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その頃2

このまま書き続けるかちょっと悩んでいます。まあ、こういえば書くなというのが来そうですが私のメンタルが弱いため愚痴程度に流してください。

盗作スレに乗るのは時間の問題という感想が来たので感想を閉じらせてもらいました。そのことでこれ以上書いても意味がないとも思ったのですが、書いたので最後まで書きたいという気持ちもあります。書くなという意見以外でどうしたらいいでしょうか。

出来るだけ話をオリジナルのしていこうとしているのですがどうしても似たり寄ったりになってしまいます。ぶっちゃけるとこの後王都襲撃編があり、旅立ち編があるのですがこれも似てますよね? 何かアイデアがあれば教えてくれませんか。

まあ、これを読んで気分を害した方もいるかもしれませんが、私は本当にこの作品を最後まで書きたいと思っているので似たり寄ったりにならないようなストーリーにしたいのです。

よろしくお願いします。

本当にぶっちゃけるとこの次辺りで出てくるのですが地球に還る段階で複数人いることとなります。その複数人を集めるときに料理対決(ヒロインは一番おいしいものを探す王女)や余所の国で開かれる迷宮の踏破大会レースをしたりと考えています。更に迷宮はダンジョン系以外にいろいろと考えています。こういうのはオリジナルティーが出ていますか?

結構心労に溜まっているのでどうしたらいいでしょうか。

神子の方は少しずつ書いています。あちらも似たり寄ったりになっているでしょうか?

本当にこんな駄文すみません。ですが私は真剣にどうにかしたいのでよろしくお願いします。

 零夜置き去り事件から二か月ほどが経とうとしていた。現在迷宮に潜れる人材は騎士団十名とロイ団長、零夜が生きていると信じている白須と涼風、魔法師でありムードメーカーの郷原朱里、地図作製を買って出た長谷千草、壁役を買って出て零夜を見直した天宝治、そして同じ部の仲間三名、白須を狙う外道戸間四人衆、そして最後に下種勇者遊馬の計二四人だ。


 現在は四十層まで踏破することが出来ていた。四十層からは自然エリアとなり始めていた。レイヤは五十層からと思っているが本当は四十層から始まるのだ。


 四十層は過酷なエリアではなく、ゆったりとした河原エリア、河川エリア、森林エリア等と見晴しも良く魔物も少ない階層だ。だが、零夜が五十層よりも採取できるものが少なく、希少性もない地上と同じものばかりだ。


「あ! 薬草発見! 香澄ちゃん、警戒OK」

「はいはい、ちゃんと見てるわよ」


 白須はそう言って道の端にしゃがむと土を手で掘り返して、根っこが千切れないように慎重に掘り返して採取する。そのまま背負っているリュックに仕舞って涼風にお礼を言う。


「採取終了! 香澄ちゃんありがとう」

「どういたしまして。それにしても、採り過ぎじゃない?」


 白須の背負っているリュックは既に薬草や傷薬や食料でパンパンになっているのだ。彼女が回復職だから邪魔にならず、ステータスのおかげで負担にもならないが採り過ぎと言われれば採り過ぎである。


「いや、まだ足りないよ。レイ君はきっと怪我をしてる。だから私が治すの。魔力が切れていたら回復できないもん」

「だからって……」


 二人が騎士に護られながら話しているとそこへ邪魔をしてくる空気の読めない不届き者がいた。


「優香、俺も守るから前に行かないか? それに香澄が言うように採り過ぎだ。重そうにも見えるし、俺が持とうか?」


 そう、下種勇者遊馬だ。その後ろには戸間四人衆がいるが遊馬に先を越されたことで苦い顔をしている。


 遊馬達は現在孤立しかけていた。遊馬はそれほどでもないが赤鬼との戦闘で本性が出てしまい、汚物も撒き散らしたということでちょっと引かれている。現在それを修正中のようだが、空回りしている。

 戸間達は完全に孤立し掛けてイル。零夜の忠告を無視して宝箱を開け、あの悲惨な戦闘をしなくてはならなくなった張本人達なのだから当然だ。それに関しては一部を除いて全員に言えることだからそこまでではないが、零夜が置き去りにされたのはこいつらのせいでないかと囁かれているのだ。零夜に対してやってきたことが返ってきているだけのようにも見えるが……。


