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肉体分割    【ナカガミ】

「……?」

此処は何処だろう、暗い。

俺は寝ているのか、起きているのか、それすらもわからない。

ただひたすら、暗い。

腕を動かして確かめたいが、動かない。

まるで何かに縛られているように…動かない。

……縛られている?……


「…!?」

そこまで考えて、目を開けた。

どうやら眠っていたらしい。まだ頭が回らない。

ポケットを探ってみると小さい鍵が入っていた。

目を擦り、辺りを見渡す、

「此処は…?」

どうやら部屋…地下室か廃墟になった建物の一室かは分からないが、部屋であることは間違いないだろう。マンションの一室とあまり変わらない広さだ。唯一変わっていると言ったら換気扇らしきものが俺の目の高さと同じところに付けられていることだけだ。

しかし、臭う。換気扇が付いてるのに臭うとは変だが、とにかく臭い。

すぐに慣れるだろうと思い、他にないか確かめる。

目の前にあるドアには紙が貼り付けてあったが、見えない。

内容を確かめようと歩み寄ろうとするが、ジャラッと音がして、足は動かない。見ると鎖につながれていた。

鍵を使い、鎖を外してドアに近寄り、開けようとする。

だが、あかない。

鍵穴はない、きっとロック式だろう。

部屋から出るのは諦めて、紙の内容を確かめる。



【快楽殺人者のナカガミ、キミは今までたくさんの人間を殺してきた。しかも手足をバラバラにしてから、殺した。これは許されない行為だ。本来ならばキミが死んで罪を償うべきだ。実はこの部屋、キミが起きたときを堺に、毒ガスが流れてる。すぐ死んでしまわないように、少しづつ、少しづつ流れている。だが、人間は平等だ、人間は生きる権利がある。だから、キミにもチャンスをやろう。この部屋にあるキミの目の高さにある換気扇、実は奥にドアに連動するスイッチがセットされて居るんだ、それに、解毒薬もある。ただし、それらを手にするには、あの刃に腕を入れなければならない、あの刃は特注品でね、よく切れるんだ。だが、あれを止めるスイッチはないんだ。キミも殺された人たちと同じ気持ちを味わうといい。少しづつ、自分がなくなってく苦しみを味わうといい。制限時間は20分。20分で何もできなければキミは死ぬ】



「クッ…!」

読むうちにだんだんこみ上げてくる。

俺を馬鹿にしている、という怒りと、得体のしれない恐怖が、こみ上げてくる。

同時に疑問も出てきた。

━━━なんでこいつは俺を知っている…?━━━

数十人も殺してきたが、俺の正体は世間にはまだ知られてないはずだ。

だが、なぜバレたかを考えていても時間の無駄だと思い、続きを考えるをやめた。

そんなことよりこの状況だ。この紙に書いてあることが正しいのならば俺は20分後、死ぬ。

「…ッ!」

意識が一瞬薄れる。喉に少し、違和感を感じた。

ごほっ、と大きく咳をすると、手には大量に血がついていた。どうやら本当に毒が流れているらしい。

しかも結構毒が体内に回ってる。この調子なら、あと5分も持たないだろう。

こんな形で死にたくない…こんなところで死にたくない…苦しんで死にたくない…だが…

腕も失いたくない……

だがこのままでは……でも腕が…でも苦しむのはもっと嫌だ…

腕捨てるか、命を捨てるか、悩んだ。

また、血を吐く。さっきよりも大きい塊が口から出てきた。

再び意識が途切れかける。その時、

『何もしないで死ぬよりも……惨めでも生きたい!!』

「うわああああああああああああ!!!!!」

俺は思いっきり叫んで換気扇の中に左腕を突っ込んだ。

目をつぶって腕を押し込む。

突然、激痛が指先に走った。今まで感じたことのない痛みが体中を駆け巡る。

「うがああああああああああ!!!!!!」

痛い、指先がちぎれてく。ガリガリと激しい音を出して俺の指がなくなっていく。

この次は腕だ。腕もこんな風に削られていくのか?

下手に考えると引っ込めてしまうだろう。それに時間ももうない。

「うがああああああああ!!!!!」

何も考えずひたすら腕を奥に進ませる。どんなに削られても、休むことなく。

「イダイイイイィィィァァァグウウウウウアアアアァァア!!!」

休むことなく激痛が走る。

それでも無理やり押し込もうとする。

永遠に続くかと思われた、刃の回転音が不意に途切れた。

ガッ…

骨か二の腕の筋肉か、どちらにせよに刃が食い込んだらしい。

換気扇は回ってなかった。

改めて俺の左腕を見る。指先は、もう無い。腕の方も3分の2程が既に無くなっている。

止まって初めて、自分が泣いていたということが分かった。頬がかなり濡れて、湿っていた。

涙と飛び散った自分の肉片で視界は酷かったが、止まった刃の奥にスイッチと注射器のようなものが置いてあることが分かった。

顔をぐしゃぐしゃにしながら、右手を突っ込み、スイッチを押そうとする。

やった…やっとこの苦しみから逃れられる……

スイッチを押そうとした瞬間、

ガ…ガガガガ…と音がした。

『ヤ、ヤバイ、また動き出してしまう!!』

急いでスイッチを押そうとするが、俺が押すよりも早く右腕に激痛が走った…………

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