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ロカ、ニルンルート  作者: 明広
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ロカ、ニルンルート アリアナと結婚する

ゴールドはナイキとロカを連れて畑にやってきた。

 畑は麦が植えられていたが、まだ小さかった。

 ゴールドは雨降らしポーションをその場に降り掛けた。

 10分もすると麦が生長しだした。

 段々大きくなるのが、目で分かる速さで成長した。


「お師匠さま、このポーションは何と言うポーションなのですか?」

「これは雨降らしポーションだ。効果は今、お前達が見ている通りの効果だ。」

「凄いポーションですね。」

「お前達にはこの袋を与える。」

「これは異空間収納袋ですね。」

「知っているのか?」

「はい、ライオスに見せてもらいました。」

「なら、効果も知っているな。この中にポーションを各2個づつ入れておく。お前達なら、神のご意思で使うだろう。」

「はい、畏まりました。」

「ありがとうございます。」


 その後、ゴールド達は全ての畑に雨降らしポーションをかけて行った。

 そしてワープにてベラドンナの邸に戻って来たのだった。



 翌日、ゴールド1人でタニス村にフランシス達を迎えに行った。

 ゴールドが飛んだのは、村長タイモンの家の居間だ。

 そこには帰る準備をしたフランシス達がいた。

 ゴールドが現れると、全員跪いた。


「使徒様、ありがとうございました。」

「アスターよ、これからも、この村を守ってあげなさい。さすれば神ムーン シルバー様は、この村と共に、お前の側に居られるだろう。」

「あの使徒様」

「なんですタイモン。」

「今朝、畑を見たら麦や野菜が、既に収穫出来るほど実っています。これはいったい如何したのでしょうか?」


「あれは神から、この村への恵みだ。

 今後何十年かは、麦も野菜もおおいに実るだろう。

 神ムーン シルバー様は子孫繁栄の神様だ。

 この村の繁栄を見守っておられるだろう。」


「ありがとうございます。」

「妖精アニーはいるか!!」

「ここにいるわ。」

「この家を頼むよ。」

「任せてね。」

「ニーナ。」

「はい、ちとしゃま。」

「ニーナには妖精アニーの姿が見えるだろう。」

「はい、ちっかりとみえましゅ。」

「ニーナ、アニーとお友達になってあげて下さい。」

「わかりまちた。」

「うん、いいこだ。ずっと妖精を裏切らず、友達でいたら、ニーナが困った事になった時、アニーからきっと助けてもらえるだろう。」


 ゴールドは聖魔法Lv10聖光ホーリーライトを妖精アニーに放った。

 手の平サイズの光りの玉が少女ぐらいまで大きくなり、パンッと弾けて消えた。


「では、帰りますよ。ワープ。」


 ゴールドとフランシス達は王都に帰って来た。

「ゴールド様、ありがとうございました。」

「フランシス。」

「はい、ご主人様。」

「お前が販売するクリーンポーションはタイモンの家で見た物とは違う。これがクリーンポーションだ。使ってみなさい。」

「どのようにして、使うのでしょうか?」

「そのビンのフタを開けて、床に降りかけてみなさい。」


 フランシスは言われた通り、ポーションを床に降り掛けた。

 光の玉が邸中を駆けめぐり、邸はピカピカになった。


「これは凄いポーションですね。」

「それ1本を6,000ロムで販売しなさい。」

「えっ、そんなに安いのですか!!」

「安いのか?」

「この邸の大きさでピカピカになるのです。貴族は、何処の館でも欲しがるでしょう。貴族でなくても欲しがると思います。」

「そうなのか!!」

「そうだと思います。サティアは如何思う?」

「女性にとっては、とても素敵なポーションです、ゴールド様。」

「ポーションは神が作り(たも)う薬なのだ。フランシス。」

「はい、ご主人様。」



「お前には神のご意思を人々に伝える使命を与える。

 ポーションを神の贈り物として人々に広めて行きなさい。

 もし販売するべきか?販売するべきでないのか?

