ライオスとアデリナの結婚式
「アネリーゼ、ロッテルダムさん、こちらに来ていただけますか? 」
アネリーゼはライオスに呼ばれて驚いた。初対面なのだ。
それに一昨日から熱がある。
途惑っているとライオスがアネリーゼの前にやって来た。
「アネリーゼさん、貴女は風邪をこじらせています。医者には見てもらっていますか?」「はい、薬をいただいています。」
「それでは貴女は無理のしすぎです。
このままでは、倒れてしまいますよ。
今この国は復興の途中で忙しいのは分りますが倒れてしまっては回りの人々も困ります。今日は特別です。
これも神ムーン シルバーさまのお導きでしょう。
アドリアナ姫、こちらに来てください。
これから私がする事をしっかり見ていてください。」
「はい、分りました、ライオス様。」
アドリアナにはライオスの素性が分っているようだ。
ライオスは異空間収納袋から聖水を取り出し、アネリーゼに1回、2回、3回と降り掛けた。
3回目にアネリーゼは太陽の光のように輝き出し、3分ぐらいでその光りは消えた。
そして、そこには健康そうな美人が立っていた。
「あっ、身体が軽くなりました。」
「無理をなさらないようにして下さい。」
「ありがとうございました。」
「アドリアナ姫、見ましたか?」
「はい、しっかりと見ました。その水から立ち上がるうす青色の魔力の小さなきらめきが見えます。」
「では、私の神からの仕事は終わりです。」
「ありがとうございます。」
「アドリアナ、如何いう事だ?」
「はい、ライオス殿も神の言葉が聞えるのです。」
「神の言葉?お前と同じだと言うのか?」
「はい、同じです。」
「アデル王様、アドリアナ姫はこの国を助ける姫になられます。今のは、その第1歩です。」
「アデル王よ。」
「はい、使徒様。」
「明日私が2人の結婚式を教会で執り行う。そのつもりでいてください。その時、もう一組、アンリ王子とカトリーナの結婚式も行います。アイゼン殿、よろしいか?」
「はい、ありがとうございます。」
「おとうさま。」
「よかったな、カトリーナ。幸せになるのだぞ。」
「はい、おとうさま。」
「叔父上。」
「アンリ殿、娘をよろしく頼むぞ。」
「はい、幸せにいたします。」
翌日になり関係者一同は教会の中で結婚式の始まりを待っていた。
しかし教会の外には大勢の人々が噂を聞きつけて詰め掛けていたのだ。
天空の使徒さまが帰って来られた。
神に代わって、この国を祝福されるらしい。
神に選ばれたのは、アンリ王子とアデリナ姫らしいと。
ゴールドは祭壇の前に進んだ。
ライオスとアデリナ、アンリとカトリーナは回りの人々の中を祭壇に歩いて進んだ。
ゴールドは跪いた。
「おおっ、神よムーン シルバー様。貴方の使徒のお願いをお聞きください。この者達に神の加護を与えたまえ。」
その瞬間に天からゴールドに光りの矢が刺さった。人々は驚いた。
「ああーっ、使徒様。」
しかしその光りの矢はゴールドの中に吸収されて行った。
ゴールドはうす青色の光りの粒を発しだした。
その光はライオスとアデリナ、アンリとカトリーナを包み、最前列に座っていた8人まで包み込んだ。
光りが消えるとゴールドは立ち上がった。
「新郎ライオス、あなたはアデリナを妻とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「誓います。」
「新婦アデリナ、あなたはライオスを夫とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「誓います。」
「では誓いの指輪の交換をしてください。」
ライオスがアデリナの指に嵌めたのはブリリアンカットされたダイヤの指輪だった。
ライオスの指輪は金の指輪だ。
どちらの指輪にもパーフェクトヒールが付与されている。
この後、アンリ達の式を行い、指輪の交換をした。
これにて結婚式を終わります。
「先ほど神の光りを浴びた人々には神の加護、無病息災が与えられています。この者達は一生涯病気に掛からないでしょう。」
「おおーっ、凄い加護です。」
ライオスとアデリナは教会を出て、城まで歩いて帰って行った。
