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この戦いは残酷です

「おい、ポーン」

何度声を掛けてもポーンが目を覚ます様子は無かった。


「あぁ、ビショップの奴なんで私に後始末をさせるかな」

森に放置するわけにもいかず頭を抱えているとどこからかポーンと同じ歳位の少女の声が聞こえた。

「この森の中からモノクロチップを探せとか無理に決まってるし」


「モノクローム⁉︎」

「ん? 誰かいる感じ?」

俺は咄嗟に口を押さえた。

「もしかしてポーンの姿見ちゃった一般人? 悪いけど居るなら素直に出てきてよ」

モノクロームの関係者と思われる少女は戦っていた時のポーンみたいな雰囲気を醸し出していた。

「出て来ないならこの森ごと消すから」

少女はモノクローム態に変わって黒い鞭を振るった。


少女はポーンと同じモノクローム幹部のルークだった。

「早く出てきた方が身のためだよ」

鞭は木々をなぎ倒しながら俺が隠れている場所に近づいてきた。


「なんだ、カブトムシか」

ふと振り返り飛んでいたカブトムシを素手で掴むルークの死角で青白い光が空に昇っていった。

「あれ? この子ビショップの闇が付いてる……。なるほど。ポーン、アンタ中々しぶといね。そういう所あいつに似てて大っ嫌い」






「ねぇ、勇気」

俺はモノクロームとの戦いから戻ってきたばかりの朔弥に言い寄られていた。

「なんでポーンがここにいる訳?」

朔弥はナイトブラストを放ちそうな勢いで俺を壁まで追い詰めた。

「俺にもわからない。気付いたら連れて来ていた」

「何よそれ、モノクロームと戦い過ぎて頭がおかしくなったんじゃない?」

「そうかもしれないな。でも、俺はポーンを助けないといけない」

俺はあいつにそう頼まれた。


「どうやって助けるつもり?」

「俺にもわからない。でも、きっとこれが手掛かりになるはずだ」

ポケットから彼に貰ったあれを取り出し朔弥に見せた。

「ナイトチップ? いつも使っているやつとは違うみたいだけど」

さっきはポーンを倒すことに必死で気が付いていなかったが、よく見るといつものナイトチップとは材質が違う。それに作りも若干雑だ。


「『香車』ナイトチップ、本編通りならモノクロームの力を無効化出来る力のはずだ」

まさかモノクローム側から提供されるとは思ってもいなかったが。

「それってルークって名前が付いたモノクロームにも効く?」

「ルーク? 『香車』は元々対ルーク系モノクローム用に作られたナイトチップだから『香車』の力が本編通りなら効くはずだ。でも何でいきなりそんな事を?」


「さっき、タートルークってモノクロームを取り逃がして」

大方人間の姿に変わったタートルークに攻撃出来ず逃げられたって所だろう。






「ルーク様、わざわざ貴方までご一緒になられなくても」

「別に一緒にいたくて来たわけじゃないわ。むしろ、アンタなんかと一緒にいたら変な液でネバネバするから来たくなかったわよ」

「申し訳ございません」

「やっとお出ましみたい」


朔弥が出撃してから三時間、モノクロームが再び現れたとの報告で俺と朔弥の二人体制で向かったのだが、

「人間?」

「片方はタートルーク、もう一人は……知らない」

完全に中年のタートルークとは初めましてだが、もう片方の少女は一方的に先程振りだった。

「ルーク」


「やあ、人間。私はこんな姿だけど人間という存在が大っ嫌いでね。出来るだけ早く君たちと別れたいからさっさと話すけど君たちからは言葉を返してもらわなくて結構だから。それじゃあ早速本題だけど、君たちポーン保護してるでしょ? いや、答えなくていいよ。男の方の人間の表情で察したから。なんでわかるんだ? とか考えているんでしょ。そんな気持ち悪い顔見せないで一瞬見たら分かるから。別にポーンを返せとは言わないけどポーンが人間の所にいるって事はこれからモノクロームはポーンを完全に倒す為にこの国を標的にするって事を覚えておいて。その顔はなんでポーンを倒すのかって言いたいんだろうけど、あいつ私たちの妹のくせに裏切り者の肩持つから人間と同じくらい嫌いなんだよ。まぁ、こんな所で私の話は終わり。質問は認めないから。タートルーク後は宜しく。歯向かえなくなるぐらいボコボコに倒しても良いから。こんなに人間の前で話したのは初めてだな。人間が気持ち悪すぎてもう吐きそうだからじゃあね」