 迷った場合は、その紋章が教えてくれるだろう。

 では、さらばじゃ。ワープ。」



 フランシスの元にはクリーンポーションだけでなく、色々なポーョンが送られて来た。

 ある時、美肌ポーションとリンストリートメントポーションが2個づつ送られて、1個はサティアが使ってみなさいとメモが入っていた。

 サティアは美肌ポーションとリンストリートメントポーションを使ってみた。

 1ヶ月間、肌の染みは全て取れ、もちもち、つやつやの肌になり、痛んだ髪もしっとり天使の輪がキラキラ輝く髪になった。

 それに健康そうに見え、元々の美人が超美人になったように見えた。

 フランシスがサティアを見て、惚れ直したぐらいだった。


 結婚10年、フランシスの心に火がついた。

 襲うようにサティアを抱いたのだった。

「貴方♡」

「なんだい♡」

「このポーションを10ロムで売ってあげたい娘がいるの。」

「たった10ロムでかい?」

「その娘は結婚間近で病に掛かり、肌や顔に出来物が出来、思い悩んで死のうとしたの。」

「誰だい?」

「5軒先にある食堂で、下働きをしている娘がいるでしょう。」

「いるな、でも最近、顔を見なかったぞ。」

「部屋に閉じこもっているのよ。食堂の奥さんが、私に相談に来たのよ。」

「そう言えば、食堂のターシャと友達だったな。」

「どう、売ってもらえる。」

「貴族に売れば、中金貨1枚でも売れそうだぞ。」

「だから頼んでいるのよ。」


 その時だった。

 フランシスの紋章に痛みが走った。


「ううーーっ、これはーーっ。」

「貴方、如何したの!!」

「紋章が反応した。このポーションは、その娘に使おう。」

「貴方、いいのね❤」

「神のご意思だ。」



 サティアは翌日、食堂に出かけて美肌ポーションとリンストリートメントポーションを娘に飲ませた。

 出来物が出来ていた肌は、つやつやの肌になった。顔の出来物も綺麗に取れ、前からあったソバカスまで無くなり、可愛い女性がそこにいた。

 一緒に見ていたターシャが、この話を食堂のお客に話して聞かせた。

 一気に王都中に広まり、肌で悩んでいた女性達がフランシスの元へ押しかける騒動になったのだ。

 こうしてポーションの存在は徐々にローム王国に神の薬として広まって行った。



 それから後の出来事だ。

 アリアナがロカの弟子になって、半年後に風魔法に覚醒した。

 1年後には錬金術10MPに成功した。

 この頃には、ゴールドは「アンモライト鉱石は、もう要らないのでお前達で分けなさい」と言った。


 ナイキとロカは、アリアナを入れて全て三等分する事にしたので、アリアナも十分な資金を持つ事になった。

 つまり、3人は大金持ちになったのだ。

 アリアナは自分の取り分のアンモライト鉱石をナイキとロカに買って貰っていた。

 まだクリーンポーションを作れなかったからだ。


 ロカはオークション価格10万ロムで買い上げた。

 毎週アリアナの手元に10万ロム、現代価値で300万円が入って来ていたのだった。


 そのな中、アリアナは錬金術に成功した。

 錬金術に成功した弟子は、師匠の元から出て行かなければならないと錬金術ギルドの規約で決められていた。

 なるだけ多くの魔法使いと錬金術師を生み出す為にゴールドが定めた規約だった。


「ロカ。」

