ロカ、ニルンルート クリーンポーションを作る
3人がフィッシング2ポーションを飲んだら、湖にいる魔物達が集まって来た。
これを全て倒し、ロカがサーチと空間把握を使って湖の中の魔物を探して行った。
3人で手分けしてその魔物達の近くで釣り糸を垂らして湖のポイズンスネークとポイズンフロッガーを全て倒した。
ここでナイキが水中呼吸ポーションを飲んで50m底まで潜って行った。
楽々素潜りで、湖のそこの石を取って来たのだ。
水中呼吸のポーションは水の中で普通に地上と同じように呼吸が出来る優れものだとナイキは改めて感じたのだった。
11階層をクリアして湖攻略の目処が立ち、12階層へ歩を進めだ。
ここでは、新たな魔物、ピラニアン攻略がカギだ。
それでもナイキ達は11階層でやった事と同じ事をした。
先ず状態異常回復ポーションとフィッシング1ポーションを飲んで魚釣りをした。
ゴールドの作った電動リール、テグス、釣り針はキラーピラニアンの鋭い歯にも動じなかった。
体長1m、鋭い歯を持った白身の魚を釣り上げたナイキはナイフで白身を切り出して、火を起こし焼いて食べ出した。
「うん、旨い魚だ。」
「ナイキ、美味しいかい?」
「ロカ、ゴールド様が言われた通り、これは美味しいよ。ロカも食べてみろよ。」
「じゃあ、頂くね。」
アリアナも加わって、3人で焼いて食べた。
「これは美味しいです。」
「初めてだよ、こんな美味しい魚は!!!」
食べ終わって3人はフィッシング2ポーションを飲んで、また釣りを再開した。
湖の周りから、魔物達が集まって来た。
しばらく釣りをしていると、周りに魔物は居なくなった。
ロカがサーチと空間魔法を放って、魔物の位置を確認して3人で手分けして、残りの魔物を釣り上げて行った。
全て釣り上げた所で、湖に流れ込む川にロカが、湖から流れ出る川にアリアナが待機して釣竿を構えた所で、ナイキが水中呼吸のポーションを飲んで、湖に潜って行った。
湖の底に着くと、腰に付けていたゴールド特性の魚篭にアンモライト鉱石を3個入れ、地上に戻って電動リールのスイッチを入れた。
ついにアンモライト鉱石を手に入れた。
地上で見ると20cm大の物が2個、40cm大の物が1個あった。
ちなみにゴールドが持っている物は20cm大の物で、これ1個でクリーンポーションが大体50個作成可能なのだ。
ナイキ達はアンモライト鉱石を持ってゴールドの元へやって来た。
「師匠、ついに手に入れました。」
「おおーっ、良くやったな。」
「はい、これをもらってください。」
「こんな大きな物をもらっていいのかい?」
「はい、師匠の協力なしでは、達成は不可能でしたので。」
「いや、お前達3人はよくやった。
神ムーン シルバー様もきっとお喜びだ。
それでお前達は、このアンモライト宝石を如何するつもりなのだ。
オークションにかけるのなら、その手配をしてあげよう。
2個で20万ロムだぞ。
これで冒険の資金には困らなくなるだろう。」
20万ロムは現代価値で600万円だ。
「いえ、お師匠様。私達はこれでクリーンポーションの作成の研究をするつもりです。」
「売らないのか?」
「はい、冒険者にとって、クリーンの魔法は必要な物です。
ライオスと一緒の時は、クリーンの魔法をかけてもらっていたのですが、今ライオスはいません。
改めてクリーンの魔法の必要性を実感しています。
このアンモライト鉱石を使ってクリーンポーションの作成を目指したいと思います。」
「頑張りなさい。」
「はい、お師匠様。」
「ロカ、アリアナの魔法の訓練はどんな感じですか?」
「はい、毎晩眠る時、私が風魔法の魔力を流しております。」
「アリアナ、意識を無くす時の感じはどんな感じですか?」
「はい、何も感じなく、ぐっすりと朝まで眠っています。」
「そうですか、しっかりやりなさい。」
「はい、ありがとうございます。」
それからしばらく、ナイキとロカはクリーンポーションの作成に全力を注いだ。
その間、ロカはアデリナの魔法訓練も隣で行った。
1ヵ月後、2人は劣化クリーンポーションの作成に成功した。
本来のクリーンポーションは邸ごとクリーンにする力があるのだが、劣化クリーンポーションは範囲が人間1人ぐらいしかクリーンに出来ない物だった。
それでも効果自体は身体から服までピカピカになった。
二人は実験の為、冒険者学校の生徒に劣化クリーンポーションを渡した。
劣化クリーンポーションを使った冒険者学校の生徒は、「まだあるなら売ってくれないか?」と言って来た。
それでゴールドに相談した。
ゴールドの答えを聞いて二人は驚いた。
1個、6,000ロム。現代価値で18万で販売しなさいと言われたのだ。
ゴールドは前世の知識から材料費が3割、人件費が4割、利益が3割にしなさいと2人に言った。
材料費がアンモライト宝石は1個10万ロム。
