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04 逃避

「……例の事件の被害者、全身を噛みちぎられていたんだって?」


「ええ、まるで大型犬にでも殺られたかのように……。」


「……しかし両腕には手形がハッキリ残っていた……。」


「……。」


俺は昨日起こった会社員殺人事件の捜査を担当している刑事から遺体の状況を聴いていた。


「……一体どういう事なんでしょうね……。人間に出来る犯行じゃない……。」


俺は新米刑事のそんな言葉を聴き流しながら、思考を巡らせた。


──昨日は満月。


──そして遺体は大型犬に噛まれたかのようにズタズタにされ、両腕にはハッキリとした手形が残っていた……。


こんな殺し方、人間でも獣でも、あり得ない殺し方だ。


しかし、あいつらならあり得る──……。


そこで思考を止める。


あいつらはもう居ない筈、つまり……あいつらの犯行では、無い。


──そうだ、あいつら、ウェアウルフの犯行なんかじゃ……無い。


俺はそう考えた。


……今考えれば、それはただの現実逃避だった。──そう、"もしかしたらウェアウルフは美香かもしれない。"と言う仮説からの、逃避だったのだ──……。


あの時……あの時、その考えから逃げなければ……あんな事には、ならなかったのに……ッ。


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