「なんだいアリアナ。」

「私、貴方の元を去りたくないわ。」

「そうは言っても、使徒様が定められた規則だよ。」

「ロカは私が居なくなってもいいの!!それに私を助けてくれた時、貴方は誓ってくれたわ。」

「覚えている?」

「ああっ、覚えているよ。アリアナとエッチをするまでは、離れないと誓おうと言ったね。」


「私は橋のたもとで貴方と出会った時、あの行為がエッチをする事だとは知らなかったのよ。

 私は母の為に、命でも売るつもりだったの。

 でも、貴方を見たら、エッチしてもいいと思ったのよ。

 貴方なら、いいと思ったの。」


 アリアナは泣き出した。

「アリアナ、少しここで待っていてくれ。ゴールド様にお願いしてくる。」


 ロカはゴールドの元に走って行った。

 ゴールドは拠点の邸の居間にいた。


「ゴールド様、お願いがあります。」


「そんなに必死な顔のロカは2度目だね。

 1度目はアネリーゼが死に掛けていた時だったね。

 あの、弟子が錬金術に成功したら、別れて次ぎの弟子を育てなければならないと規約にはありますが、私はアリアナとずっと一緒にいたいのです。

 お許し願えないでしょうか!!!」


「それは、この神の使徒、ゴールドに逆らう事ですよ。

 ロカは使徒の恐ろしさを一番よく知っているでしょう。

 それでも、アリアナと別れないつもりですか!!!」


「私はアリアナと一緒になりたいです。」

 ロカは小声で言った。死を覚悟して言ったのだ。



「ロカ、良く言えましたね。

 神ムーン シルバー様は子孫繁栄の優しい神様だ。

 私はその神の使徒、しもべです。

 私の言葉より神の言葉の方が上ですよ。

 ロカがアリアナと一緒になりたいのであれば、神は2人を祝福されるでしょう。ワープ。」



 ゴールドはアリアナの前に飛んだ。


「あっ、使徒様。」

「アリアナ。アネリーゼを呼んで来てください。」

「母を呼ぶのですか!!」

「今から2人の結婚式を行います。」

「えっ、使徒様が母と結婚なさるのですか?」

「出来れば、そうしたいのですが今の私は結婚出来ないのですよ。」

「では、誰が結婚するのですか?」

「貴女とロカの結婚式をするのです。」

「えっ、ロカと結婚出来るのですか!!」


 アリアナは、また泣き出した。

 その時、奥からアネリーゼが現れた。


「ゴールド様、いらっしゃいませ。」

 アネリーゼは今27歳。緑色の髪で心も落ち着いて、美人だ。

 ベラドンナ領でアネリーゼを見た独身男性は皆噂したほどなのだ。


「アネリーゼ、今からロカとアリアナの結婚式を挙げたいと思うのだが、許してもらえるだろうか!!」

「ゴールド様が結婚式をしてくださるのですね。」

「そうです、神ムーン シルバー様の使徒として2人の結婚式を行います。」

「では、よろしくお願いします。」


 ゴールドはアイテムボックスからダイヤの指輪と金の指輪を取り出し、パーフェクトヒールを付与した。

「パーフェクトヒール?」

「アリアナ、ハイポーションは知っているだろう。」

「知っているわ。勇者様のレシピ本で読んだから。

 それに王都の貴族が、父が死んで家の伯爵家を次ぐ段になって、その貴族を妬んでいた文官が根回しをして、片手では領地の維持は難しいと領地没収の沙汰にしょうとしていたのよ。