話の途中から本気で吐きそうな表情を見せていたルークは俺と朔弥更に仲間であるタートルークに喋る暇を与えず一人で勝手に喋って勝手に帰って行った。

「な、なんか申し訳ない。ルーク様は人間が大嫌いだというのは本当ですから嫌いにならないであげてください」

「嫌いだって聞いてどう好きになれって?」

流石に俺も朔弥の意見に賛成だ。


「と、世間話はこれくらいにしてレッドナイト、ブルーナイト勝負と行きましょうか。そうだ、貴方達がこちらに来る前にルークズがここらにいた人間をほか、ゲフンゲフン。失礼、ルークズがここらにいた人間を避難させているのでご心配なく」

タートルークが妙な所で咳き込んだのが気になったが空腹の時にわざわざ差し入れをしてくれる優しさを知っている俺としては敵ではあるがルークズを信頼し、タートルークの言葉を疑わずにレッドナイトに変身した。


「なんか胡散臭いけど良いの?」

不安感を醸し出しながら朔弥もブルーナイトへ変身した。


「さて、ブルーナイト。私を倒すことが出来ない件についてこの三時間の間に解決策は見つけられましたか?」

「当たり前でしょ。勇気行くよ」

「任せろ」


朔弥の合図でまずは俺がナイトブレイドを持って飛び出した。

「おっと、危ない」

タートルークは咄嗟に甲羅の中に身体を隠した。

「それくらい十年前に予習済みなんだよ」

『チップ確認 桂馬』

「ナイトサイクロン」

桂馬のナイトチップで素早さを強化した俺は甲羅に身を隠すタートルークの周りを目にも留まらぬ速さで駆け回り竜巻を発生させた。

「目が、目が回る。だが私には効きませんよ」

「知ってる」


俺は甲羅に身を隠すタートルークを空高く上げて竜巻を消した。

「落ちる、落ちる、落ちてしまいます……オヂダッ」

地面に落下したタートルークの甲羅にヒビが入った。

「これはマズイですよ。このままだとスッポーンと同じ末路を辿りモノクローム内で未来永劫ポーン系モノクロームの寄せ集めモノクロームと呼ばれてしまう」

「じゃあ、私が倒せば問題ない?」

タートルークの落下場所では『香車』ナイトチップを装填した事によりナイトフォトンを真っ白に染めたブルーナイトが必殺技待機状態のナイトブラスターを持って待ち構えていた。


「や、やめましょう。調子に乗りすぎました。ブルーナイト、話せばわかるはず」

「まずはあなたが取り込んだおじさんを返しなさい」

『3,2,1』

「『ナイトヒーリングブラスト』」

「最後にネタばらしを、この人間は私が取り込む直前にルーク様によって命を絶たれている。よって私と共に消滅するのですよ」


タートルークは自分が勝ったと言わんばかりの高笑いと共に例によって光の粒と化した。

タートルークに取り込まれた中年男性はタートルークから解放されたが、取り込まれていた間も優しく抱きしめていたであろうカメを残しタートルークを追って光の粒となってしまった。


「そんな、そんな」

空へ上がっていく光を朔弥は必死でかき集めようとするがその光は朔弥の手をすり抜け完全に消えてしまった。

「朔弥、お前のせいじゃない。お前のせいじゃないんだ」

俺が朔弥に言える言葉はただそれだけだった。

前回、そして今回と作者が若干トラウマになっているモノクローム『スッポーン』ではなく『タートルーク』が登場しました。

最初の頃、「タートルークはいつか登場します」なんて事を言いましたが無事に出せて良かったです。


さて、次回ですがルークズの秘密が明かされる話になると思われます。

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