03 紅い月、そして……
──「……ふぁ……もう7時かぁ……。」
私はゆっくりとベットから起きる。もう外は真っ暗だ。
「夕飯の支度……しないと……。」
そう言って私は夕飯の支度をする為にキッチンへと向かう。そしてキッチンに着いた時、聴き慣れた着信音が鳴った。
──零士さんからのメールだ。
『仕事で今日は帰れない。すまない。』
短い文面……。
「……今日も……、帰ってこないんだ……。」
携帯電話の画面をぼんやりと見つめながら、私はそう呟いた。
──……いつもこうだ。いつもいつも……私は一人ぼっち。
あの人、零士さんが私の事を思ってくれているのはすごい分かる。……だけど、幼い頃から、一人で……側にいて欲しいのに、いつも……一人で……。
ふと、窓の外を見る。何故か今日は紅い満月で……。
──その余りの美しさに……私は思わず見惚れていた。
──翌日。
どうやらいつの間にか寝てしまっていたらしい……って。
「……あれ?なんで……裸?」
私は全裸でベッドで寝ていたのだ。とりあえず寒い……。
とりあえずシャワーで体を温め、服を着る。
それからコーンフレークの朝食を食べながら何となくテレビをつけてみた。特に面白みの無いニュースだ。
『……続いてのニュースです。本日未明、○○市で遺体が発見されました。発見されたのは○○市在住の会社員、住吉友和さん36歳、遺体は昨夜10時頃に殺害されたとみられ、警察は他殺と見て捜査を……。』
……この時、私達は知らなかった。
この事件が……悪夢の始まりだと言うことに……。