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メイドさんも魔法使い




先輩が僕の才能の無さを長々と語っているとどうやら日が暮れたらしく先輩の直属らしいメイドが部屋を尋ねてきた。


「ベットは先輩と同じで大丈夫です。」


「寝室のご案内に来たんですけど大丈夫ですか? 頭の方が。」


ここの使用人が失礼なのはデフォルトのようだ。


「手を煩わせて悪いわねアイリス。 東、アイリスに変なこと言わないでね。」


「僕は先輩一筋ですよ。」


「そういうことじゃないわよ。」と心の中で言われた気がするが聞こえないふりをした。




移動中またも使用人達の訝しるような視線を背中に受けながら部屋の前に辿り着いた。


「後程お食事をお持ちしやがりますのでお待ちしやがりください。」


お持ちしやがるは百歩譲ってお待ちしやがるて何だと思いながら突っ込む気力も湧かなかったので黙る事にした。


部屋の中はなんて言うのかも知らない天蓋がある大きなベットが部屋の中央に配置しており。腰掛けて見るとそのまま吸い込まれるんじゃないかというくらいのふかふかさだった。


一応周りを見渡し誰からも見られてない事を確認後、ベットの上に乗り『よし』と放った後飛び跳ねてみる。


「お食事をお持ちしましたが、何をなさっているのですか? お客様?」


と口角をニヤリと引き上げ、口元に右手を当て、侮蔑の視線を向けるアイリスが立っていた。


さっき行ったばかりじゃん 早すぎだろ!


心の中の声が危うく漏れそうになった。 焦るんじゃない新道東。


ここで恥ずかしがれば一生こいつに今回の事で馬鹿にされ続ける人生になるかもしれない。 それが姫様の耳にまで届き。 『天蓋付きのベットぐらいで浮かれてるの? 失笑も出来ないわね(失笑)』


あれ?結構楽しそうかも。てか失笑してるじゃん。


考え直しここは開き直るの一択。


「ベットの上ではしゃいでいただけだが何か?」


「そうですか、キモイですね。」


心にひびが入った音が聞こえたが後でガムテで補強したら何とかなるだろう。 えっ?なるよね?


「先程までの無礼は許してください あなたここでは異常に嫌われているから余り親しくする所周りに見られる訳には行かなかったのよ。」


と敬語を崩してきた。


「敬語を崩した方が失礼に聞こえないてどういう事態だよ。 そして人が傷つくようなことをサラッと言うな。」


何?僕嫌われてるの? 彼女は僕の発言を無視して


「貴方の事はアルトリウスいや、万智様から聞いてるわ。 あなた万智様を幸せにする覚悟は出来ているのよね?」


「愚問だね。 それはもう決定事項だ。」


「命に変えても?」


「変えてもだ!」


そこまで言うと彼女は僕のことを上から下までマジマジと見つめ、


「あなたのことを信用にたる人物と判断して姫様を幸せにしようの会の特別missionteamに参加して貰います。」


不安の残るネーミングセンスだが、味方がいただけでと相当に心強い。 これはチャンスだ、先輩が教えてくれなかったことを質問してみよう。


「根本的な事を聞いてもいいか?」


アイリスはどうぞと続きを促してくる。


「彼女はなんで婚約を嫌がっている、そもそも何故婚約を、それに約束て、なんだ?」


アイリスは、質問は1つずつにしなさいよと言った後一つ一つに返答してくれた。


「万智様はね、天才的な魔術の才能を持っているのよ。 そしてそれは婚約相手の王子も。

相手国は恐らく絶対的な魔術の才能を持つ、ここラガルタの姫と自分のとこの王子が結婚することで同盟関係を結ぶ事でこの大陸での地位を絶対的な物にしたかったのでしょう。」


「姫様も最初は嫌がってなかっわよ、王族に生まれた時点で望んだ相手と結婚出来るなんて思っていなかったでしょうし、そんな相手が自分に出来るとも思っていなかったはずよ。 だから原因があるとすればあなたよ東。 」


背中がゾクッとした。 僕さえ彼女の前に現れなければここの国の人達、ましてや彼女自身そのまま平和に幸せに暮らせたんじゃないのか。


ここで彼女を救うということはそれはただの僕と彼女の盛大に国を巻き込んだ()()の物語なんじゃないのか?


彼女の次の一声でふと我に返る。


「約束については私達は何も知らないわ、そんなものがあること自体さっき知ったようなものだし。」


一旦ここは冷静になろう。 考えるのは後でいい。


「ありがとう。 じゃあそろそろ作戦について聞いてもいいか?」


「わかった。 と言いたい所だけどあんまり長居して変な疑いをかけられて作戦がバレ、結果邪魔が入るなんて事になったら最悪だから今日のところはここまでよ。 明日の朝来るから私が来る前に起きてなさいよ。」


メイドさんに朝起こされるという男子のささやかな願いを潰してから彼女は部屋を後にしようとする。


「最後に1ついいか?」


彼女はいいけど早くねと急かす。


「僕の魔法の才能て分かったりする?」


実はまだ諦め切れないものがあったのがあったのだ。


実は絶大な才能を秘めていたが僕が無茶をしないよう嘘をついたんじゃないかと。 改めて考えると全然ありそう。 てか、絶対そうだろ。


「へぇ驚いた。」


なっ! やっぱり僕には絶対的な魔力の才能が。


「これっぽっちもないはわね。 唯一適正があるのが、あのあらゆる魔術を1人で1世紀以上発展させたと言われ、今でも伝説が語り継がれている偉大なる大魔術師ジークフリートが死に際に『あの魔術の存在価値を知れなかったのが唯一の心残りだ』と呟いたで有名なユース魔術なんて。」


彼女が持ってきた蟹鍋の材料を鍋に移した後コンロ的なものに向かって指をパチンと鳴らし火をつけたのを恨めしそうに見ることが精一杯の強がりだった。



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