ライオスの結婚承諾
槍術Lv1に覚醒したアデリナは槍の構えから違って見えた。
腰が据わって安定した構えになった。
アデリナは槍でグールと戦った。
グールが迫って来た所に突きを放った。
グールの身体に穴が開き、そこから光りの粒となって空へ消えて行った。
30匹のグールを2人で倒してアデリナがレベル20上がり、ライオスは10上がった。
そしてライオスは槍術がレベル5になりアデリナはレベル2になった。
ゴールド達は94階層に降りた。
94階層はジャッカルゾンビだ。動きが速い。
ここは遠距離から攻撃する事にした。
ライオスがサーチと空間把握を使い、ジャッカルゾンビを探し出し、アデリナが聖水を飛ばして倒して行った。
草原において100mの距離で見つけた時はライオスがホーリーアローで仕留めた。
レベルは3匹倒して1上がる程度になった。
それでもアデリナはレベルが7上がり、ライオスは3上がった。
95階層にはゴーストがいた。
ゴーストは炎の玉だ。動きは遅い。しかし岩や木々を素通りして襲ってくる。
まあ、しかしだ。ライオスとアデリナには全く関係なかった。
動きが遅いと、それだけで2人には止まっているように感じられた。
ほぼ2倍のステイタスなのだ。95階層はサクサクとクリアしていた。
そして96階層へ降りた。
96階層にはミイラがいた。
ここは、また遠距離からの攻撃に変えて進んで行った。
ここもサクサクとクリアした。
97階層へ降りた。
97階層にはヘルコングゾンビがいた。体長5mもある腐った大猿だ。
ここは槍の出番だ。
全部で10匹前後が出現する。
体長5mもあれば、いくら林と森の中でも槍を投げて外す事はない。
ライオスのサーチと空間把握を使って敵を見つけては槍を投げてクリアした。
98階層はドラゴンスケルトンだ。
ライオスのサーチと空間把握を使って、先に見つけてライオスとアデリナ2人で槍を投げた。
アデリナの槍が魔石に当たり、ライオスの槍は胴体の骨に当たった。
体長30mの骨が光りの粒になるのに時間は10秒と掛からなかった。
99階層にはシャドーバタフライがいる。
小さく分裂する前に倒さなくては厄介だ。
アデリナが聖水の玉を同時に3個操って、シャドーバタフライの真上に浮かせた。
その聖水の玉をライオスが風魔法で攪拌して聖水の雨をシャドーバタフライに降り掛けた。
シャドーバタフライは3匹いた。
3匹とも、この方法で倒して100階層に降りた。
降りて直ぐ二人は槍をファイアドラゴンに投げつけた。
槍は2本ともファイアドラゴンの身体を貫通して林の中に消えた。
ゴールドは100階層のダンジョンドアを空けた。
そこは50m四方の草原で、草原の真中に小屋が建っていた。
ゴールドは小屋のドアを開けた。
そこには妖艶な女性が魂の様な玉をかじっていた。
「美味しいわ!!」
「こんにちは。」
「えっ、誰。あっ、ゴールド。」
その瞬間に妖艶な女性は消え、幼女の女神様がいた。和音様だ。
「ご無沙汰してました。」
「いいのよ、人々が沢山訪れて嬉しい限りだわ。」
「喜んで貰えて私も嬉しいです。」
「あら後の2人がクリアしたのね。」
「はい、そうです。」
「ではクリア報酬を上げるわ。初回ではないので1個づつね。そのベッドの宝箱の中に入っているわよ。」
「ライオス、お前は剣を貰え。アデリナは指輪を貰いなさい。最初に手にした者の言う事は聞くように出来ている。効果は後で教えてあげよう。」
「はい、お師匠さま。」
ライオスは宝箱から剣を取った。
アデリナは指輪を手に取った。
「アデリナ、指輪を指にはめてみなさい。」
「ぴったりです。」
「よし、指輪に認められたな。和音様、私達はこれでお暇します。」
「そう、早いわね。ずっと居ていいのよ。」
「また、ここを離れる時、会いに来ます。」
「そう、仕方ないわね。待っているわよ。ちょっとだけ、抱っこしてね。」
ゴールドは和音さまを抱っこした。
その瞬間にエネルギーを吸い取られた。
「ああっ、やっぱり凄く良いわ。イッちゃいそうだわ。」
「では、失礼します。ライオス、その剣を抜いて1階層、ワープと唱えよ。」
「はい、お師匠さま。1階層ワープ。」
その瞬間にゴールド達は1階層のダンジョンドアの前にいた。
「ライオスよ、明日アデル王にお前達の結婚の許しを貰いに行く。そのつもりでいなさい。」
「はい、よろしくお願いいたします。」
2人は、はもっていた。
「神ムーン シルバー様は心優しい子孫繁栄の神だ。きっとお前達の恋は成就するだろう。」
ゴールドは2人と別れて、その足でアンリ王子の元へ跳んだ。
アンリは執務室にカトリーナとナウマンと3人で居た。
アンリの目の前にゴールドは現れた。
アンリは落ち着いたものである。
「勇者様、よくお出で下さいました。今日はどんな御用でしょうか?」
「先ずはこれだ。」
ゴールドはアダマンタイトのナイフを2本取り出した。
「勇者様、これはアダマンタイトの宝石ではないですか?」
「おおっ、アンリもこれがアダマンタイトだと分るのですか?」
「はい、王家の宝物庫で見ました。
兄アビゲールが王太子になる時、一緒に見せてもらったのです。
世界で1番硬い宝石で、どんなものでも傷をつけられない宝石としてアビゲールが王になる時に身に付けるものだそうです。」
「これは持っているだけで、魔力操作が出来やすくなる効果があるのだ。これをお前とロカに渡す。ロカにはアンリから渡しなさい。」
「はい、分りました。
しかし勇者様、これは大体どれ位の値段がするのですか?