 そしてこの五人はそんなこと気にせず白須にアプローチを掛けているのだが、白須達は零夜の言いつけ通り騎士団の人に護られながら遊馬達を拒絶していた。


「いいよ、全然重くないから。それに薬草は採り過ぎてもまた生えてくるみたいだよ?」


 白須は若干顔歪めながら少しずれた答えを口にした。それに乗じて涼風も遊馬に答える。


「遊馬君は前の方で私達に魔物があまり近寄らないようにしてちょうだい。これは遠ざけているわけではないわ。最前線で守ってという意味よ? それに勇者が後ろで守られるという構図はいただけないわよね?」


 涼風は苦笑して皮肉めいた言葉で遊馬が存外に邪魔だと言ったが、遊馬はその言葉を普通に解釈して嬉々と笑顔で最前線に戻っていった。


「何?」

『い、いや、何でもない』

「邪魔よ。用がないのなら退きなさい」


 白須は再び笑顔になって騎士団の人と話し出す。涼風はまだ目の前で進行の邪魔をしている戸間達に冷たい目を向けて邪魔だと言った。四人はその剣呑な空気と冷徹な瞳にやられ生唾を飲み込んで前の方へ戻っていった。


「はぁ~。雲林院君の言うとおりになっているわね。今ので何回目かしら……」

「今ので十三回目ですな。遊馬殿はあそこまでしつこい御仁でしたのか?」


 涼風が頭を痛そうに手を当てて呟くと隣にいた騎士団の男性が答えた。


「あそこまで酷くなかったわ。ちょっと自意識過剰だったり、自分が中心だと考えてはいたのだけど……。さすがにここまでは……」

「我々から見ても変わったと思えるのですから、涼風殿からすればそれは変化が凄いでしょうな。零夜殿からも聞いていたのですが遊馬殿達には本当に気を付けなければなりませんな」

「ええ、遊馬君達だけじゃなく罠にも気を付けないといけないわね」

「ごもっともですな」


 罠に気を付けないといけないというのはあの五人がわざと罠に引っかかり、後衛の者が被害に遭っているからだ。これに気が付いているのは騎士団員と白須達極一部だけだ。さすがに罠に引っかかるなとも言えず、罠に掛かった証拠もない。だから、こちらが気を付けないといけないのだ。


 罠というのが矢や落とし穴といったものではなく、モンスタートラップや粘着罠等の危害が少ないものばかりだ。だから、余計にあの五人がわざとやっているのではないかと思えるのだ。零夜もこの五人から矢や落とし穴といった罠を仕掛けられていたのだが、反射神経と周りの騎士団に助けられていたのだ。矢を掴みとった時の五人の顔は面白く、思わず奇声を上げようとしていたのだ。


「なんで遊馬君は私に近寄ってくるのかな? 私がレイ君を好きだって言うことが分かっているのにね」


 レイ君と皆の前で言っているのは転移した部屋で待泣き喚いたことで皆が気が付いたからだ。それからは隠すことを止めて普通に皆の前で零夜の話をしている。


「そうねそうね、レイ君よね。私もかっこよくて強くて一生護るって言ってくれる彼氏が欲しい」

「そうですね。なんでしたっけ、『強くなったら、ユッカを護れる力が付いたら告白しに来る』でしたか?」


 前の方を歩いた郷原と長谷が振り返って乙女の様に両手を胸の前で組んでそう言った。その後白須をちらりと見てニヤリと笑うと白須は顔を真っ赤に赤くして後悔を始める。


「ううぅー、なんで私皆に言っちゃったの! こうなるってわかっていたのに! むうぅぅ」

「仕方ないでしょう? 優香はあの時いようなテンションだったし、私は一応止めたのよ」


 涼風は苦笑して白須を慰めるが白須は目の端に悔し涙を浮かべて地団駄踏む。


「クスクス、聞いているだけで私も恥ずかしかったよ。まるでラブコメみたいでさ」

「私はそう言うのを読まないでわかりませんが、これは萌えますね」

「えっ、萌えは知ってるんだ」

「ええ、雲林院君がオタクと呼ばれていたので、オタクを調べたら出て来ました」

「へ、へぇ~」


 長谷は知らないことを気が済むまで調べるという性格なのでオタクについて相当調べたのだろう。それでラブコメをあまり知らないのはちょっと気になるがまあ、いいだろう。郷原はおほほと笑っている長谷の調べる魂に若干身を引いて引き攣る笑みで答えた。


