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Find me ~俺に近づく三人が明らかに怪しい。~  作者: 落光ふたつ
第5話「計アdかdケd」
32/63

#3

defgh・

「それで、もういいんだよね?」


 その会話は、猪皮家の一室にて行われていた。

 六畳の空間に、勉強机とちゃぶ台が置かれた質素な部屋だ。

 向かい合っているのは同い年の男女。中世的な顔立ちをした少年——猪皮蒼と、一見地味な少女——夜風繋。

 二人の間に漂う空気は、どこか険しかった。


「いやっ」


 問いかけに対して猪皮蒼は首を横に振りかけ、しかしその返答は許さないとちゃぶ台が強く叩きつけられる。


「……いい加減にしてよ、おばあちゃん」


 夜風繋は、鋭い瞳で対面の少年を睨んだ。

 明らかに見た目とはそぐわない名称に、猪皮蒼は訂正をすることはなく、どうにか荒立つ相手を収めようと言葉を並べていく。


「え、えっとね、この時代じゃそんなに簡単なことじゃないし、それにっ、比良人くんだってそんな悪い人には思えなくて——」


 だがその語り掛けは、まどろっこしいと遮られた。


「おばあちゃんには、あっちがどれだけ大変か分かってないんだ!」

「あ、あたしだって見てきてっ」

「じゃあ!」


 夜風繋はまた、強くちゃぶ台を叩いた。

 膨らんだ大きな感情に、猪皮蒼は思わずビクリと肩を震わせたが、すぐに眼前の瞳から光が溢れているのを知って、愚かな自分を責める。

 どっちつかずで、どうにかなるだろう、と楽観する自分を。

 猪皮蒼はこの時、自分が抱く使命感は彼女に対して限りなく薄いのだと理解した。


「邪魔、しないでよっ。アタシは、絶対にみんなを助けるんだからっ」


 鼻声の少女の想いに、猪皮蒼は何も言えない。

「そのために……」

 だから、続く言葉を分かっていながら、遮る事も出来なかった。


「三付比良人を、殺す……!」


 その選択が正しくないと決めつけながらも、彼女(・・)は、やはり他を思いつけはしなかった。

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