アビゲールが父に尋ねたのですよ。
この宝石の値段はどれぐらいするのでしょうかと。
父は大体1,000万ロムなら直ぐ売れると言ってました。
あの指輪の20倍ぐらいの大きさがあります。」
「材料費が1億ロム。後工賃だな。
しかしこのローム王国では作れないぞ。
これはドルモアの父が作った物だ。
高位のドワーフしか作れないものだ。
その内、ドルモアが作れるようになるだろうが。
もう一つの用事は明日、ローム王都に行く。
ライオスがもう直ぐ帰る事になる。
ライオスはアデリナを連れて帰るつもりだ。
それでアデル王に結婚の許可を貰い、その場で結婚式をあげさせるつもりなのだ。
それでアンリよ、お前はどうなのだ。
カトリーナと結婚をする気があるなら、一緒に明日連れて行こう。
そしてアデル王に許可を貰って結婚しなさい。
カトリーナ、貴女はどうですか?」
「私は嬉しいですぽっ♡」
「では明日迎えに来ます。ナウマン殿も一緒に王都に行かれますか?」
「はい、お供させてください。」
「では準備をしていて下さい。ワープ。」
ゴールドは拠点の邸に帰って来た。
ユリアが最初に気付いて抱きついた。
「ゴールド、長かったわ。」
「ごめんよ、明日王都へ行く事になった。一緒に行こう。」
「ふふっ、嬉しいわ。」
その時シンフォニーが飛んで来た。
そのままゴールドに抱きついた。血は吸わなかった。
アリスとサンターナもやって来た。
ゴールド達は夕食を食べて早めに眠りについた。
翌日になり皆で朝食を食べた。
「ナイキ、お前は王都へは行かないのか?」
「はい、私はここで訓練をしています。」
「今どんな訓練をしているのだ?」
「はい、たんぽぽ先生を相手に訓練をしています。」
「そうか、頑張りなさい。」
「はい、頑張ります。」
ゴールド達はアンリの邸の前に飛んだ。
アンリ達は直ぐ気付いて外へ出て来た。
「カトリーナ。」
「はいアデリナ様。」
「貴女も結婚するそうですね。」
「はい、本当に結婚出来るなんて幸せです。」
「貴女達の婚約は戦いの最中だったですものね。
あの時は、生きられるかも分らなかった時でしたね。
よく生き残ったものですね。感慨深いものがあります。」
「では、飛びますよ。」
ゴールドは王都の城の謁見の間に飛んだ。
そこにはアドリアナがいた。
アドリアナはゴールドを見つけると走って抱きついた。
ゴールドは抱っこしてあげた。アドリアナも11歳になって少し大きくなった。
「使徒様。」
「あっ、アデル王、挨拶が遅れました。」
「いえ、今回は娘の結婚を決めていただいたと聞きました。相手はどなたでしょうか?」「はい、私の弟子でライオスと言います。」
「ライオス、こちらがアデル王であられる。」
「私はゴールド様の弟子でライオスと申します。」
「貴方が娘の相手ですか!!