 それを見た白須と涼風も自然と笑いがこみあげ、意味の分からない騎士団員は首を傾げていた。




 四十五層。ここは鉱山エリアのようだが道はしっかりとしていて崩れるようなことはなさそうだ。また、所々に鉱石が生えていて錬金術師や炭鉱等の職業持ちが嬉々と喜びそうだ。また、この世界にはドワーフがいるのでその種族も喜びそうだが、ここまで来るのは一筋縄ではいかないから土産話にしかならない。


 さすがの白須も鉱石には興味がないようで拾わないようにしているが、それに気が付かない五人は拾っては白須の元へと持って来ていた。


「はぁ~。私にこんな石持って来てどうしろっていうの?」


 シラスの周りには鉄鉱石の山と銅鉱石の山、金鉱石や銀鉱石、白亜鉱、宝石の原石等が積んであった。女性から見れば最後の宝石の原石がいいかもしれないが、加工されていないのでその辺の石にクリスタルが付いているようにしか見えないのだ。これが零夜なら鑑定でしっかりと調べられるのだが、白須には区別が付けられなかったのだ。


「もらっておきなさいと言いたいけれど、さすがにこの量は無理ね」

「さすがに我々は鉱石の種類まではわかりませんな」

「零夜さんの鑑定やボックスという技能がどれほどいい技能か今になってわかりますね」

「そうね、この中に良い鉱石があれば武器とか作れちゃうし、お金もがっぽがっぽじゃん」


 騎士団の人達は鉱石の区別が付かず申し訳なさそうにし、長谷は零夜の技能を羨ましがり、郷原はしゃがんで鉱石を眺めていた。


 この鉱石を鑑定できればひと財産になるだろうになるだろう。金鉱石と銀鉱石は高く売買がされ、宝石は鍛冶師に任せると魔道具として生まれ変わる。また白亜鉱は大理石として使われるのでこれもまた高値で取引される。


「それにしても二人に言われた様に遊馬から離れてよかったよ。あそこまで変わるともう生理的に無理」

「そうですよ。まあ、私は遊馬君をどうとも思っていなかったのでどうでもいですけど」

「じゃあ誰派なのよ。言いなさい、長谷ちゃん」

「ええ、いいですよ。私は筋肉派ですよ。天宝治君なんていいと思いますよ。あの引き締まった筋肉、盛り上がった胸、寡黙なところもいいです」

「あ、あ、そう?」


 またしても郷原は長谷に引いてしまう。長谷の趣味は少しだけ皆とずれているのだろうか。今までは図書室で過ごしていた長谷なので、郷原が知らなくても仕方がないのだが長谷と天宝治の中は結構いいのだ。


「とりあえず、何種類か持っておけばいいんじゃない? 持っていかなかったらしつこいだろうし」

「それもそうだね。では、申し訳程度に一つずつ」


 白須はそう言ってリュックの中に一欠片ずつ入れていく。それでも嵩張るのが鉱石類である。他の人達も何個か取りリュックに入れていく。皆、地上に戻った時に武器や防具にしてもらうためだ。こういったものを持っていけば安い値段で武器などを作って貰えるからだ。量が多ければお金が返ってくる。無理でも出店で売ればいいだけだ。


 今日はここまでとなり、四十層に戻って地上に帰った。




 地上に戻ると薬草や鉱石を専門の生産職業を持っている生徒に渡して加工してもらう。白須が集めた薬草は百本近くのポーションとなり半分は売ることにした。他にも気付け薬や解毒薬等の状態回復薬も作れた。調薬の職業持ちはとても喜んでその作業をしていた。久しぶりの大仕事なのだ。


 錬金術師や装飾師、細工師は持って帰ってきた功績の少なさに疑問を口にしたが、白須達の嵩張るという一言で納得し、長谷の零夜君のボックスが欲しいという一言に賛成した。やはり異世界で言うと無限袋や収納袋みたいなものが欲しくなるのだ。この世界にも存在するが貴重過ぎて手に入らないそうだ。ア―ティファクト並だと言ってもいい。


 生産系の生徒は一部が残りこうやって持って帰って来た素材で戦力の代わりをしているのだ。お金も無限じゃないためこういった職業持ちがいるだけで迷宮組は助かっているのだ。


「それにしても言いたくないが雲林院は生きていられるのか? 赤鬼を倒したとしても食べ物がないだろ?」


 一人の男子生徒が鉱石を加工しながらそう口にした。一瞬剣呑な空気が流れそうになったが最後に一言で微妙になった。皆、零夜が生き残るのは無理そうだと分かっているのだが、白須の前ではそんなこと言えず、白須と涼風の様子を見ている限り自分達も生きている気がするのだ。それに、目の前であれほどの戦闘を見せられたらそう思っても仕方がないだろう。


