回して言った。


「お待ちしていました。」

「では、行こうか!!ワープ。」


 それから、王宮でアドリアナの姿を見た者はいなかった。

 父、アデルはこの事を秘密にした。

 アドリアナから「もう直ぐ、勇者様がわたくしを迎えに来られます。どのくらいの期間が分りませんが、安心してください」と言われていたからだ。

 王都の人々もアドリアナが教会の慈善事業に顔を見せなくなったので心配したが、王宮から少しの間、休む事を伝えられたので安心をした。


 アドリアナはベラドンナの拠点の邸にいた。

 ユリアを見つけると、そのまま抱きついた。


「ユリア様♡」

「お久しぶりですね、アドリアナ。会えて嬉しいです。」

「サンターナ様、お久しぶりです、よろしくお願いいたします。」

「よろしくね。」

「アリス様、お久しぶりです、よろしくお願いいたします。」

「アドリアナ、よろしく。」

「ユリ様、よろしくお願いします。」

「いいわよ。」

「シンフォニー様、よろしくお願いいたします。」

「お友達ね。」


 アドリアナは神剣来国長に向かって、「アスティ様、よろしくお願いいたします」と頭を下げた。

 剣の鍔の辺りから、光りの玉が出て来てアドリアナの周りをクルクル回りだした。


 最後にアネリーゼに挨拶をした。

 アネリーゼは驚いた。

 また1人、女神がやってきたのかと思ったほどだった。



 この日から、アドリアナの巫女としての訓練が始まった。

 アドリアナはレベル5だ。先ず魔法の訓練から始めた。

 久しぶりにゴールドが直接魔力を流した。

 流した魔法は聖魔法だ。

 たまたま訓練を見ていたアリスは驚いた。

 今までは4属性の魔法を流していたからだ。


 アリスは今聖魔法Lv2だ。しっかりと聖魔法が見えていた。

 アドリアナは意識を無くした。

 しかし凄くうれしそうな寝顔に見えた。


 アドリアナは聖魔法に1週間で覚醒した。

 早い。

 巫女は魔法に親和性があるのだろう。

 夜になって、ゴールドが眠っているとアドリアナがゴールドの側に来て言った。


「勇者様、寂しくて眠れません。お側で眠むらせて下さい。」

 ゴールドの横にシンフォニーがいて、その横がユリア、ゴールドの後側は今日はサンターナの番になっていた。サンターナの後側にアネリーゼが眠っている。


 ユリアの向こう側にアリスが眠っていてユリはその向こう側だ。

 全員ぐっすり眠っているのだ。

 特にアリスとサンターナはゴールドから漏れているうす青色の光の粒を吸収して気持良さそうに眠っていた。


 揺すっても起きないのだ。

 ゴールドはシンフォニーとの間のベッドを変幻魔法オールチェンジを使って引き伸ばし、場所を開けて、そこにアドリアナを寝かせた。


 アドリアナは直ぐ気持良さそうに眠りについた。

 アドリアナはゴールドの側にいるだけで幸せだった。

 この気持が何なのかは、まだ分らなかったが。


 シンフォニーは気付いていた。しかし気付いていない振りをした。

 シンフォニーはアドリアナに嫉妬していたのだ。

 しかしシンフォニーは、まだこの気持が嫉妬だとは知らなかった。


 ゴールドは次に回復魔法を流した。アドリアナはまた1週間で覚醒した。

 次に4属性魔法を流して行った。アドリアナは全てに於いて1週間で覚醒して行った。

 最後に空間魔法の魔力を流したが、これは覚醒しなかった。


 ゴールドは魔力操作の訓練を始めた。

 しかしここでゴールドはアダマンタイトのナイフの予備がないことに思い至った。

 サルヴァトーリの所に行って買ってこようかと思ったが、サルヴァトーリの所に予約なしに行ってもアダマンタイトのナイフは買えないだろうと思った。


 それで自分で作ってみる事にした。

 アダマンタイトのナイフに魔法の親和性があるのではなく、アダマンタイト鉱石自体に魔法の親和性があるのだ。

 形はどんなものでも、いいはずなのだ。

 効果と持ち歩く事を考えると、あのナイフぐらいの大きさが丁度良いのだろう。


 ダイヤモンドも加工出来たのだ。

 アダマンタイト鉱石も出来るだろうと感じた。

 今まで一番加工している指輪サイズで試みた。


 土魔法Lv8鉱物形成を発動した。

 土魔法Lv8鉱物形成は発動するとダイヤでも粘度を扱うようにイメージ通りに形を変えられる魔法だ。

 しかし、アダマンタイト鉱石は少しも魔力が通らなく、形を変える事が出来なかった。


 サルヴァトーリに出来て、自分に出来ないのは何故だろう?

