第1話 私へのイジメ
――君が居なかったら、私はこんな思いもしなかった。――
居なければ良かった。でも――居なかったら私も居ない――悲しい現実だ。居ないで欲しい存在でも居なければならない。君のおかげで私は産まれた。でも、それでも居なければ良かった。私が産まれてすぐに死んじゃえばこんな事にはならなかった――。
私は天宮 奈美。小学6年になったばかりだ。私が憎んでいる人。それは、私のお父さんだ。5年の2学期、お母さんと友達のお母さんをナイフで刺し、殺した。私と友達の目の前で。何が起こったのかが分からなかった。友達は泣き叫んでる。その日から、私はいじめられる事になってしまった。お父さんが人殺しだから。最悪だ…。私は何もしていないのに。私だって『あいつ』が憎いんだよ!言いたいけど、私にはそんな勇気がない。前まで仲が良かった、友達も私を避ける。もちろん殺された母の子供もだ。何故殺したのかは分からない。…お父さんはろうや行き。私は行くところがなくなり、おばあちゃんの家へ行った。お母さんの方のおばあちゃんの所だ。私は憎いお父さんを育てたおばあちゃんの家に行く気はない。私の味方はおばあちゃんだけだった――。
転校はしない。おばあちゃんは校区内に住んでいるから。転校したって、噂が流れて同じようになるはずだし。それだったら、今のままの方がましだ。もうなれた。あの日から――ずっといじめられたから…。学校に行けば。
「わー来たぜー。来なくてもいいのにー。」
「ホンット!空気が汚れるー。」
大枝先生(女)だって、私をいじめる。
「はいこの問題分かる人ー?」
難しすぎて、小学生に解けない問題だって
「はい。天宮さん。」
大枝先生は私をあてる。手、あげてないのに。結局私は答えられずに笑いもの。先生にだって馬鹿にされる。
「こんな問題も分からないの?」
と。みんなには丁寧に説明。私はこういうのもうなれた。大枝先生まで私をいじめるとか。他の先生だって同じだ。校長先生だって私への態度がみんなと違う。この学校大丈夫か?っていうか、私は何もしてません。やっぱり言えないのが私だ。いつになったら終わるのだろう。中学に行くまでに終わらせなければ、もっと大勢に馬鹿にされる。先輩が怖い。
『あいつ』が憎い。『あいつ』のせいでこんな生活だ。元の生活を返して。本当に最悪だ。帰るときも一人だ。何故か、私の半径10メートルは誰もいない。何故かは分かってるけど。そこまでしなくっても…。私が帰ってる途中、かすかな黄色い光が見えた。私は走って光の近くへ行った。光はどんどん大きくなり、手のひらにのるような妖精(?)みたいのが出てきた。
「なに?なにこれ。だれ?」
私はてんぱっていた。私の手のひらには小さな人。羽根も突いている。
「あたしは、ルルだ。あんたには勇気が足りないんだね?」
「意味が分からない。」
確かに勇気は足りないけど…。私の周りには人が全くいない。小道なのだ。
「あんたはあたしに選ばれたのだ。喜べ、奈美。勇気を出して、言ってやりたいんだろ?」
「何故それを?」
本当に意味が分からない。願いを叶えてくれるのかなぁ
「勇気をだして言うのだ。応援してる。明日言うのだぞ。」
「それだけ?」
「それだけって?他に何かあるのか?」
私は思い当たるだけ言った。
「例えば…願いを叶えるとか、時を戻すとか…?」
「出来るわけないだろ!あたしは応援する妖精ルル様だ。」
やっぱ妖精ね…。応援するだけって、選ばれても嬉しくないし。出来るわけないって、諦めちゃってる…?私はルルを手のひらにのせながら歩き出した。家はもう少しで着く。
「他の人には見えないの?」
「そうだ。あんたにしか見えないよ。」
私たちはそれっきり、黙った。話すことがない。事情は知ってる様子だし。明日、頑張ってみよう。
次の日、ルルは私のポケットで見守ると言い、ポケットに入っている。何もしないくせに。学校についてもいつも通り。
「今日も来たのか?来るなよ。」
「邪魔なのよ。」
やっぱり悪口。飽きないわねー。私は勇気を振り締めて
「私がやった訳じゃない。『あいつ』がやったんだ!私は何も悪くない!」
私はハァハァ言ってる。これで…許してくれるよね…?教室内は一瞬シーンとなった。
「そう…だよね…。ゴメン奈美。」
「ゴメン。」
みんなが次々に言う。良かった。私はポケットの方を見た。…ルルが居ない。もう…帰っちゃった…?私は急に悲しくなってきた。たった1日しか、一緒に居なかったのにこんな悲しいなんて…。私は、勇気をもらったんだ。ルルに勇気をもらったのだ。…ありがとうルル。
これで終わったと思ってた。1時間目は算数だった。難しい問題がたくさん出る授業だ。私がみんなに言ったこと、先生は知らない。
「はい。これ答えなさい。天宮さん。」
「え…分かりません…」
「こんなのも分からないのですか?馬鹿ですね。」
先生はかわらなかった。最悪だ…。私がこう思っていると
「私も分かりません。」
「俺も。」
次々言っていた。かばってくれたのだ。
「奈美だけに難しい問題を出すのはどうかと思います。」
「天宮さんは、人殺しの子供。当然のことです。」
みんなは一気にざわついた。先生って最悪。先生も憎い。
イジメハ大枝先生ニノリウツッタ――