 兄思いの弟がいて、王都で使徒様が、欠損の兵士を治された事や妖精の雫の事を知っていて、諦めずに探していたのよ。

 そして、ついにオークションで見つけて、全財産をはたいて、兄の為に落札したのよ。

 その価格が何んと300万ロムだったのよ。」



「アリアナ、良く知っているね。」

「王都の吟遊詩人が歌い出して、ロベリアの町で歌っていたのを聞いたのよ。」

「そのハイポーションと同じ、欠損も治す魔法がパーフェクトヒールだよ。」

「えっ、この指輪が欠損を治すの!!!」

「そう、それに魔力を込めなおせば、また使えるようになるよ。」


 アリアナはダイヤの指輪に心を奪われた。

「ゴールド様。」

「なんです、ロカ。」

「私もダイヤの指輪にして頂けないでしょうか!!」

「ロカもダイヤがいいのか。」

「はい、心がドキドキします。」


 特技、鉱物鑑定の為だとゴールドは感じた。

 ニルンルートの血脈は普通ではないのだ。

「いいだろう。」

 ゴールドはもう一つ、ダイヤの指輪を取り出した。

 そして誰かの視線を感じた。

 感じた方を見るとアネリーゼが指輪をじっと見つめていた。


「はい、アネリーゼ、これを貴女に上げましょう。」

 ゴールドは、もう1個、アイテムボックスから取り出してアネリーゼに渡した。

「ゴールド様、これを私に下さるのですか♡」

「ええっ、じっと指輪を見つめられておられたので差し上げます。」

「では、わたくしをお側においてください。新婚の2人の側にいるのは、辛いものがあります。」

「お母様。」

「いいのですよ、アリアナ。」

「アネリーゼ、私はユリア姫と結婚します。それでも側にいると言うのであれば、ユリアの許しをもらって下さい。」

「ユリア姫とは、あの剣鬼姫の事でしょうか!!」

「剣鬼姫?」

「はい、直ぐ剣を抜いて相手をお斬りになられるとか。ナイキ様もお斬られになられたとか。」

「ナイキを斬ったのはサンターナ姫ですよ。」

「私も斬られるのでしょうか!!」

「斬られはしませんよ、たぶん?」



 ロカとアリアナの結婚式はたった4人の結婚式だったが、神の祝福を受けた素晴らしい物だった。

 ロカとアリアナ、そしてアネリーゼに無病息災の加護を頂いた。

 ロカとアリアナには子孫繁栄の加護まで頂いたのだ。


「ゴールド様。」

「何でしょうか、アリアナ。」

「子孫繁栄の加護を頂いたのなら、私達には子供が沢山出来るのでしょうか?」



「アリアナ、子孫繁栄の加護は、子沢山の加護ではなく、貴女達の子孫が繁栄すると言うものです。

 つまり、家が安泰で、ずっと続くと言う加護です。

 それでなくても、ニルンルートの血脈は鉱物鑑定の特技で安泰でしょうが。」



 この後、無事結婚式をあげて、アネリーゼを連れて拠点の邸に帰って来た。

 アネリーゼはユリアに斬られる事はなく、家事一切を任された。

 特に料理が出来たので、サンターナと2人で料理を作る事になり、サンターナと友達になった。

 アネリーゼは、この邸の人々が普通の人間でないと感じた。

 そして本当に神と等しい力を持っている事に気付くのに、そんなに時間はかからなかった。

 夜眠る時、アネリーゼはゴールド達と一緒に眠る事を望んだ。

 ゴールドから1室、専用に部屋をもらっていたのだが、夜は一緒を望んだのだ。

 そこでゴールドに尋ねた。


「あの方達は女神様なのですか?」

「アネリーゼ、貴女は一緒に住む事を望んだ。貴女には本当の事を伝えておきます。ユリアはビクトリアの王女です。」


 アネリーゼには神か悪魔に思えた。如何見ても普通のお姫様には見えなかった。

 ゴールドの答えは、神に思えるのは神の声が聞えるからで、悪魔に思えるのは、あの魔剣に気に入られているからとの事だった。

 アネリーゼは何の事が全く分らなかった。


「サンターナは獣人です。変化の特技で今の姿になっているのです。そして豹の王国のお姫さまです」と言われた。

 アネリーゼは御伽噺だと思った。


「アリスは妖精国のメンディ家のお姫様です。」

「妖精国?」

 こちらも童話の世界の話だと感じた。


「ユリは元、鳥です。」

「鳥?」

「変化の魔法で今の姿になっています。」

 鳥、絶対信じられなかった。可愛い少女なのだ。


「シンフォニーは私の子供です。」

「えっ、ゴールド様の子供なのですか!!」

「はい、そうです。」

 これも信じられなかった。

 特にシンフォニー様は幼女でも何か犯しがたい雰囲気があるのだ。

 逆らえば、今にも殺されそうな感じがした。

 アネリーゼは、殺されかけた経験があるだけに、そう感じていた。

 あれには逆らってはいけないと思わせる何かがあったのだ。


 ロカとアリアナは結婚式の後、初夜を迎えた。

 ロカ13歳、アリアナ12歳、2人の行為はぎこちなかったが、無事本当の夫婦になった。

「ロカ、愛しているわ♡」

「アリアナ、好きだよ♡」




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