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新たに叔母が見た夢では、わたくしと比良人さんの他に、あのエミさんと言う女性が一つ屋根の下で暮らしていたそうです。
そしてわたくしは、彼の伴侶と言うよりもお二人の客と言った風体だったようで。
つまりこれまで四年と少しの間行ってきた求婚は、無意味だったのです。
唯一許された未来をわたくしも夢見ていましたが、そんなものはなく。
……苦しみの理由は分かっています。
行いが無駄だった虚無感。
彼女を前にした敗北感。
そして、恋した相手を奪われた喪失感。
わたくしの使命は予知夢を実現させること。
ならば二人の間に割って入るのは許されないことです。
絶対に、してはならないのです。
「わたくしは、必ず家をっ、叔母や母を、守るんですの……っ」
しばらくベッドに沈んでいたわたくしは体を起こします。思考を整理して、やるべきことを思い出したのです。
汚い鼻水や涙は拭き取って、神楽咲咲を取り戻しました。
叔母が見た夢に辿り着くには、あの二人が幸せでいる必要がある。
しかし未来人の言によれば、世界からは誰の幸せもなくなっているようで。
わたくしに出来ることは何でしょうか。
神楽咲家の一人娘として、成せることは何でしょうか。
「……まずは情報収集。父の研究も知っておくべきでしょうか」
寝ている暇なんてありません。
あろうことか、夢を見ている暇なんてもっと。
わたくしには、果たすべき使命があるのです。
神楽咲家の娘として。
未来を知った者として。
そしてなにより、幸せになって欲しい人がいるから。