「そこは大丈夫だよ。レイ君にはボックスがあるから。よく分からないけど、ボックスの中から肉を取り出して食べているのを見たことがあるもん。多分それを食べてると思うよ」


 白須はリュックに回復薬を詰めながらそう言った。零夜は魔物肉を食べているのを隠していたが、白須にはばれていたようだ。多分だが、夜中に様子を見たり、宿屋での語らいの時に気付いたのだろう。


「そうなのか? まあ、あいつは俺達と一緒に食べていなかったから、ボックスにこっそり入れていてもおかしくないか」

「私達のせいだよね。彼が食べに来なかったのは」

「まあ、そういうな。半分ぐらいの生徒は気にしてるんだからよ。帰ってきたら皆で謝ればいい。そして帰還を祝えばいい。あいつなら許してくれるさ」


 おかしな空気は一人の生徒の一言で変わり、零夜が帰還してからの話にすり替わっていった。零夜がした言動が今の生徒達を作ったのだ。日頃の努力を見てきた者や忠告を聞こうとした者はより顕著に現れている。中には妬みながらも負けていられないと、訓練に励む者や冒険者となり地上で魔物と戦っている者がいる。




 四十層の魔物はレベル78ほどでステータスは平均900ほどだ。技能もそこまで強力ではないが大型の魔物やスピリット系が出るようになった。まだ、レイヤ達が戦った魔人やネームドには合っていないが強力な魔物を倒してきたのは確かだ。


