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口説き落とした女性は1万に、俺に落ちない女はいない!

作者: 七瀬







俺に、落ちない女性は一人もいない!

今までの、ナンパ率は? 10人一人は俺に落ちる。

口が達者なのもあるけど? ちょっとルックスにも自信があるんだ。

甘いマスクに、身長180センチ以上、ガタイもよく。

爽やかなナンパさばき。



『ねえ? そこのお姉さん、今、時間大丈夫かな?』

『えぇ!?』

『少しだけ、少しだけでいいから、俺の話聞いて!』

『・・・でも、今から友達に会うから、時間がないんで。』

『本当、ほんと! 少しだけ、俺さ今日しかお姉さんに会えないじゃん!

でも、その友達はいつでもお姉さんと会えるよね? だから、少しだけ、

ねえ? いいでしょ!』

『もう、時間ないんです、ごめんなさい。』

『いやいや? じゃあ、こうしようよ! LINE交換だけしょうよ!

それなら、後で俺からLINE送るから! ねえ、それならいい?』

『えぇ!? まあ、分かりました。』

『ありがとう、後でLINE送るね。』

『じゃあー!』

『うんうん!』






・・・まあ、殆どLINE交換なんかしても。

無視されたり、既読もつかない時もあるのだけど。

たまに、返事がかえってくる時もある。

その確率が、だんだんと上がっていた。

俺は、今絶好調に“モテ期”がキテいる!

ナンパした女性と会える確率も上がってお持ち帰りも最高潮!

俺と二人きりで会ってしまえば? 100パーセント落とせる

自信があるよ!

落ちない女性は、今まで一人もいないしね。

俺がナンパして、家に持ち帰った女性は俺に惚れてしまう。

俺に惚れたら? もう体の関係から抜け出せないよ。




・・・ただ、俺は好きな女性と本気で付き合った事がない。

今まで、高校の時に友達に誘われてナンパを始めてからは普通

の恋愛に興味がなくなってしまったからだ。

中学生までは、“片思いの女の子”が1人いたが結局、他の男

と付き合いだしてしまった。

きっと、俺がモタモタして彼女に何も言わなかったからだ。

後から出てきた男に、彼女を取られてしまう。

もう、あの時のような後悔はしたくない!

女の子を好きになる気持ちは分かるけど。

何も行動に移さなければ、相手にされない事もよく分かったよ。

少し気にいれば、それでいい!

好きかどうかなんて! どうでもいい事なんだ。

その時楽しければ、それでいいじゃないか!

俺は、“一夜の火遊びがデキれば”それでいいんだよ。

女性にそれ以上、何も望んでなんかないんだからさ。






・・・でも、ある日。

俺は、生まれて初めて“女性に一目惚れした”

ナンパのつもりが、俺は彼女に告白している。



『・・・あ、あのう、変な事を言うんですが、俺は君に一目惚れ

してしまいました。是非! 俺と友達からでいいので付き合って

くれませんか?』

『えぇ!? それって? ナンパですよね!』

『・・・あぁ、ハイ! でも、違います! 俺は本気で、貴女に。』

『ごめんなさい、私! ナンパする人が嫌いなんで、』

『俺は、本気なんです! 貴女に一目惚れしてしまって! 嘘じゃ

ないんです! 本気なんです。』

『大きな声を出さないで、さようなら、』

『・・・・・・』






・・・当たり前だけど。

ナンパする男に、女の子は本気で好きになんかならないよね。

俺だって、そんなのよく分かってる。

それでも、初めての事だし。

諦めたくなかったんだ! 勇気を振り絞って大きな声出して彼女に

告白して、通りすがりの人達が立ち止まって俺の彼女への告白を

にやにやしながら見ている。

俺も恥ずかしかったけど、あんなところで大きな声で俺に告白さ

れた彼女は、もっと恥ずかしかっただろうな。

俺だって、彼女の立場なら嫌だったかもしれない。

たださ、あの時言わかったら? もう二度と俺の気持ちを言えな

いと想ったから。

嫌われたら? もう会わない事が多いんだよ。

ナンパなんかしてたら? 余計にそうだ。

嫌われる事も多いし、嫌われたらいつものルートを変えればもう

俺と会う事がなくなる。

だから! 告るならあの時しかなかったんだ!





 *




案の定、俺が告った彼女とはあれから二度と会っていない。

3ヶ月経って会う事がないなら? もう会えないと思った。

俺も、彼女を初めて本気で好きになってナンパはやめた!

体の関係だけの女の子達とも、連絡を取るのをやめる。

もう、そんな生活に自分が飽き飽きしていたのかもしれない。

好きでもない女の子が何人いても俺の心は報われない。

俺は、“たった一人の女性に俺の事を好きになって欲しいんだと”

何十年も経って分かった事だ!

遅いかもしれないけど、それでも分かったから。

俺は、彼女を待つことにした。

無理に探す訳でもなく、見つけ出せたらいいなぐらいでね。

そしたら? 偶然、俺は彼女を見つける。

俺は、彼女にそっと話しかけた。

嫌われているのを覚悟してね。

そしたら? 彼女から意外な言葉を聞く。



『ねえ、お姉さん! 俺の事、憶えてる?』

『もちろんよ!』

『えぇ!?』

『ずっと、何処に居たのよ!』

『・・・い、いや? 真っ当な生活を送ろうと俺はナンパする事を

やめたんだよ。』

『えぇ!? それ本当なの?』

『・・・ううん。』

『“それって? 私のせい”』

『そうだよ! お姉さんが、初めて俺が一目惚れしたひとだったから。』

『他の女性とは、付き合ってないの?』

『女性関係は、全部消したよ! 携帯にも残ってないし会ってもない!』

『それも、私のせいだよね。』

『まあね。』

『・・・じゃあー“先ずは友達からはじめてみるのはどう?”』

『うん!』






やっぱり、俺に落ちない女性はいない。

ただ、一人の女性の為に今までの女性関係は捨てた。

この女性ひとの為だけに俺は愛そう。

俺は、そう誓ったんだ。




最後までお読みいただきありがとうございます。

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