これから計算して1個6,000ロムとした。約50個作れるので30万ロム、現代価値で900万円の売り上げとなる。
「しかしお師匠様、私達のクリーンポーションは劣化ポーションですよ。」
「今はそうだが、直ぐお前達なら上達してクリーンポーションが作れるようになるだろう。」
ゴールドの言葉である。
ナイキとロカは冒険者ギルドの販売所において6,000デジタルロムで販売を開始した。
流石に一般の生徒は買わなかったが、アナリーゼ達やラオール達、アルフレッド、クロスフィールド達トップ冒険者達はこぞって買って行った。
そして稼ぎを伸ばし、ダンジョンの攻略も先に進んだのだった。
この噂は瞬く間にベラドンナとロベリア領都の兵士達に伝わって行った。
そして騎士達も皆買ったのだった。
またアナリーゼはユリアからクリーンの詠唱を教えてもらった。
ユリア曰く。ポーションを降り掛けた後、クリーンの魔法の詠唱をする事で、効果がより具体的に、そして広い範囲に効果を及ぼすと教えてもらった。
それでダンジョン内で劣化クリーンポーションを使った時、詠唱してみた。
「ユグドラシルのフェアリー、ブラウニーに命じる。我々の身体を清潔にせよ。クリーン。」
詠唱した瞬間に光の玉がチームメンバーの周りを駆け巡りだした。
そしてバラの香りと共に身体と服、武器に防具まで綺麗になったのだった。
これが冒険者学校で知られると、チームで1個買うようになった。
兵士達も小隊に1個買って行ったのだ。
あっと言う間に、ナイキとロカは30万ロムを手にした。
1週間のリポップ期間が過ぎると12階層にまたアタックした。
3個のアンモライトを採取してゴールドに1個渡し、60個の劣化クリーンポーションを作って販売した。
前回買えなかった人達が急いで買って行ったので、今回も直ぐ売り切れた。
また1週間のリポップ期間が過ぎて12階層にアタックした。
しかし湖の底にアンモライト鉱石は無かったのだ。
ナイキとロカはゴールドに報告しに言った。
「お師匠さま、湖の底にアンモライト鉱石がありませんでした。ダンジョンに異変が起きたのでしょうか?」
「ナイキ、ロカ、すまない。お前達は冒険者学校でクリーンポーションについての報告書は読んだか?」
「いえ、読んでおりません。」
「お前達が作った劣化クリーンポーションだが、ユリアが詠唱すると効果範囲が広くなるとアナリーゼに教えたそうなのだ。
私も知らない事だった。
それを聞いたアリスが自分もクリーンポーションを作くると言い出したのだ。
そしてお前達より先に12階層の湖に潜り、アンモライト鉱石を採取して来たのだよ。
今クリーンポーションの作成中だ。」
「あのお師匠様。アリスさまはポーションの販売をなさるのでしょうか?」
「アリスはそんな事に興味はないよ。」
「それでは何故、クリーンポーションをお作りになっておられるのでしょうか?」
「クリーン魔法もクリーンポーションも冒険者にとっては優れものだ。
冒険者だけでなく、長期に旅をする者にとって必要な物なのだ。
しかし、アンモライト鉱石は中々手に入らない物なのだよ。
今回、お前達が採取出来たのは、素晴らしい事なのだ。
アリスはクリーンの魔法覚醒を思いついたのだ。」
「それは、如何言う事でしょうか?」
「魔法の覚醒は、その身で魔法を受ける事が一番なのだ。
クリーンポーションを振り掛ける事だけでは無理だが、クリーンの魔法を詠唱してクリーンポーションを使えば、魔法をその身で受けたのと一緒になる事に気付いたのだ。
それで自分で150個のクリーンポーションを作って自分に毎日使うつもりなのだ。」
「なるほど、では私達もそうすれば、クリーンの魔法に覚醒するのでしょうか?」
「それは分らない。
素質があれば覚醒するし、なければ覚醒はしない。
それにお前達には無理だが、1,000年か2,000年続ければ覚醒はするだろう。
これは神ムーン シルバー様のお言葉だ。」
「素質があれば私でも覚醒するのですね。」
「ナイキよ、お前はいつも前向きだな。そこがお前の良い所なのだが。」
「では、今日から私達もクリーンポーションの販売を止めて、クリーン魔法の覚醒に使います。」
「いや、販売は続けなさい。人々の為だ。特に冒険者の為でもある。」
「分りました、そう致します。」
「お師匠様、一つ疑問があるのですが、教えて下さい。」
「何だ、ナイキ?」
「はい、アリス様はどうして、こんなに素早く湖からアンモライト鉱石を採取出来たのでしょうか?私達もかなりのスピードで12階層へ到達したつもりだったのです。」
「ナイキ、今から12階層に行って、この指輪を着けて湖に潜ってみなさい。」
「この指輪は何なのですか?」
「これは人魚の指輪だ。」
「人魚の指輪?」
「この指輪を着けて、全力で湖の底へ向かって泳いで見なさい。水中呼吸のポーションは飲む必要はないぞ。」
