表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/51

姉妹に理由はいりません

 宇宙からの落下の際、ブルーホースアーマーが解除された私は搭載されていた緊急防護装置により水の防護壁に包まれた状態でとある森の中に落ちて意識を失った。




「このような所で寝ておると風邪をひいてしまうぞ」


 暗い夢の中に妹の声が聞こえた。


「全く、ようやく目を覚ましたか。妹に手を煩わせるとは嫌な姉じゃな」


 私を目覚めさせた妹ではない妹は、つい先程まで宇宙にいたはずのチェスモノクロームと対峙しながら森の中に横たわっている私を護っていた。


「『(クイーン、何の真似だ?)』」


「悪いがブルーナイトは妾の獲物じゃ。手を出すというのならモノクローム様であろうと戦うつもりじゃ」


「『(私は構わないが、貴様は私に勝てると思っているのか?)』」


 チェスモノクロームはクイーンの返答を聞かずに宇宙でも放っていた闇の球体をまだ状況を掴み切れず茫然としていた私に向けて放った。


 しかし、その闇の球体は私に当たりはしなかった。


「クイーン、私を護って」


「何の事じゃ? 妾は獲物を盗られたくなかっただけじゃ」


「さっきお姉ちゃんって言ってくれたのに獲物扱い?」


 私は立ち上がり立った一発の攻撃でボロボロになってしまった妹の隣に立ち、青い騎士にナイトチェンジした。


「勝手な事を」


「『(ブルーナイト、貴様は分かっているはずだ。クイーンと共に組んでも結果は全く変わらないことを。それどころか最悪の結果に変わってしまう事を)』」


 そんなことは言われなくてもわかっていた。だから私は、


「クイーン、逃げるよ」


「戦うのではないのか?」


「クイーンは戦えるような状態じゃないでしょ!」


 クイーンの腕をガッチリと握った私はナイトブラスターに予備として持っていた『桂馬ナイトチップ』を装填し、疾風の如き速さでチェスモノクロームの前から逃げ出した。


「仮にもヒーロー、ヒロインを名乗る騎士が何も出来ずに逃げ出すとは情けない」


「クイーンが怪我しているから逃げて来ただけだから」


「もう麗奈とは呼んでくれぬのか」


「まだ、敵同士だから」


「『(そう、今の私たちは敵同士だ。そうだろう? クイーン)』」


 追いつけないほどには引き離したはずだというのにも関わらず、チェスモノクロームは最初から私たちと行動を共にしていたかのように話に割り込んできた。


「『(クイーン、貴様はブルーナイトに『何も出来ずに逃げ出すとは情けない』と言ったようだな。しかし、私が今一番情けないのは目の前の敵が油断をしているにも関わらず攻撃をしない貴様だ)』」


 『残酷』今、私の目の前で起きた事を表現するには十分すぎる言葉だった。


「逃げるのじゃ、お姉ちゃん」


 チェスモノクロームに身体を貫かれてもクイーンは、妹は私の心配をしてくれていた。


「『(人間に味方するものはモノクロームであろうと殲滅する)』」


 チェスモノクロームはクイーンの身体の中であの、闇の球体を作り出した。それは人間の姿とモノクロームの姿を交互に変化しているクイーンの身体を沸騰したお湯のようにブクブクと湧き上がらせて最後には破裂した。


 破裂したクイーンからは光の粒が出ず、代わりに体内で生み出された闇の球体がはじけた後に残った闇が立ち上った。


「クイーン、クイーン……。麗奈ちゃん!」


 私は膝から崩れ落ちた。


 変身が解けたのがわかった。チェスモノクロームが邪魔者を一人消し飛ばした優越感に浸りながら近づいて来るのがわかった。


 私の死が着実に近づいていることが分かった。


「『(消す前に一つ問う。何故貴様は血の繋がりが無く、貴様を裏切った女の為に涙を流す?)』」


「元々人間なのにそんなこともわからないの? 血が繋がっていなくても、裏切られても、姉妹に理由はいらない」


「『(ふっ)』」


 チェスモノクロームは鼻で笑い、そして続けて言った。


「『(くだらない)』」


 チェスモノクロームの手には妹を消し飛ばした闇の球体が発生していた。


「『(まずは、一人)』」


 流石に今回は死を覚悟した。




「お待たせしました」


「悪い、遅れた」


 私の前に現れたのはモノクロームの姿に戻っている歩と傷だけでは済まないほど大きな怪我をしている様子の勇気だった。


「歩、朔弥を連れて撤退だ」


 私たち三人は青白い光に包まれた。


「『(逃がしはしない)』」


 転移しようとする私たちを止めようとするチェスモノクロームは何者かに抑え込まれているかのように動きが止まっているように見えた。












「『(長山、貴様)』」


「勇気、すまない。俺にできる事はここまでだ」


 チェスモノクロームの中から戦いを求めぬ雰囲気がにじみ出ていた。

おはようございます。こんにちは。こんばんは。

今回の話はタイトルからわかる方もいらっしゃると思いますが、朔弥と麗奈ことクイーンがメインの話です。


今回の話に限らず前回でも登場したチェスモノクロームの攻撃技に闇の球体があります。それについて少し語らせていただきます。

勇気や朔弥は闇の球体と呼んでいますがこの攻撃にも一応『現想消球げんそうしょうきゅう』と言う技名が付けられています。

おそらく本編でチェスモノクロームがその技名を言うことはありませんがチェスモノクロームが最も好んでいる攻撃技という設定です。


表に出ることは無かったはずの設定を語った所で次回ですが、

今回の話の裏側で朔弥を探していた勇気たちの話です。


登場人物紹介を含めると40話を超えたこの物語もそろそろクライマックスです。と言っても最終回まではまだまだ話は続くのでもうしばらくよろしくお願いします。


東堂燈

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