教会の外には埋め尽くすように人々がいた。
2人が外に出ると、人々の道が出来上がった。
アンリ達も遅れて帰って行った。こちらは馬車だ。
アデル王と一緒に馬車で帰ったのだ。
「アンリよ、おめでとう。」
「父上、ありがとうございます。」
「カトリーナもおめでとう。」
「アデル王様、ありがたき幸せでございます。」
「今日からは父と呼んでくれ。」
「あっ、お父さま。ありがとうございます。」
「後はアビゲールが結婚してくれるといいのだかな。」
「兄上は復興の陣頭指揮を執っておられますので、中々暇がございません。」
「暇がなくても結婚は出来るだろう。」
「父上、兄上の理想の女性はユリア姫なのですよ。」
「えっ、そうなのか?」
「はい、一目惚れだそうです。」
「流石にユリア姫は無理だろう。」
「はい、兄上も分っておられます。それで仕事に集中しておられるのです。兄上は真面目ですからね。」
そして晩餐会になった。
アデル王に最初に挨拶に行ったのは、アデリナとライオスだった。
「おとうさま、今日はありがとうございました。」
「アデリナ、綺麗になったな。」
「まあ、お父さまったら。」
「父上、本日はありがとうございました。」
「ライオスよ、娘を頼むぞ。」
「はい、私ライオス、ナトニアはアデリナ姫を幸せにします。」
「ああっ、頼むぞ。
えっ、ライオス、ナトニア!!!
お前は、いや違う。
貴方はライオス、ナトニアと言われるのか!!」
「はい、ライオス、ナトニアでございます。父上。」
アデルは椅子から立ってライオスの前に来た。
ナトニアの新しい王、若き神王と呼ばれる王がいる事は聞いていた。
「貴方がナトニア王なのか!!!」
「はい、私はナトニアの王を務めております。」
「これはご無礼仕った。アデリナは知っているのだな。」
「はい、お父さま。」
「アンリやナウマンも知っているのか?いや、知っているのだろう。」
「お師匠さまが言われたのです。もしアデル王がライオスを認めなかったら結婚は諦めるようにと。」
「アデリナはそれを承知したのか?」
「ライオスは使徒様の弟子ですよ。お父さま。
まあ、最初にアダマンタイトのナイフを差し出したのには驚きましたが。
使徒様を見たらニコニコしていらしたのですもの。」
「父上。隣の国です。いつでも何かあれば駆けつけます。」
「何もなくても父親は娘に会いたいものなのだ。」
「では、直ぐお顔を見せに参ります。」
「よろしく頼むよ。わが子、ライオスよ。」
「はい、父上。」
翌日ゴールド達はナトニアに飛んだ。
アンリとカトリーナはゴールドが帰るまで、王都で待つ事になった。
晩餐会は夜遅くまであり、全員倒れるように眠りについたのだ。
翌日アンリとカトリーナはアドリアナと共に教会にいた。
教会の慈善事業に参加する為だ。
アンリはあれから修行をしてレベル52になっていた。
風魔法Lv5 水魔法Lv3 回復魔法Lv3 聖魔法Lv1 空間魔法Lv1だ。
カトリーナもアンリから魔法を習い風魔法Lv2 回復魔法Lv2に覚醒しているのだ。
レベルは20だ。
本来の仕事はアデリナがしていたように医学、薬学を学んで月に2回、慈善事業をして腕を磨く事なのだ。
しかし何時頃からか王都の人々もこの時ばかりと集まってくるようになった。
この慈善事業について来たのだ。
20人ぐらいの若手の医師が並んで、診察したり薬を渡したりしていた。
アドリアナも端の方の机にいた。
その後にアンリとカトリーナも手伝いの為に来たのだった。
しかしだ。アドリアナの客、いや違う患者の列が他の所より3倍ぐらい並んでいるのだった。
最後の患者など、到底診られそうにない。
それでアンリは最後の患者に他に行くように進めた。
「貴方のお名前は何んと言われる。」
「はい、私はタイラン、カサノバ32歳です。」
「本日貴方まで診るのは不可能です。他の医師の所に行かれた方が良いのではないですか?」
「いえ、私はただ診てもらえれば、それでいいのです。
以前毒で死に掛けたのです。50%の確率で死ぬと言われました。
その時、アドリアナ姫様の噂を聞いてここで診てもらったのです。