 それでは皆のステータスを確認しよう。




遊馬大和 17歳 男 人族 レベル:83 経験値:412563


職業:勇者


筋力:1010

魔力:1300

体力:1100

耐久:900

魔耐:850

精神:700

敏捷:1040


魔法属性:火、水、風、土、光

技能:全適性、全耐性、物理耐性、合成魔法、剣術、格闘術、怪力、速足、危険察知、魔力感知、自己回復≪体力、魔力≫、言語理解、スマイル


称号:光の勇者、鈍感野郎、異世界人、覚醒者、蹴落とす者




白須優香 17歳 女 人族 レベル:78 経験値:384649


職業:天女


筋力:680

魔力:1800

体力:780

耐久:680

魔耐:1290

精神:1400

敏捷:890


魔法属性:火、風、光

技能:回復魔法、全属性耐性、並列思考、合成魔法、魔力遮断、魔力感知、自己回復≪魔力≫、言語理解


称号:慈愛の女神、異世界人、覚醒者、一途な思い




涼風香澄 17歳 女 人族 レベル:85 経験値:431749


職業:剣豪


筋力:960

魔力:1580

体力:1020

耐久:850

魔耐:1020

精神:980

敏捷:1390


魔法属性:火、風

技能:火耐性、風耐性、物理耐性、剣術、刀術、抜刀術、怪力、縮地、危険察知、魔力感知、言語理解、


称号:お姉様、異世界人、覚醒者、友の騎士




郷原朱里 16歳 女 人族 レベル:79 経験値:392387


職業:火魔導師


筋力:680

魔力:1700

体力:800

耐久:680

魔耐:1280

精神:1020

敏捷:790


魔法属性:火、水、光

技能:火耐性、水耐性、結界魔法、魔力感知、自己回復≪魔力≫、言語理解


称号:異世界人、覚醒者、ムードメーカー




長谷千草 16歳 女 人族 レベル:76 経験値:368594


職業:地図職人


筋力:630

魔力:1020

体力:720

耐久:680

魔耐:970

精神:1300

敏捷:780


魔法属性:風、土

技能:風耐性、土耐性、合成魔法、マッピング、自己回復≪魔力≫、言語理解


称号:異世界人、覚醒者、




天宝治豪太 17歳 男 人族 レベル:87 経験値:447353


職業:重戦士


筋力:1300

魔力:830

体力:1280

耐久:1590

魔耐:1230

精神:870

敏捷:680


魔法属性:水、土

技能:水耐性、土耐性、物理耐性、格闘術、剛力、剛脚、硬質化、危険察知、我慢、自己回復≪体力≫、言語理解


称号:異世界人、覚醒者、不屈の闘志




戸間蓮司 17歳 男 人族 レベル:82 経験値:402553


職業:魔法剣士


筋力:920

魔力:1190

体力:1020

耐久:940

魔耐:940

精神:690

敏捷:890


魔法属性:火、風

技能:火耐性、風耐性、物理耐性、剣術、怪力、速足、危険察知、魔力感知、自己回復≪体力、魔力≫言語理解


称号:異世界人、覚醒者、蹴落とす者




ロイ・ヴァンドュラフ 37歳 男 人族 レベル:139 経験値:983945


職業:騎士


筋力:890

魔力:780

体力:820

耐久:870

魔耐:790

精神:720

敏捷:870


魔法属性:火

技能:火耐性、剣術、怪力、速足、危険察知


称号:王国最強、団長、指導者




一般騎士 25歳 男 人族 レベル:75 経験値:350000


職業:剣士


筋力:350

魔力:320

体力:350

耐久:340

魔耐:300

精神:280

敏捷:310


魔法属性:どれか一つ

技能:どれか一つの属性耐性、剣術、怪力、危険察知


称号:ない人多し




 皆前回よりもステータスが二倍ほどになっている。これもレベル五十で得られる覚醒者のおかげだ。また、ロイ団長には指導者という称号が増え、この称号は指導すると上がった分の何パーセントかが自分も上がるというものだ。零夜達の○○師匠と弟子と同じ効果だ。王国最強はさらに強くなったと言える。




 それから一週間、零夜置き去り事件から三週間が経った。今日はいよいよ第五十層に足を踏み入れる。五十層からは魔物の強さが格段と上がり、今の状態では複数の相手をすることが出来ないと言われているが、零夜を助け出すぐらいなら出来るとも言われている。


 第四九層。まずは此処で休憩をしたのち階段を探すこととなっていたが、いくら階段を探しても見つからない。それもそうだろう。現魔王がその階段を消し去ったのだから。どのようにして会談を消し去ったのか分からないが、この迷宮は上下に割かれてしまったのだ。だから、上から来た者が五〇層以下へ行くことは出来ない。


 行くことが出来るのは零夜達だけだが、無事に帰還できるかはまだわからない。


「階段何処にあるんだろう? もう全部回ったよね?」


 白須が疲れた声でそういった。かれこれ四九層を三日程探索しているのだ。これでもハイペースで挑み続けレベルも順調に上がっているのに、目標目前でこれとはついていないものだとみんな思っている。いや、一部の者は苛立っている。


 それは遊馬達のことだ。最近の遊馬達は近寄らなくなり始めていたが、いつも五人で行動するようになり女子生徒を嫌な目で見てくることが多くなった。その対象は白須が多いが、他の女子生徒やメイドなどからもよく聞く。まあ、メイドは深いところまで知らない様でそれを許しているようだが、女子生徒からすると一部を除いて嫌悪感を表せていた。


「そうですね。もう、地図に空欄はないように思います。――ロイさん、階段が隠されていることはないのですよね?」


 長谷が作成した地図を確かめながらそう言った。


「ああ、階段が隠されているなど聞いたことがない。踏破出来ないではないか」


 ロイ団長も不思議がっているが、事実を知ることは当分無理な話だろう。まあ数年もすれば迷宮が繋がっていないことに気が付き修復するかもしれないが、それまではずっとこのままだ。まあ、四十層に行く者等白須達しかいないが。


「はぁー、レイ君が居るところまであともう少しなのにぃ! なんでこうなるの!」

「優香、その気持ちはわかるけど騒いでいても何も変わらないわ。とりあえず、地上に帰ったほうがいいのではないでしょうか」


 涼風は地団駄踏む白須を宥めて、ロイ団長にこのままでは埒が明かないので帰還して情報を集めてはどうかと提案した。ロイ団長はその提案を吟味すると騎士の人と話して指示を出す。


「そうだな、今日はもうこの辺にしておこう。とりあえず明日は地上で迷宮について調べるとしよう。それでもわからない場合はもう一度四九層を調べよう」


 そう言って白須達は地上へと戻っていった。この後迷宮について調べたが何も解らずじまいで、再び四九層を探索したが階段は見つからなかった。


 最終手段として今でも気持ちが悪くなる三五層の魔方陣を調べることにした。


一秒が長いという意見が出ましたが、私としては他の小説とかでも長い時があるのでこれで通したいと思います。

五人に関しては精神的に異常が見られ始めているので咎めなしではありませんが、この後にさらにやらかすのでその時に何かしらあります。

国の情勢は前書きで書きましたが国襲撃があります。その時に語ります。

完全なネタバレ申し訳ありません。

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