 ゴールドはふと錬金魔法が頭に浮かんだ。

 錬金魔法はMP100を越えて、何処までも上限なくMP1づつ魔力を流して行く魔法だ。

 現在MP100以上必要なポーションはない。

 無いが、MP10のヒールポーションでさえ,人によって微妙に必要な魔力量が違うのだ。

 普通の錬金術師が大変なのは、この魔力量を身体で覚える事なのだ。

 これと一緒なのではないかと感じた。


 ゴールドは魔力をMP80からMP1づつ徐々に上げて行った。

 そしてMP240の所で魔力がグングン流れ出した。

 MP241を流したらまた魔力は流れなくなった。

 それからMP300まで流したが、同じだった。


 そしてその鉱石を見たら、既にアダマンタイトでは無くなっていた。

 全く別物の唯の石ころに変わったのだ。

 ゴールドはなるほどと思った。

 1億ロムの価値が一瞬にして無くなるのだ。

 これをドワーフ達は経験と神から与えられた特性により加工しているのだ。


 ゴールドはポーションが神の薬であり、錬金魔法が神の魔法なのだと改めて感じた。

 ここからは早かった。

 錬金魔法と土魔法を使ってMP240を正確に流した。

 するとアダマンタイト鉱石は粘度細工を作るように形を変える事が出来た。


 土台が金でオーバルカットの指輪を作った。

 青い空をイメージさせる指輪になった。

 次はネックレスだ。

 ネックレスは少しカット数を多くして、キラキラッと輝きを持たせてみた。

 スカイブルーに輝くネックレスだ。

 最後にナイフを作った。

 ナイフの大きさはサルヴァトーリの物と一緒にした。

 やはり永年の経験には、それなりの実績と効果があるはずだ。


「アドリアナ、これを身に着けなさい。」

「これを、頂けるのですか!!一生大事にします。」

「あはははっ、そんな大層な物じゃないよ。これを持っていると魔力操作が楽になるものだよ。」

「勇者さま、ありがとうございます。」


 これを見ていたユリア達は何も言わなかった。

 ゴールドは、魔力をアドリアナの体内に流して、グルグル回わした。

 アドリアナは直ぐ意識をなくして眠りについた。


 3日後、アドリアナの体内を魔力がスムーズに流れ出した。

 ここからは魔法の訓練だが、レベル5でMpが10では何も魔法の訓練は出来ない。

 ゴールドはアドリアナを連れて、和音のダンジョンの1階層でレベル上げを行った。


 ゴールドはユリア姫と始めてダンジョンに入った時の事を思い出していた。

 今回、ゴールドはドルモアの剣をアドリアナに持たせている。

 斬鉄剣改より軽いのだ。

 アンリの時と同じ用に、ゴールドがサイコキネシスの魔法の腕で、角うさぎやスライムを押さえつけて、止めをアドリアナに刺させた。


 1階層をクリアした時点でアドリアナのレベルが20になり、MPが120になった。

 これだけあれば、聖水が作れ、魔力操作の訓練も出来る。

 タンポポに矢を浮かせて当てる訓練だ。

 こちらはアリスに頼んだ。

 矢の魔力操作はアリスに誰も敵わない。


 こうして1週間、魔力操作の訓練と、夜眠る時、全ての魔力を使って聖水を作らせて行った。

 段々訓練がハードになり、アドリアナは倒れるようにベッドに沈んだ。

 ゴールドの横にだ。

 しかし今は誰も何も言わなかった。

 ゴールドがアドリアナの訓練の前に皆に言ったのだ。


「ユリア、この訓練が終わったら、ビクトリア王国に帰る事にするよ。」

「えっ、ここでの神の仕事は終わったの?」

「このアドリアナの訓練が最後の仕事だ。」

「分ったわ。」


 アドリアナもこれが勇者様との永遠のお別れだと知っているのだ。

 故に、この短い時間を大切に過ごしている。

 他人に遠慮して、後悔はしたくなかった。

 最愛の人との別れを惜しむように、ゴールドと一緒にいられる時間を大切にしているのだ。


 この事が判っているので、皆何も言わないのだ。

 さらに1週間が過ぎた。

 ゴールドはアドリアナに異空間収納袋を与えた。

 段々聖水の樽が増えて行った。


 さらに1週間が過ぎた時、アドリアナは矢を2本同時に操って的に当てた。

 ここからアリスは2本の矢を操って、タンポポに当てる訓練を始めた。

 アドリアナはMP120だ。直ぐ魔力切れで倒れた。

 アリスは倒れたアドリアナにヒールをかけて早く目覚めさせ、マナポーションを飲ませて訓練を続けた。