「この指輪には水中呼吸のポーションの効果があるのですか!!!」
「でも、ピラニアンは凄い速さで、麻痺毒の歯を持っていますよ。」
「ナイキよ、潜れば私が言っている意味が直ぐ分るはずだ。」
「分りました。今から行って参ります。」
ナイキとロカは2人で12階層にやってきた。
ロカがサーチと空間把握を湖に放つと15匹ばかりの魔物がいた。
「ナイキ、大丈夫だろうか!!」
「ゴールド様が言われるのだ。私が潜って見るから、私に何かあればお師匠様に知らせてくれ。」
「分った。」
ナイキは人魚の指輪を着けて、湖に入って行った。
身長より深くなった所で潜ってみた。
ゴールド様から全力で底を目指せと言われていたから全力で湖の底を目指した。
その瞬間に回りの景色がふっとび、湖の底へ到着していた。
全力を出したのだ。
人魚の指輪は全力だと水の中を時速120kmの速さで泳ぐ事が出来る。
ナイキは上を目指して、また全力で泳いだ。
ロカからは湖からナイキが空へ飛んだように見えた。
20mぐらい空へ飛んだのだった。
ナイキ達はゴールドの元に戻って来た。
「お師匠様、よく分りました。これは凄い指輪ですね。」
「では、この指輪はお前達に与えよう。」
「えっ、こんな凄い指輪を頂けるのですか?」
「私が持っているより、お前達がもっていた方が、この指輪も活躍の場があるだろう。
それからこの指輪には水中呼吸のポーションと違って、時間の制限がない。
何時までも水中に潜っていられるぞ。
水中で楽々生活が出来る。
普通に食事も出来る。
また、これを海で着けていると、いつか人魚に会えるだろう。」
「お師匠様、人魚とは御伽噺の生き物ですよね。」
「そうだが、私達は人魚に会った事があるのだぞ。」
「本当ですか!!!」
「その人魚からその指輪はもらった物なのだ。覚えておきなさい。」
「はい、ありがとうございます。」
こうしてナイキ、ロカ、アリアナの3人は12階層でアンモライト鉱石を採取しながら、クリーンポーション作りに専念して行った。
アリアナは魔法の修練だ。
最初にクリーンの魔法に覚醒したのはアリスだった。
アリスは広場に出て、泥んこになってはクリーンの魔法の詠唱をした。
クリーンポーションを50個使い、7日目にして生活魔法Lv3クリーンに覚醒した。
サンターナもアリスの覚醒を見て、自分も泥んこになろうとしたが、ゴールドにお願いして生活魔法Lv3クリーンの魔力を流して貰った。
バラの花の匂いに包まれて、幸せそうに眠りについた。
こちらも7日目にしてクリーンの魔法に覚醒したのだった。
レベルが4,268もあると魔法の覚醒も早いようだ。
次にナイキとロカが2ヶ月後にクリーンポーションの作成に成功した。
このクリーンポーションの凄さに最初に気付いたのは、またアナリーゼだった。
アナリーゼはこの頃、冒険者学校の校長をしていた。
それで家をアミーネ、タンブレロとサルタナ、ネステロフの3人で借りて住んでいた。
最初、家を借りた時、報告を兼ねてユリア姫を家へ招待した。
学食からクレープと炭酸入りラモン氷ジュース、お店から買った蜂蜜を用意してお茶会へ招待したのだ。
しかしユリア姫が到着した頃には炭酸は抜けて、氷も解けていた。
アナリーゼはユリアの前で水を氷に変え、炭酸入りボンベから炭酸をユリア姫のコップへ入れたのだ。
「あら、アナリーゼ、貴女凄いわね。」
「お解かりになられるのですか?」
「それ、水魔法Lv6リキッドメニピュレイションでしょう。」
「はい、そうです。」
「ゴールドに習ったの。」
「はい、そうでございます。」
「そう言えば、貴女水魔法頑張っていたものね。レベル5だったかしら。」
「はい、そうです。今回、校長を引き受けるに当たり、ゴールド様が2つ、ご褒美をくださると言われたのです。」
「ゴールドらしいわね。」
「はい、それでゴールド様は氷魔法をお前に授けると言われました。
氷魔法は水魔法Lv6液体操作を覚えて、水へ熱を加えてお湯にしたり、水から熱を奪って氷にしていると覚醒すると言われ、私に水魔法Lv8ウォータードラゴンをかけて下さりました。
水魔法Lv8ウォータードラゴンは確かエリアヒールとエリアシヤナクの効果だったかしら。」
「はい、全体回復魔法と全体呪い解除魔法の複合魔法です。」
「貴女、ゴールドから斬られたの?」
「はい、斬られました。そして1回で覚醒したのです。その氷はその報告も兼ねています。」
「よく頑張ったわね。」
「はい、ユリア師匠のお陰でございます。」
「それで炭酸のその樽は如何したの?」
「これは2つ目のご褒美です。」
「えっ、ゴールド、そんな物までつくれるの!!」
「今度、私も作ってもらう事にするわ。教えてくれてありがとう。」
「いえ、私の今があるのは、全てお師匠様のお陰です。」