使徒様の進められる相手なので力があるのでしょう。
しかし父として、貴方の力を見せて貰いたい。
娘を安心して預けられる人物か?この目でみたいと思う。」
「はい、分りました。先ずはこの短剣を王家へ捧げます。」
ライオスはゴールドから貰ったアダマンタイトのナイフを取り出し、アデル王に差し出した。
これには周りが驚いた。
全員この値段も貰った経緯を知っているからだ。
ゴールドは何も言わなかった。ニコニコ顔だ。
一番驚いたのはアデル王だ。
一目でアダマンタイトの宝石だと分った。
こんな大きな宝石など見た事もなかったのだ。
アデルは思った。使徒様の弟子だと名乗ったが、何処かの国の王子なのかと。
じっと見つめていたら、ライオスが言った。
「アデリナ姫を守る力をアデル王にお見せいたしたいと思います。何方か私の剣の相手をしてもらえないでしょうか?」
「ヘンドリクス将軍、相手をしてあげよ。」
「王様、私ではあまりにも可哀想です。私の部下に相手させましょう。」
ヘンドリクス、ロドス35歳。レベルは30だ。
ナウマンと一緒にゴールドに助けて貰った騎士だ。
このロームではナウマンの次に強い騎士だった。
しかしナウマンはベラドンナに来て、ダンジョンに入り今ではレベル45まで上がっていた。
前は32だったのだ。
「ヘンドリクス。」
「はい、ナウマン様。」
「遠慮はいらない。倒すつもりで相手をしてあげなさい。貴方が認めれば、それで王もお認めになるだろう。」
「はい、分りました。」
ヘンドリクスは謁見の間の中央に出て剣を構えた。
自分が認めてあげれば、アドリナ姫が結婚出来るのだと思っていた。
どう見ても、アドリナ姫がライオスを好きだと態度と雰囲気で分るのだ。
自分が見てもライオスは好青年だ。
「お願いいたします。」
「おう、かかって来なさい。」
ライオスは剣を抜いた。
ヘンドリクスは後に飛んで、間合いを切った。
えっ、自分は震えているのか?
相手はただ剣を構えて立っているだけだ。
しかしだ、剣の威圧がひしひしと伝わってくる。
使徒様の弟子!!
あの使徒様の弟子なのだと改めて思い知った瞬間だった。
ヘンドリクスはその場に膝をついて「まいりました」と言った。
「ヘンドリクスよ、手を抜いているのではないのか?」
「アデル王様、私の代わりにこのライオス殿に一太刀打ち込んだ者に私が金貨10枚を差し上げましょう。」
「将軍、本当ですか?」
「ああ、本当だ。」
「では、私にやらせてください。
アデリナ姫はこのローム王国の兵士達にとって憧れの姫なのです。
何処の者とも分らない者には渡せません。」
「そうだ、そうだ。」
回りの近衛騎士達も騒ぎだした。
「よしお前に任せよう。一太刀でいい。しっかりやりなさい。」
「はい、では参ります。私はタクシン、ロトルア25歳。近衛兵士です。」
タクシンは剣を抜いてライオスと相対した。
タクシンにはライオスの強さが分らなかった。
タクシンは剣を上段に構えて、間合いを詰めライオスの左小手を本気で斬った。
そのまま斬られれば小手が斬り飛ばされていただろう。
ライオスは中段の構えだ。
ライオスはタクシンの剣を左に3cmぐらいの距離でかわして、剣を振り上げてタクシンの剣を2回切った。
タクシンの鉄剣は真中から1回切られ2回目に残りの半分を切られていた。
そしてタクシンの咽喉に剣をつけた。
「参りました。」
タクシンは膝をついた。
「アデル王様、彼の者は強いです。さすが使徒様の弟子でございます。」
「そうか、あい分った。ヘンドリクスよ、ご苦労であった。」
「ははっ。」
「ライオス、そちの力は分った。
しかし結婚を認めるのは、そちが使徒様の弟子だからだ。
それでなければ、何処の誰とも分らないそちへ、大事な娘を嫁にはやれない。
心に留めておけ。」
「はい、しっかりと心に留めておきます。」
「アデリナ、これでよかったのか?」
「はい、お父様。ありがとうございます。」
アデリナはアデルに抱きついた。ここを離れると思う心がそうさせた。
嬉しくもあり、寂しくもあったのだ。
ゴールドは今後は帰ろうと思えば、いつでも帰って来られるだろうと思った。
アデリナには力もあれば金もある。周りはか弱い姫だと思っているのだ。
「アデル王様。」
「何だライオスよ。」
「はい、最後にアデル王とアドリアナ姫に見てもらいたいものがございます。」
「アドリアナに見せたいものがあるのか?」
「はい、では少しお待ちください。」
ライオスはサーチを円場に放った。
その中から病気の女性を見つけた。
アネリーゼ、ロッテルダム22歳だ。
ライオスには病名までは分らないが風邪をこじらせているらしいと分った。