 この訓練をベラドンナの兵士がたまたま見ていた。

 この拠点の訓練広場はオープンだ。

 前を通れば、誰でも見られる広場だ。

 この兵士がこの事を同僚に話した。


「アリス様と美少女が訓練をしていたのだけど、かなりハードな訓練だったよ。」

「どんな訓練だった。」

「タンポポさんを2本の矢で追いかける訓練だった。」

「えっ、矢が2本だったのか?」

「ああ、確かに2本だった。」


 2本の矢を風魔法で操れるのは高位の冒険者達だけだ。

 普通は1本の矢を操れるだけなのだ。

 それでも魔法使いしか出来ない技なのだ。


「それでその少女はどんなだったのだ?」

「それがアリス様に劣らない美少女だったんだぜ。」

「えっ、アリス様と一緒ぐらいの美少女!!人ではないのか?」

「いや、うす青色の光りに包まれていたので、良く判らなかったのだけど美少女だった。」

「良く見えなかったのに良く美少女と判ったな?」

「いや、それが俺には天使が訓練を受けて、ぼろぼろになり倒れても、倒れても頑張っているように見えたんだよ。お前も見れば判る。」


 次の日、10人の兵士がアリスとアドリアナの訓練を見ていた。

 確かに天使に見えた。

 顔を紅潮させながら、必死に訓練に励む姿は、痛々しくもあり、見るものに感動を与えた。


 しかし顔はうす青色の光りに包まれて、はっきりとは判らなかった。

 それからは毎日、非番の兵士が20人ぐらい見学するようになった。

 1週間が過ぎる頃には、ベラドンナで知らぬ者は居ないほどの話になっていた。


 この話がアンリに届いた。

 アンリは思う事があって、直接ゴールドの邸を尋ねた。

 アドリアナは居間にいた。

 そこには、もともとスラーッとしていた妹が、一段とスラーッとなって立っていた。


「お兄様!!」

「やっぱりアドリアナだったんだね。」

「お兄様、どうかされたのですか?」

「いや、いいんだ。身体は大丈夫かい?」

「はい、大丈夫です。」

「斬られたりはしていないかい?」


 アンリはこの邸の噂を知っている。

 自分の修行の時は、勇者様が1人で修行をして下された。

 しかし、ナイキ、アデリナ、ロカは回りの女性達からも修行を受けたのだ。

 そしてナイキは腕を切り落とされたのだ。

 この話をアンリはロカから聞かせれて知っていた。


「斬られるのですか?」

「いや、気にしないでくれ。アドリアナと会いたくなって来ただけなのだ。」

「ありがとうございます。」


 それからアリスはアドリアナに水の玉を風魔法で浮かせて的に当てさせる訓練を追加した。2週間後、アドリアナとゴールドは91階層にいた。

 ゴールドは前回アデリナに持たせた槍をアドリアナに渡そうとした。

 しかし、あの時の事を思い出して少し考えた。

 この槍はアデリナには大きい物だった。

 男では普通に持てるが女性には重たくてふらつくのだ。

 アデリナも腰がふらふらしていた。


 しかしアデリナは、ライオスとお揃いの槍だと喜んでいた。

 あの時のアデリナとライオスは熱々のカップルで、ライオスがアデリナの手取り足取り、そして腰に手を当てて槍の使い方を教えていた。


 今回、ゴールドは女性でも扱い易い槍をと考えて、ふと思った。

 前世の記憶、知識を使って槍を作ったらどうだろう。

 つまり、このユグドラシルの世界の魔法と地球暦2222年の技術を融合させて作れば、何でも出来そうだと考えたのだ。


 それなら槍の形に拘る必要もない。

 根本から考えを改めた。

 基本の形はファンネルのアクセルを元とした。

 大きさは果物ナイフぐらいの小さな物とした。

 基本の性能はアデリナに渡した槍と同じだ。

 材質は変更してアダマンタイト鉱石を使った。

 魔法の親和性がいいと考えたからだ。

 風魔法Lv6ウインドゼェットで飛び、空間魔法Lv9転送で戻ってくる。

 回復魔法Lv7リゼェネーションで自己修復し、聖魔法Lv10聖光ホーリーライトにてエネルギーを自ら回復するのだ。

 これに地球暦2222年の技術を追加した。

 先ずAIを組み込んだ。

 ゴールド博士が開発した高性能AIだ。

 会話機能を追加した。

 次にキウィとアクセスさせ、衛生通信を可能にして、キウィの支援を受けられるようにした。




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