毒消しの薬も頂きました。その薬を飲んだ瞬間に毒が消えたのです。」
「それは凄いですね。」
「はい、姫様の薬は凄いです。ここにいる半分ぐらいは診てもらうだけに来ている者達です。」
アンリは、それからは黙ってアドリアナの後に立っていた。
アドリアナは診ただけで薬を渡した。
一言、二言、アドバイスを言って診察は終わって行った。
兎に角速い。
段々並んでいる列も少なくなって行ったのだ。
そしてお昼前には、診察を終えていた。
「アドリアナ。」
「はい、アンリお兄様。」
「お前の診たては、私の診たてとほぼ同じだ。しかし速い。何かこつがあるのか?」
「はい、お兄様。じっと見つめると、頭の中に症状と処方箋が浮かんでくるのです。
最初神の声と思っていました。
しかし段々、勇者様の声だと分ったのです。」
「勇者様の声?」
「はい、間違いありません。」
「そうか、ではもう一つの質問だ。お前の毒消しの薬は、何か特別な物なのか?」
「いえ、私の毒消しは教会の先輩医師から習ったもので、他の医師達と同じものです。しかし何故か100%の確率で治っているみたいです。」
「何か特別な事をしているのか?」
「いえ、特に何もしておりません。ただ、薬を作る時、人々の幸せを願って作っています。」
「そう言えば、ライオス殿も人々の幸せを願ってキスをすると言っておられたな。」
お師匠様の言葉で言えば、アドリアナは巫女なのだ。
まだ覚醒はしていなくても聖の力が働いているのだろう。
この日は、これで終了となった。
アンリとカトリーナは城へ帰って来た。
その夜、2人は初夜を迎えた。
「アンリ様。」
「なんだい、カトリーナ。」
「今日は凄かったですね。」
「ああ、我が妹ながら、いつも驚かさせられるよ。カトリーナはアドリアナの5つの願いは知っているだろう。」
「はい、クレープを食べた時、お聞きしました。」
「あの時、神ムーン シルバー様もあの場におられたとユリア姫様からお聞きしたのだよ。」
「神が!!」
「熊の人形がほしいとアドリアナは考えたらしい。
後はユリア姫さまが神ムーン シルバー様の声を聞いてアドリアナに言わせたらしいのだ。
あの時、私もいたから分るのだが、クレープなる食べ物など誰も知らなかったのだよ。食べた瞬間に神はゴールド様だと思ったものだ。
それほど美味しかったのだよ。」
「クレープは美味しいです。」
「今ではいつでも食べられるからね。」
「はい、嬉しいです。アンリさま。」
「なんだいカトリーナ。」
「私は始めてアンリ様とお会いした時から好きになったのですよ。
あの時は、あと少ししか生きられないと思っていました。
今回、アンリ様の身の回りのお世話をする侍女を探しているとナウマン様から聞いた時、父に頼んで私を侍女にして貰いました。御側にいたかったのです。」
「私もカトリーナが側にいてくれて良かったと思っているよ。
ゴールド様の修行は厳しいものだった。
そんな時、カトリーナがいてくれて励ましてくれ嬉しかったのだよ。
あの時から本当に好きになったのだと思う。
愛しているよ、カトリーナ。」
「わたくしもです、アンリさま。」
アンリは身長175cm、金髪ですらっとした身体をしている。
王族のナイトガウンを羽織っている。
カトリーナは身長160cm、水色の髪が腰まで届いている。
まだ胸は小さく絹のネグリゼェを着ている。下着は白色だ。
ほぼ1年間、2人は同棲生活をしていた。
何度もアンリの裸は見ていたし、アンリもカトリーナの裸を見ていた。
一緒の部屋で生活していたのだ。
いつもアンリは倒れるように帰って来た。
それをナウマンとカトリーナで支えて食事をしたり、身体を拭いたりしていたのだ。
しかしキスはまだした事がなかった。
アンリはカトリーナの唇に少し触れてみた。
柔らかく、プニプニッとした感覚が伝わって来た。
そのままお姫様だっこしてベッドに運んだ。
キスをして絹のネグリゼェをはぎ取った。
カトリーナの白い胸が静かに上下した。
「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」




